天使の恋の駆け引き

第11話 恋は盲目



 はあ・・・。どうしてるかなぁ。

 会えない日は、窓を見つめて溜め息ばかり。


 風呂上りにハチマキして牛乳片手に座り込む天使。

 と、おやつのかつお節を口に咥えた犬。


 なんだか、似てきたと思います。

 天使様に。

 おっさんじゃないですよ。あんなには。


 でもいいんです。

 意外と乙女なんです。

 天使様は。


 今だって、パワーズ様の事で一杯なんですから。

 そりゃもうね。

 スマホの写真ばっかり見てますもん。

 かわいいでしょう?

 うちの天使様。


 まあ・・・わかります。

 あのイケボのイケメンですもん。

 心配もしますでしょ。

 他の天使様の目が皆さんハートだし。

 あれは失礼だわ。うちの天使様に。



 他の天使様と泊りで出張に行こうものなら、さあ大変。

 もうしらね。

 あっしは逃げますからね。


 そんなわけで、天使様の憂鬱なのでございます。

 ハイ。(ガブリエル様風。えへっ。)


 どうやらですね。

 天子様は不安でいらっしゃるそうなんです。

 他の天使様とXXだとかXXXしてる仲なんだとか。

 たまに電話してる天使様とはXxXXXXxXXXなんだとか?

 そこまで行くと変態な気がしますけどね。

 そんなわけないと思うのですが。


 単なる心配性ですね。



 そんなことより・・・。

 パワーズ様の事より、三毛猫の事ですよー。


 近くにブチ猫が住んでいるようで。

 野良のオス・・・。


 三毛猫の方は興味が無いようですけど、ブチの方がね・・・。

 ああーーーお。

 なああーーーお。

 って。

 春だからって、近所迷惑ですので止めてください。

 三毛猫の発情に訴えるというか、そういうの止めて!

 ホントにもー。


 まさかとは思うけど、発情したりしてませんよね?

 白いお腹を見せてたりしませんよね?

 後ろから首を噛まれたりしてませんよね?


 不安になってきた・・・。

 あーあ。どうしてるかなぁ・・・。



「おまえ。ホントに私に似てきたね。」


 えっ?




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