第7.5話 進展デザイア(side-A)


「蓮ちゃん……」


「結局、先に入ってもらっちゃった」


「ううっ、でも、でも、いいよね?」


「別に一緒にお風呂に入っても、変じゃない、よね?」


「今からでも行っちゃおうかな」


「……でも、蓮ちゃんに引かれたくない」


「せっかくまた友達に戻れたのに……」


「蓮ちゃんに拒否されたら、私、死んじゃう。だけど……」


「……蓮ちゃんに」


「……触れてほしい……」









(結局、蓮ちゃんの後にお風呂に入ることになったけど)


(ひゃああああっ……無理無理……無理だよぉ……!)


(お風呂場いっぱいに、蓮ちゃんの匂いが残ってて……)


(やっぱり私が先に入れば良かったかな……!)


(あっ、でもそうなると蓮ちゃんが私の残り湯を……!?)


『アヤネちゃーん、お風呂中ごめん』


「ひゃわっ!」


『ど、どうしたの?大丈夫?』

「あっ……うん、ちょっとシャンプーボトルを落としちゃっただけ」

『そっか……あの、悪いけど冷房の弱め方がわかんなくて』

「ああっ、リモコンならキッチン側の壁掛けのとこだよ」

『ありがとう』


(駄目だよぉ蓮ちゃん……蓮ちゃんの姿が曇りガラス越しに見えただけで、私……)


(蓮ちゃんにも私の姿、見えてたかな?)


(あ、駄目、頭の奥がゾクゾクして……)









「あ、あれ、私……」


「アヤネちゃん大丈夫!? 起きた!?」


「蓮……ちゃん」


「のぼせたの? 全然戻ってこないから心配で、返事もないし、そしたら湯船の中で倒れてるから。立てる? 上がるよ」

「う、うん」

「ほら、バスタオル」


(あ……足がちょっとふらつくかも)


(蓮ちゃん……こんなに優しいのに、私、変なことばっかり考えてる子で……ごめんね)

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