第18話 若さみなぎったり

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 メールに通知が入ってくる。

 おつぼねぷりんだ。どきどきしながらサイトを開く。


 婆さんか爺さんか知らんが、本当に体には気をつけてほしい。その気持ちは届いたのだろうか。


 ――長生きって(笑) おつぼねぷりんは、エロプリンをよすがに生きてはおりますが(←こういう書き方で老齢と思われるんでしょうね)、枯れてもおらぬ花の二十代です! 心臓にも毛が生えてます! まだ逝く気はありません。でも、ありがとうございます。体に気をつけるようにしますね!


 スクロールしていた指が完全に止まった。携帯はしばらくしてフッと暗転した。


 ……二十代……?


 二十代っていったら、わたしの恋愛対象内に完全に入る。


 いや、いやいやいや! なに考えてるんだ!? 会ったこともない他人だぞ?

 なんて失礼なことを今考えた?


 しかもオマエさっき、あおいにリップ塗り塗り萌え萌えモヤモヤハァハァしたばかりだろ!


 わたしにとって恋愛対象内の年齢だとか、そういうの、関係ないから! もういちど、自分の胸に、刻み込め。


 会ったこともない他人だぞ!


 ただ、百合を書いているだけの。

 ただ、プリンを食べさせあう愉しみをわかっているというだけの。プリンという食べ物がヤバエロだということをわかっているというだけの。

 しかも、自分のことを「おつぼねぷりんは」とか書いちゃうような、ぶりっぶりのヤバいヤツだぞ。

 どんな顔をしているかも知らない。男性かもしれない。


 向こうから見たら、ただの小説の一読者。

 意識するな。こんな――こんなことを考えて――、おつぼねぷりんに、失礼だ。

 わたしは、わたしは、単なる一ファンだ。


 おつぼねぷりんは、二十代。わたしと同じ、二十代。ぶりっぶり、ぷりんぷりんの二十代。


 このささやかな個人情報は、わたしの心をかき乱した。

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