⑦
「同じクラスの雪村さんだよね。きちんと話すのは初めてかな、僕は」
「知ってます。秋川雪人」
彼の言葉に被せるように答える。
人見知りと、緊張と、焦りが、私にそういった態度を取らせていたのはもちろんある。
ただ、それ以上に、私は彼が怖かった。
男の人が苦手、というのも理由としてはあるだろう。
私に向けられる様々な視線の中でも、男の人から向けられる、あの纏わりつくような視線が、私はとにかく苦手だったから。
彼にそういった視線を向けられたことは無かったけれど、同じ男というのは、充分な理由になった。
しかし、それよりも、私は彼の、他の人たちと違って、行動原理が読めないその得体の知れなさの方に怯えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます