エレクトラのロールモデル、ほけんしつのせんせい、リアリティ・ショウみたいな『あたし』の生活

「結論を言おう」目の前のろう先生は言う。あたしは診察室に入って、これまでの色々を彼に話した。体調面の事も根掘り葉掘り聞かれた。

「…無罪放免ほうめんとはいかないんですか?」往生際おうじょうぎわが悪い。

「だなあ。君、完全に燃え尽きてるよ」老先生は言う。

「燃え尽き…バーンアウト…」

「ん。教師なら心理学かじってるだろうから分かるね?」

「ええ。そういう状態があるのは分かってます」

「人間のキャパシティはそれほどでもない…」

「オーバフローしていると?」

「完全にね…君が否定したい気持ちも分かるけど。このままだと君は潰れる…徹底的に」

「大げさな」

「否認。うん、良くないね。睡眠が小間切れになってる時点で気付くべきだ」

「とは言え―別に日中眠くはならない」

「あのね。眠くないからオッケーって訳じゃない…睡眠の大事さを理解してない訳じゃないよね?」

「ショートスリーパーも居る…ナポレオンみたいに」

「居るけどさ。そういう人は大抵短命だ…人間は限られたリソースで物事を為す。リソースを先食さきぐいしたら後になって苦しむ」

「あたしには―今この瞬間しかないの!!」語気を荒げるあたし。子どもかよ。

「オールオアナッシング…典型的なうつの思考経路…言っとくが人生はクソ長い…私を見てみなさい、70後半近いのにまだ医者をやらされている」

「後を任せればよいのでは?」弟子なり息子なり居るだろう。

「ほら、オジサン変人だからさ、未婚ジジイな訳」あ、そう。

「まあ―人生は長い、よく分かりましたが…あたしはどうすれば良いので?」

「ん?まずは休職だんね…診断書2か月分で書いちゃうから…あ、悪いけどお金もらうよ?」

「いや、止めて下さい…あたしはここで諦める訳には―」

「お嬢さん?悪いが医者の言葉を疑って欲しくはないね…僕は君に休息が要る、と診断した訳…薬も出す」

「他の医者に必要ないって証明してもらいます」抵抗。

「構わんよ。でも僕と同じ結論を出すと思うね」自信たっぷりに言う老医師。

「…もう、いいです…分かりました…2か月休んで戻ります」白旗を上げる。

「ん。出した薬も飲んでもらうよ?この手の薬は効くのに時間がかかるし、自分に合う薬を見つけるのに時間がかかるからね」

「もう好きにしてください…」

「んじゃ、また2週間後、この診察室に来てくれ。約束だ…」ああ。どうしよう、収入が危ない。

「あの―私、休職したら生活が…」

「大丈夫、その手の準備もしておくから。まずは休む事。その後の話はゆっくりと。以上。まった再来週~」呑気のんきに言い捨てる老医師なのだった…


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 病院を出て、近所の薬局に寄る。そこで処方された薬は睡眠薬とSSRIの一種。脳内物質のセロトニンの再取り込みを阻害する薬。

「最初の内は副作用が出ると思いますので」薬剤師は言う。この手の薬は大概たいがい副作用が重い。故に劇薬げきやく指定されている。でも、私としては睡眠薬の方が気になる。心理学を齧っていたが故に、そのリスクは知っているから。

「睡眠薬を飲んだ後は、車なんかの運転は避けてくださいね?起きても半減期を迎えてないので、眠気が強く出る場合がありますので」 ※1


 薬局の薬の袋をぶら下げ、私は道をそぞろ歩く。とりあえずは主任に電話かけないと。

「美和です」そういう声は何故か震えている。

「はいはい。どうだった?医者の方は」

「2か月―休職をしなさいと言われました…」ああ。言っちまった。隠しといても良かったのだけど。

「だろうね。ま、引き継ぎは僕に任せろ…君は休んで回復するのが仕事だ、今後は」

「収入が―心配なんですが」と私は言う。

「そこは僕の管轄かんかつではないが―傷病しょうびょう手当てあてを受けれるから。今の収入より落ちるけど、最低限の保証はある」

「はあ…。まあ、休むしかないんですね?」諦めてあたしは言う。

「当たり前でしょう」と言い切る主任。

「ご迷惑おかけします」とあたしは言い、電話を切った。



 そして。家にそのまま帰っても良かったのだけど。何となく海のそばに来てしまった。

 大学生の頃から嫌な事があると海に来てしまう。寄せては返す波をなんとなくぼうっと眺めると、不思議と気持ちが落ち着くから。

 昼間の砂浜は、人気ひとけがない。漁師りょうしさんたちは朝の内に仕事を終えてしまうので、漁港ぎょこうには漁船ぎょせんが沢山。

 神湊港このみなとこうの近く、旅館が立ち並ぶ海岸には小さな砂浜がある。そこはあたしの特等席。砂の上にお尻を落ち着け、波をなんとなく眺める。

 低い音が鳴り響く。それは水が生み出した音。水に関する音を聞いてると気持ちが落ち着くのは、人間が生まれる前、妊娠中に胎内たいない羊水ようすいつかかっていたからだ、と聞いた事がある。その説を知った当時は何を大げさな、と思ったものだけど、今は納得が出来る。

 母なる海。

 生物は海から始まったという。生命のゆりかごとしての海…何故か私の頭の中で母の顔が浮かぶ…

 母。

 あたしと母の関係は―よろしくないものだった。

 小学生の内から、貴女あなたは教師になるの、と言い聞かされた。教師として頑張る母が好きだったから、最初の内は素直に聞き入れていた。

 でも。あたしに期待されていたのは。母のやり残しをやる娘だ。母の自我の延長線上にあたしはいたらしい。

「あたしとお母さんは、違うの」あたしは母に言う。

「いいえ。私がお腹を痛めて産んだ子だもの…」

「でも、あたしには『あたし』があるの」言い返しても無駄な事。

「その『あたし』の半分は私…貴女には継いでもらわなくては」呪われた遺産。


 だが―母の期待はあたしが14の時についえた。あたしが不登校になったからだ。それはある種、必要だった。あたしがアイデンティティを得るためには、母をあたしから遠ざけなければならなった。

「貴女にはがっかり…ホント、私の生徒の方が優秀…」母は公立の女子高の教師だ。そこは九州でも指折りの難関校。

「ごめんね…あたしはそんなに強くない…」

「貴女にも教えをほどこしたはずだけど」冷たく言う母。でも貴女の教えはただの呪いだ。この言葉を顔面にぶつけられたら、どれだけスッキリするだろう。


「自分でどうにかしなさい…そのままでは死が待つのみだ…甘えるな」父の言葉。学校に行かなくなって数日の事。正論を吐く父はひどく正しい。でも、14のあたしには重すぎる言葉。

 結局。あたしは保険室登校の道を取った。完全に引きこもれないあたり、あたしは常識人らしい。


「みーわちゃん?」保健室の教諭は言う。

「はい?」あたしはテストを受け終えて、誰の目にもつかないように帰ろうとしている最中だった。

「ひとりぼっちはきつくないかい?」彼女は30歳くらいの女性の養護教諭ほけんしつのせんせい。学校の中で特殊なポジションをになう彼女はオルタナティブな存在でもある。普通の教師がダメだった時の保険。弱き者の伴走者ばんそうしゃ

「と、言っても。学級クラスには戻りたくない」あたしは言う。あたしを排斥はいせきしたクソガキども。あんなのと同じ空間に居たら、心臓がいくつあっても足りない。

「別にさあ…今がすべてじゃないのに」と彼女は優しく言う。

「でも―14年の生涯の中の1年はあまりに長い」

「でしょうね。でもさ、人生は長いぞお?私らなんて平均寿命80越えだぜ?」

「適当に何とかしますよ…ダメなら死ねばいい」なかなかアルティメットな意見だけど、当時はこう思っていたのだ。

「言うねえ…でもさ、実際練習してみると良い。首めてみ?」いや、それを貴女が言いますか?私は試しに自分の首を絞めてみる。1分ももたない。酸素が断たれるというのはあたしが思っている以上にキツい。

「…っはああ。いや、死ぬかと…」阿呆あほうな感想。

「死ぬというのは―言うはやすし行うはかたし。マジで振り切ってないと出来んよ?」と能天気に言う養護教諭。

「振り切るかも」とあたしは言う。

「その勇気があるのかい?私は出来なかったなあ…」と言う彼女。

「いやいや…先生は生きてるじゃないですか?」

「いやー私、昔は病んでたのさ、ま。若い頃だけどさ」

「今も病んでたら、教師は出来てない」 ※2

「うん。20になるまではもう目も当てらんないような病んでる女だったのさ」

「はたまたどうして?」あまり想像がつかない。彼女は能天気に手足を生やしたような人間だからだ。

「私もさ、別に昔からこうも適当だった訳じゃない…むしろキッチリしようとし過ぎてたね」

「雑な人間、福岡代表みたいな先生が?」意外だ。

「ウチねえ…実家が茶道さどうの先生なのさ」

「うわ、似合わん」

「まったくだ…まあ、私も英才教育えいさいきょういく受けてたんだけど…ま、鬼のような指導だったからねえ…よくひっぱたかれたし、言葉でなじられる事もしょっちゅう…」

「それは―病みますね?」

「うん。十代後半にリストカット覚えちゃってね…お陰で夏でも半袖れん」と彼女は手首をさすりながら言う。

「痛く―無いんですか?」

「そらあ、痛いが―生理と比べたら万倍マシ…」

「それは―まあ、そうかも?」彼女の生理は重いらしい。

「手首を切ると―まあ、血がびゃあって出るよね?それがさ、脈のリズムをとる…なんかスッキリしたもんさ」

「うーん?」痛いだけでは?

「ま、19になって私は大学生になった…そこで私を受け入れてくれる男に出会って、説教されて、監視されて…気が付いたら手首を切らんで済むようになった。実家のほうにもお前の跡は継いでやんねーって宣言してさ、今や養護教諭ほけんしつのせんせいだよ…おったまげるけど」

「王子さまが居て良かったですね」とあたしは言っておく。何というかぞくっぽ過ぎて参考にならない。

「ま、別にさ…男じゃなくてもオーケー。自分のありのままを肯定すること、そしてそれを分かち合う相棒をみつけること…人生は長いから何とでもなる。一年が何さ、気にすんな」

「あっさり言ってくれるなあ…」とあたしは嘆息たんそくする。

「人生は豚骨みたいにこってりじゃない…塩ラーメンみたいなモン」

「よく分かんないたとえでけむに巻かないでよ」

「いやあ…腹減ったわ」そう言えば昼時ではある。

「じゃ、あたし、帰りますから」

「ほいほい…またいらっしゃい。今度はテストん時じゃなくてさ」彼女は明るい笑顔。過去の闇は何処いずこへ。

「前向きに検討しときます」と言い、あたしは家路につく。


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 それからのあたし。

 保健室に登校しながら、彼女と話しながら、徐々じょじょに回復していったあたし。

 父は―担任の教師が優秀だったから、あたしが高校に入れたって見ているらしいけど、本当は保健室の彼女のお陰だ。

「しっかし、美和ちゃんは優秀だねえ」あたしは保健室学習だったけど、成績は悪くなかった。

「まあ…昔から勉強は嫌いじゃないですし」

「いい事だ…若いうちは―学校の勉強が社会で何の役に立つか分からなくて―投げちゃう子も居るってのに」

「そんな事しても―自分の首を絞めるだけじゃないですか…」

「それが分かんないのさ…そして中途半端な状態で社会に出て苦労する…ここのOBの話だけどさ」彼女の教え子は中学当時を懐かしんで、よく、ここを訪れるのだ。

「あたしは…なんとか社会に出て、親のもとを離れる」

「親が嫌いかい?」彼女はく。

「ええ。あたしに呪いを授けた母、放置する父…あんな大人になりたくない」

「ひぃ…御厳しい」

「ほんと、放置されてるんです、あたし」

「教員だっけ?二親ふたおやともに」

「ええ。どっちも高校で」

「そりゃ、まあ、忙しいわなあ」

「家事なんてあたしが居なきゃとどこおる」

「なんだあ?もしかしてさ、君のおべんと、自作かい?」丁度昼時で、あたしは弁当、先生はパンをかじってる。

「ええ。冷凍頼りですが」卵焼き位は焼くけどさ。

「よーやるわ…君はエラい!!」

められるほどでもない」

「いんやあ。継続してるのは凄いよ?私なんて社会人1年目で諦めたもの」

「先生は―まあ、そうでしょう」

「結婚しても変わらんかった、むしろ旦那の方が料理出来るし」

「作ってもらえばいいのに、弁当」

「それはね、悪いじゃん?会社行く前にウチの弁当作ってくれや~なんて言えないって」

「それもそっか…」

「話は変わるが―君、進路どうするつもり?」ベーコンエピを齧る先生は問う。

「とりあえず―私立で行こうかと」

「ああ…この辺の公立じゃあ、出くわすわな、同級生」

「そう…市外の適当なトコロに行こうかと、そうすれば両親にも出くわさない」

「君の成績だと―行けるもんね?お母さんの勤め先」

「ええ」

「勿体なくない?一応名門だぞ?高校が名門だからって何だ、って話だが」

「私立の特進に滑り込む方が楽ですって、学費以外は」

「まあね、君なら学費免除さえ狙える…その先は考えてる?」

「適当な大学を出て、就職…東京に行きたいかな?」アバウトな将来設計。

「東京ねえ…私も一時期あこがれたけどねえ…」

「人が沢山たくさんいるから―もれられる」

「別にそれは東京じゃなくても良くね?」

「大阪でも可」

「うん。君の将来設計はアバウト過ぎ」といさめる彼女。

「いいじゃないですか…まだ15だし」未来が長いと教えたのも彼女だ。

漫然まんぜんと生きてみろ、後悔するぞお」脅すんじゃない。

「じゃあ、どないせいと?」教えてくれ、先生。

「私みたいに、取りあえずの逃げ道をもうけるのも良し、なりたいモノから逆算するもよし…一概にどうだ、とは言えんね」

「そもそも―なんで先生は養護教諭ほけんしつのせんせいなんです?」付き合いが長くなってはいたけど、いたことは無かった。

「ん?まあ、単純に潰し利くかなって」

「ええ…」

「いやさ?実家の方針な訳、大学に行ったこと自体は」

「そうなんです?実家を継いでほしかったんでしょう?両親は」

「茶道でメシを食えるのなんて―ごく一部。生活費は別口べつくちで稼いだ方が安定する」

「で、取りあえず教育大に行ったと?」

「そ。なんか知らんが成績は悪くなかったし」

「まあ、頭悪かったら国公立は狙えない」

「ついでに言うと―大学には出会いがある」俗臭い見解。

「あたしは別に―男はいいや」

「ほーう?君の年代くらいは性別問わずスケベなもんだけどな~」

「イケメンならテレビ見れば事足りる」アイドルでお腹一杯だ。

「君を―理解してくれる人はイケメンじゃなくてもいいだろう?実際、私の伴侶はんりょイモ臭い九州男児さ」

「なんなら―異性じゃなくても良い」特に意味のない発言だ。私のセクシャリティはノーマルだ。特に混乱はない。

「まあね…女性でもオーケー、君位の年頃だとそういうのもある。性別問わずに」

「まあ、何にせよ―なりたいモノかあ…ないなあ」

「何でもいいんだぜ?夢は見とけ、タダだ」

「じゃ、先生みたいな先生とかは?」

「おいおい…少ない椅子を奪いに来るなよお…味方はしてやれん」限られているからね、養護教諭の椅子は。

「じゃあ…普通の教師?それじゃあ、親と変わんない」

「別にさあ。親みたいにならんで良いって」

「じゃあ…先生みたいな適当な教師に」

「適当、ってのをはぶけい、私は職務には忠実だ」

「はいはい…」そうやって―あたしの道が見つかった…


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 そうして。

 駆け抜けるように高校を卒業し、先生と同じ大学に入り、今がある。

 でも、あたしは彼女のように適当にはなれなかった。根が真面目すぎ、融通ゆうずうの利かない女だった。

 結果が―これだ。情けない。

 目の前の海はいでいる。穏やかな波が砂浜に寄せては返す。足跡をつけてもあっという間に消されていく。それを見ると、人生の無常を感じる。鴨長明かものちょうめいじゃないけどさ。

 人生は長い。彼女の教え。

 別に一度の失敗が、人生をまるまる損ねる訳ではない。分かってる。でも、最初の一歩をしくじったあたしにリベンジはあるのだろうか?

 成功者の体験談を見ていると―大抵たいてい大きな失敗をしているものだが、それは走りつつの事だ。あたしみたいに足が完全に止まっている訳ではない。

 自分が卑小ひしょうな存在に思えてきてしょうがない。

 いや、元から大した人間じゃないけどさ、でも、失敗を目の当たりにすると、人間、かなりショックな訳で。高校からは二段飛ばしで教師の道を歩んだあたしだ。久しぶりの挫折ざせつはクリティカルに刺さる。

 このまま、死んでしまいたいな、そう思う。そう思う私の脳裏には先程の老医師の顔が浮かぶ。

「死にたくなったら深呼吸…30分耐えきればまあ、アホ臭くなる。ダメそうな時は処方しょほうした薬でも飲んで寝てくれ…そして、また此処にくる事」そう、そんな話をしたっけね。すっかり忘れていた。

 薬局の袋を漁れば、睡眠薬が出てくる。メジャーなものだ。

 あたしはその薬の包装を開けてしまう、そして、飲みこんでしまう。馬鹿やってんなあ、とは思ったが、判断力はにぶっていた。

 睡眠薬は即効性ではない。効いてくるのに時間がかかる。だから、私は砂浜に寝転がってしまう。若い娘が何してんだ、と言うきはあろうが―ま、病んでるからひらにご容赦ようしゃ


 あわ水色みずいろの空。それが目の前に広がっている。こっちがしんどい時に何を晴れとんじゃ、と思うけど、睡眠薬を飲んだあたしは、次第にその晴天せいてん享受きょうじゅする。


 空は溶けた。溶けた水色があたしの体を包んでいく。それはまるで―海水みたいだ…でも息苦しくはない。ただただ、幸福感があたしを包む。全身の筋肉が弛緩しかんするのを感じる。

 ああ…あたしは外で昼寝をかまそうとしている訳だ―


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 息が苦しい。何故?もしかして、睡眠薬で筋肉が弛緩し過ぎたのか?でもなあ。容量は守って飲んだはず…目をこじ開ける。視界はもやがかかっていて明瞭めいりょうじゃない。これまた弛緩しかんが故に?と思うけど、それは違う。私は海に沈んでいたのだ。

 体が水底みなぞこへ落ちていく。水面は遠く先らしく、暗い。ああ、望み通り死ねるのかな、なんて思ってしまう。私は睡眠薬を飲み、海に入ってしまったのだろうか?こういう事は割とある、と聞いた事がある。睡眠薬は覚醒かくせいのレベルを落とすが、完全に眠りにつかず、意識がないまま、色々な行動をしてしまう。

 海水は少し冷たい。熱を帯びたほほが冷やされるのを感じる。この熱が完全に引く時、あたしの命は消えてしまう…

 人生の大半を後悔と共に生きたあたし。果たして成仏じょうぶつできるだろうか?下手したらこの辺の都市伝説の仲間入りをするのかもしれない。地縛霊じばくれいとして。

 口を開ければ、二酸化炭素が多めのあたしの吐息といきが泡になって、水面みなもに上がっていく。反して沈む肉体。コントラストが強い光景。

 次第に―視界が明瞭さを取り戻す。靄のフィルター越しであれど、水中を見通せる。

 視界に、何かを捉える。魚だろうか?あたしの体がその役目を終えた時、唯の肉塊にくかいになった時、それをむさぼろうとする魚だろうか?

 いや、魚ではない。妙に細長いのだ。子どものとき食べた太刀魚タチウオみたいに鋭利えいりで細いフォルム。

「…貴女あなたは、何故、此処に?」女性のような声が海中に響く。何だかおかしい。だって水中は上手く声が響かないはずなのに。

「…コボ」私は返答をしようとするけど、声は音にならない。

「とりあえず―海中からあげてしまいましょう…」その声と共に、鋭利なフォルムの何かしらがあたしの体を包む。ああ、捕食ほしょくされるのかしらん、なんて短絡たんらく的な感想が浮かぶ。


 そして。

 久しぶりに酸素を肺に送り込めるようになった。そう、あたしは海中から浮かび上がってきた。周りは紫紺しこんとばりが落ちた海原うなばら…お馴染みの海の風景に近いけど、何処か浮世離れしていて。

「ねえ…居るんでしょう?」あたしは1人、言葉を放つ。返事がある事を期待していたのに、だんまりとは何事か。

「どうして―あたしを助けた?」ある種の呪詛じゅそ。あのまま放っておいても良かっただろうに。

「海がけがされるのを―避けて」簡潔な返答。声の主は恐らく女性。でも年齢はうかがえない。ハリのある声なのだ。

「別に、そんなに汚い体でもない」とあたしは言う。あくまで自己基準にのっとった物言いだが。

「いや―貴女の抱える魂、感情…それはあまりにも」酷い物言いだ。確かにあたしは後悔まみれの人生を歩んできたが、他人を害するような事はしていないし、そのつもりもない。

「そいつは―勘弁して欲しいな…人生ってのは、きよきままじゃ渡れない…何処かで諦めなければならない」半分は自分に言い聞かせるようにあたしは言う。

「人の子らは大変だ…私たちの知った事ではないが…」その物言いだと、相手は人外って事になる。どうやらあたしは頭にヤバい何かを抱えているらしい。

「何?アンタは―神様だとでも?」皮肉な物言い。あたしは宗教と名の付くものは否定しながら生きてきた。どこぞのロックンローラーの物言いじゃないが、もし、神が居るのなら、仕事をしてなさすぎる。それに宗教家は罪を犯さない訳ではない。探せばそんな話はごまんとあり、あたしがなかば無神論者になったのは必然でさえある。まあ、無神論の信者だと言われれば、そこまでなのだけど。

「神…久しくまつられる事無く、人の記憶から消えた『なにか』…それが私たち」

「へえ…君らも人気商売な訳だ、アイドルみたいに」嫌味だ。ま、あたしの幻覚の中なんだから好きに言ってもいいだろう。

「アイドル…偶像ぐうぞう。そうね、別に変わりないわ」

「なら―人と大して変わらん。あたしを汚物おぶつ扱いするのは止めて」

「この海は―私たちなの…」

「何?海の神なの?」

「そう…貴女が知る由もないけど―海神ワタツミね」

「へえ…まあいい。助けてくれたのはお礼を言うけどさ」

「ねえ。貴女―このままあの砂浜にかえりたい?」彼女は問う。どうだろう?別に戻ったところで、大した幸せもない。

「あまり…あたしは人生を損ねちまった。果てはどん底…むしろ海の中で沈んでた方がなんぼかマシだったかもしらん」

「そうね…貴女には価値がない」

「そいつはどうも」嫌味で返す。まったく、コイツはとんだ女らしい。

「ねえ。私と取引、しない?」話が剣呑けんのんになってきやがった。

「取引?あたしに差し出せるものは無いね…カネもそんなにない」

「そんなもの要らない…その価値を担保しているのは人間じゃない」

「あたしは貨幣かへい学は素人だ、知らん」

「貨幣…ね。価値の仲介ちゅうかい物質」

「商取引の為のツール…コミュニケーションツールでもあるかも」なんて話に乗ってしまう。この状況を甘受かんじゅしつつある。

「コミュニケーション…久しくしてない。貴女が数百年振りに此処に迷いこんできた」

「へえ…そらとんだ引きこもりだね?」

「まあね…私たちは、放置されてきたから」

「その気持ちは―分かんないでもない」

「そう?孤独な生を歩んだようね?」

「まあね、親も友達もあたしに興味がなかった…」

「貴女が―自ら閉じたのではなくて?」

「ま、適当な社交スキルは磨いたけど…ま、そうかもね」

「ふぅん。貴女に親近感を覚えないでもない…もしかしたら、貴方は私を宿やどせるかもね」

「宿す?」

「体を貸してって言ってる」

「どーすんだい?そんな事してさ?別に興味は無いんだろ?世界にさ」

「とは言え、もうここに居るのも飽きてきてね」

「辛抱の足らん神さんだね」

「ま、大した存在でもないの。で?いいかしら?」

「あたしの体ねえ…さして面白くはないと思うけど」実際、人の輪を外れつつあるのだ、あたしは。

「構わない」

「んじゃあ―契約成立、といきたいけどさ。あたしはタダで君に体を引き渡さんといかんの?」

「何を望む?」

「そうだなあ…」どうしよう。金が頭に浮かぶけど、そんなもん、意識が何処に追いやられた後では何の価値もない。

「しばらく―貴女の意識を預かろうか?しんどいことは私が代行するとか」

「その間の待機場所は?」そう、何処にあたしは行くんだい?

「上手くいけば、私の中、下手をすればリンボ…境界の狭間…無の中」

「おいおい…リスクがデカすぎるよ」

「しかし、そのリスクを負わないものはえきを手にする事はない」

「ったく…世知辛せちがらいが―いいよ」とあたしは契約のハンコを押してしまう。死のうと考えていた身だ。構わない。リンボに落ちようが、大した苦痛でもあるまいて。

「ならば―」その時、空間がじれた。その捻じれは蛇の形に成る。とぐろを巻き、あたしをおおい尽くす。

「ねえ、契約したんだからさ、貴方あなたの名前を聞かせてよ…」

「私の名は―」


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 それからのあたしは―意識を『彼女』の底に沈めたまま、数年を過ごした。

 『彼女』の為すがままに、数年の休職を経て、今や職はない。

 『彼女』に取り込まれた『あたし』の生活はほとんどコストがかからなかった。せいぜい光熱費と家賃位のもの。

 親は―父の方がたまに連絡をしたり、家を訪れていたが、『彼女』は沈黙でもって応対した。

 父は引け目があるのか、あたしに何も言わないし、責めるでも無かった。

 薄いまくしの生活。それは楽なものだった。だって人間としての感情が欠落けつらくした状態だったから。体と言うデバイスはまだ、人間界にあったとしても、『あたし』はその世界に居なかった。

 まるでテレビのリアリティショウのような―あたしとその生活。

 ディティールはあるけど、それに手触りがない。造り物めいた生活を受け身で感じる日々。


「君は―どうしてしまったんだい?」かつて、あたしに休息を言い渡した老医師は言う。『彼女』は、支障をきたさない為に病院に顔を出していた。もちろん、投薬も継続していた。

「別に」『彼女』は、『あたし』は、言う。

「こういう症状のおさまり方は僕も初めてだけど―かつて先輩が言っていた『狐憑きつねつき』を思わせないでもない…」そらまた古い伝承を。狐憑き、それは―かつて日本の各地で見られた現象。しかし、科学的には虚言きょげんとして片付けられている。 ※3

「まあ―色々、とね?」『彼女』は振り切ろうとする。

「ま、いいんだけどさ。君がしんどくなければ」どうなのだろう?あたしはしんどいのか、楽なのか?

「ええ。今はとても―楽しいです」これは『彼女』の言葉。でも『あたし』にはよく分からない。だって『彼女』は、こもり切りの生活をしているのだから。


 『あたし』を数年ぶりに揺り動かしたのは―あの、長田おさだとか言う中年男性と―彼女の存在。

 父親が手配した、追い出し屋の中年男性は、こまやかな文体の手紙や、丁寧な言葉の留守電を入れたりしていたが、基本的に『あたし』は受け流していた。『彼女』の為すがまま。


 インターフォンの電子的な音声が、あたしの部屋に響く。

 『彼女』は無視しようとしていたらしい。でも『あたし』としては久しぶりに好奇心が湧きおこる。しばし、『彼女』と『あたし』はもみ合いになる。

 その間にドアの向こうの人気は失せてしまう。

 再度鳴るチャイム。

 『あたし』と『彼女』はまたもみ合いになる。数分後、ドアのポストに何かが投函とうかんされる。恐らく手紙。居留守いるすだと思われているのだろう。

 『あたし』は―力を振り絞ってみる。ねばつく海水を、まとわりつく海水を、振り払い、ドアの鍵をひねる―ルート権を奪われた『あたし』にしては上出来。

 三度目のインターフォン。『あたし』は、『彼女』を押さえつけながら、受話器を取るけど―言葉が出ない。腹に力が入らない。吐き出されるのは息ばかり。

「出てくるのがしんどいならインターフォン越しでもいいし、話すのが面倒ならこのまま僕が喋り倒しても良い。でも。なんで鍵を開けたのだろうか?」中年男性の声。


 今、『あたし』の―魂か何かには鎖が巻き付いている。それがいましめとして『あたし』をしばっている。それは『彼女』でもある。へび。それはひもくさりたとええられる。

 右手を―魂にそんなものがあるかは知らないけど、あげようとする。鎖は重い。耳障りなきしむ音が鳴り響く。


「…分かった。じゃあ、こうしよう―家にいれてくれるなら今すぐインターフォンの受話器を置いて欲しい。このままの状況がお好みなら受話器を置かないでくれ」


 『彼女』は、抵抗する。彼らを家に招き入れてはいけないと。

 『あたし』は好奇心と、永年縛しばられてきた鬱憤うっぷんを晴らそうと、体を動かそうとする。

 それは―成功する。受話器を置くことが出来た。

 彼らは、この中に入ってくるだろう。

 しかし、『彼女』がそう易々やすやすと事をさせるわけは―無かった。


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 『あたし』は古めかしいベットの上に転がされている。周りには黒いカーテン。それが外界を仕切る。何も見えない。

 ベットにかれたシーツは、まるで水みたいな肌触り。心地は良いけど、そこに沈む『あたし』を幻視してしまうのは何故だろう?もしかして、文字通り、沈んでいるのか?

 しばらくすると。

 カーテンをつかむ者が居た。さて誰か?あの中年男性か?それともそのともの少女か。はたまた『彼女』か?

 闇が割れる。

 光が差し込む。

 ああ。数年ぶりに、いましめを解かれる…と思った『あたし』の目の前には、あの少女とそっくりな少女…『あたし』は、それを拒絶した。その顔だけは見たくない。

 光にひびが入る。そしてガラガラと崩れ―また、『あたし』は『彼女』の底に沈みこんでいく。

 ああ。コレが地獄なのかな、と思う。意識だけが永遠にさいなまれる空間。それは『あたし』に与えられた罰だ。こいつを味わい尽くさない限り、あたしは…


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 あの二人ともう1匹は―諦めていないらしい。訪問はまたあった。

 でも、今度は、ドアを開けずじまい。『彼女』は安堵あんどしている、が、放っておけば、また彼らは訪れる。

 蟒蛇うわばみの『彼女』は、外の空間をじ曲げる。捻じ曲げた空間を輪っかにし、彼らを閉じ込める。その様子を垣間かいま見る『あたし』。それがうまくいけばいいという気持ちと、それに反するどうにか彼らを脱させたい、という気持ち。

 体を、魂を、いましめる鎖の間であたしはもがく。もがけばもがくほど、鎖はあたしに絡みつく。その中にあるほころび。そこに向かって手を伸ばし、『彼女』の作った迷路にほころびを。

 後は彼らの御伴おとも御使おつかいが気付けば―彼らはそこを脱する。

 しっかし。なんでお汁粉たっぷりの自販機なんて破れを創ったのだろう?『あたし』、お汁粉好きだっけ?いや…お汁粉ジャンキーだったのはあの養護教諭ほけんしつのせんせいだ。季節問わずアツアツのお汁粉をすする変人だったな。


「いやあ、冷え症でさあ。末端まったんがね、冷え冷えなのさ」と夏のクーラーが利いた保健室で彼女は言う。その手にはもちろんアツアツのお汁粉缶。

「…と言っても、この季節にお汁粉売ってる自販機なんてあります?」とあたしは問う。

「ん?そこは知恵の出しどころ。近所のディスカウントストアが変な店でさ、通年つうねんお汁粉缶売ってるんだよ…どこに需要じゅようがあるのやら」と彼女は言う。多分、貴女向けだと思いますよ?

「で。それを買って、温めて飲んでると」

「ん。助かるよお。クーラー入れん訳にはいかんもの」

「ま、別にあたしは良いですけど…」

「君も飲むかい?私のストックがあるぜ?」得意げな彼女。

「いや、炭酸飲料下さいよ」

「炭酸はねえ!!麦茶でもあげるから勘弁してくれ~」


 ああ。なんで、こんなどうでもいい事を思い出す羽目ハメに。まあ、お汁粉缶がきっかけなんだけど。でも、すっかり忘れていた。

 もしかして―あたしは彼らに彼女をオーバーラップさせているのかな。まあ、確かに彼らだって―仕事かもしれないが―あたしを助けようとしている訳で。


 『あたし』は、助ける立場を選んだはずだけどなあ…でも、それは失敗した。


 それは『あたし』の能力不足が故だろうか?それとも、どうしようもないことだったのだろうか?分からない。こういう事は当事者が一番よく分かっているはずだけど、『あたし』にはよく分からなくなってしまっていた。比喩ひゆで言うなら、映画でカメラがパンし過ぎて、シーン全体がうかがえないような具合。


 そう。『あたし』は自分の人生というモノをカメラ越しに眺める癖がついてしまっていた。


 それはある種の生存戦略せいぞんせんりゃくだったのかもしれない。不登校から立ち直る過程で、自我を薄めた。カッコよく言うなら客観視が出来るようになった、と言う感じだけど、実際は自分の人生にマトモに向き合う事を止めた、という事ではないのか?

 適当な道を見つけたフリをして、そこに邁進まいしんすることで、自分の意識の中のおりを見ないようにした。

 それは結構楽な事でもある。

「あたしは―あの彼女のような教師になる、両親みたいにはならない」

 これを胸に抱いてさえ居れば、他の事は無視できる。何かにつらぬかれる人生。天命てんめいを果たすための人生…でも、それをまっとうしている中でも、『あたし』は消えては居ない。ずっと居たのだ。14か15の時に置いて行きぼりにした弱い『あたし』が。


 弱いかつての『あたし』は今の『あたし』をどう見るだろう?

 これで良い、って思うのだろうか?

 それとも?…いや、分かんないや。ずるい、とは思うかも知れないな。だって『あたし』は逃げたんだもの。


 ―誰から?


 それは―母と父。あの二人から。本当は、向き合い、彼らとキチンと理解し合うべきだった。それが和解じゃなくてもいいのだ、『他人』と『他人』でもいいのだ。

「あたしは―貴女たちに生を分けてもらったけど…『あたし』があるんだ…悪いけど、貴女たちの跡は継がない」

 ああ。なんで今更、こんな事を思いつくんだよ。遅いって『あたし』。こんな単純な話を思いつけなかった過去の『あたし』は馬鹿だ、掛値かけねなしの。

 ああ。

 ここから出たい。そして、『あたし』を取り戻したい。サボっちまった数年を取り戻す事は叶わないけど―納得はできるようになるはず。

 だから―助けて。

 かつての『少女』に似た貴女あなたでも、構わない。『あたし』は自分の人生にかえりたい!!滑稽こっけいな言葉、思い。


 その思いは―『彼女』という海に沈んで消えていくのかな…


↑ 本文、了


本稿の執筆にあたり、以下の文献、サイトを参考にしたことを明記します。


※1

「エチゾラム錠」

添付文書

@日経メディカル

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/780075_1179025F1239_1_09.pdf


「ゾルピデム酒石酸塩錠」

添付文書

@日経メディカル

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/780009_1129009F1335_1_07.pdf


※2 の記述に関して、地方公務員法の欠格条項を参考にしています。


「昭和二十五年法律第二百六十一号 地方公務員法」

16条

@e-GOV 法令検索

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000261


 しかし、上記の法令は、2019年6月7日に改正が行われ、


「欠格条項削除法が成立 成年後見、参院本会議」

日経新聞 2019年6月7日


https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45820490X00C19A6000000/


 成年被後見人等の欠格条項部分が削除されております。

 詳しくは以下のサイトを参考にしてください。


「成年被後見人等の欠格条項の見直し

に関する法改正について」

平成30年2月28日

第60回社会保障審議会医療部会資料

@厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000195723.pdf


「成年被後見人等に係る欠格条項の見直し」

@文部科学省

https://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/1402011.htm


※3 

「狐憑き」

@wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/狐憑き


「野狐憑き」

@怪異・妖怪伝承データベース

国際日本文化研究センター

https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiCard/0310008.html


「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」

井上円了

1894

東京朝日新聞

@青空文庫

https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/card49268.html









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