第83話 はじける音を聴いたり
@ purinmania:そのつど、ちゃんともげなかったら、どんどん増えていっちゃうでしょ?
使ったら元に戻す。整理整頓の基本を言ってるだけなのだが、おつぼねぷりんも使ったものを出しっぱなしにするというのか。隣の部屋の誰かと似てる。
結局さっきも、わたしが帰って来るまで、夜ごはんの皿を流しに置きっぱなしだったんだろうからな。
おつぼねぷりん:プリンマニアさんは、いつも通り脳みそ溶けてます。そろそろおねんねの時間ですよ
@ purinmania:ねれない
いつも以上に脳みそがデロデロになっている自覚はある。が、寝れない!
おつぼねぷりん:どうしたら寝れます?
おつぼねぷりんさんの理想のIOでも聞けたらな……IO小説書き上げてくれないかな……と思ったが、さすがにそこまでアレな要求は言えない。セクハラもいいところだ。
@ purinmania:おつぼねぷりんさんは、落ち込んだ時とか疲れた時ってどうしてます? 落ち着きたい、爽やかな気分になりたい、そういう時
おつぼねぷりん:私は小説を書くけど、書いたからといってどうにもならない時もありますね
おつぼねぷりん:音楽聴くとかは?
@ purinmania:今日はどんな音楽も耳にうるさくてね。何かおすすめあります?
おつぼねぷりん:重症そうですね
おつぼねぷりん:炭酸飲料あります?
@ purinmania:炭酸飲料?
おつぼねぷりん:それをコップについでね、部屋を静かにして、耳元で弾ける音を聞くの
@ purinmania:炭酸の音ですか
おつぼねぷりん:白くぼんやり光る水の中に沈んで、泡が上にたくさん上がっていくのを見ているような無心な気分になるから、たまにやるんですが
@ purinmania:おつぼねぷりんさんがやってるなら、やってみようかな
わたしはリビングへ行き、台所の戸棚の下を探した。誕生日の時にあおいが買ってくれていたお酒が数本置いてあった。その奥に、レモン味の炭酸水、無味の炭酸水がある。これでいいや。
コップに氷を入れ、無味の炭酸水を入れる。氷を埋めるように音を立てて泡が盛り上がる。
一気に飲む。
「ぷはっ。にがい。うま」
……ちがう!! 飲むんじゃなかった。聴くんだ、聴く!
もう一度コップに炭酸を入れる。氷がからんからんと風鈴のような音を立てた。部屋に持っていき、コップに耳を近づけてはじける泡の音を聴く。
ああ……。なるほど。おつぼねぷりん……。こんなの聴いてんの。
コップに炭酸をね。なんでこんなこと思いついたんだろうな?
ふふふと思わず笑いが漏れる。
さっそく感想を送った。
@ purinmania:無音よりいいかも
おつぼねぷりん:意外といいでしょう
@ purinmania:いいです。浮いてるみたい。眠れそうです
おつぼねぷりん:よかった。おやすみなさい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます