第2話 先延ばしされる計画

 さて、ガチャを回してから早や一ヵ月。筆者はなーんにも計画を立てていなかった。几帳面な読者各位は決してこんなことをされないだろうが、筆者は布団から抜け出すことすら面倒くさがる極度にズボラな人間なので、「旅行の予定決めなきゃなぁ……早くしないと値段上がるだろうなぁ……でも時刻表開くの面倒くさいなぁ……」という理由でこの一ヵ月ひたすら計画を先延ばしにしていたのである。ダメ人間の見本市があったら業界各社から引く手あまたである。


 ガチャを回して幾星霜、年末休みが見えてきた頃、筆者はようやく焦り始めた。「さすがにそろそろヤバくね?」と。死重満載の重い腰を上げてピーチ公式アプリを起動した筆者は、年末の運賃を見てこう言った。

「グエー死ぬンゴ」


 そう、年末も押し迫るこの時期、航空運賃は大概高いのである。LCCなら尚更である。分かってはいたけれど……まあ放っといた自分が悪いのだ、と諦めて予約した。目指すは(樺太を除き)最北端の宗谷岬、関空発着で正味三日間の小旅行である。

 え、三日間は小さくないって? 一般的感覚からすればそうだろうが、一泊六日の限界旅行を経験した身からすれば、三日間など旅行にしては小さい方なのである。


 最新の「JTB 小さな時刻表」を購入し、宗谷本線のダイヤと格闘すること数時間、筆者は旅の計画を立てることに成功した。


 なお、何やかんやあってこの後計画の見直しを迫られることになるが、それはまた別のお話。

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