「だから、初めて君を見た時、僕は、凄く焦がれた。初めて仮面ライダーを見た子供のように。誰にもない、強烈な色を持つ君に」


それは、告白ともとれるような言葉だった。


状況が違えば。


私は、この瞬間が、恋愛映画の一幕の様に、ロマンスに溢れるワンシーンでないことを理解している。


どちらかといえば、これは、人の恥辱を題材にした映画のように、互いに、膿でぐずぐずに汚れた傷跡を、顔を真っ赤にしながら、惜しげもなく見せびらかすようなものだ。


私達に、ラブロマンスは似合わない。


ここにあるのは、誰にも理解されないような、痛々しくも、誇らしい傷跡だけで、それだけが、今の私達を繋げている。


「確かに、見るからに人と違った色してるもんね」


これが、異性への想いを綴った告白だったなら、私はもう少し素直になれたのだろうか。

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