第6話 自伝②ゲーム説明
【イベント『ゼウスの伝説』開催します!】
内容はこうだ。
今回は一番人気のあるギリシャ神話が舞台のイベントで『ゼウス』が主人公としてストーリーが進む。
オリジナルストーリーで、ゼウスが怪物や邪神たちをやっつけていく話になっている。
正直イベントの内容など、いつもそんな代り映えがないのであまり気にしていなかったが今回は色々重なりすぎている。
『ゼウス』はゲームを運営している側の回し者……
そんな憶測が頭をよぎらざるを得ない。では『プシュケ』も運営側なのか?
そうなると現実世界で運営会社に突撃して聞くこともできるだろう。
しかし、そんな簡単な話なのだろうか?何か見落としている気がする。
そもそも、なんで『ゼウス』と『プシュケ』が関係あると思ったんだっけ?
『プシュケ』にブロックされたあとに、『ゼウス』が登場したから?
確かに偶然にしては出来すぎていると思うが、本当に関係あるのか?
それに、なんでブロックしたらゼウスが出てくるんだ?普通に考えたら全然意味が分からない。
トリガーは本当に『プシュケ』が僕をブロックしたからだろうか?
それを、運営側の『ゼウス』が監視していて、その後に登場してきた。
一見、筋が通っているように見えるが、なぜ『ゼウス』が表に出る必要があるんだ?わからない。
そういえば光さんが、過去に二人が関係していると思った出来事があったと言っていたな。
やはり鍵はこの自伝にありそうだ。
「ごちそうさまでした。」
めちゃくちゃ旨かった!ただキムチ料理が多い気がするのは僕だけだろうか?
お茶で喉を潤してから、僕は自伝の続きを読み始めた。確か、神悪のゲーム説明からだったけか。
正直飛ばしてもいいが、一応読んでおくか。
<神悪ゲーム説明~基礎編~>
<神悪をめちゃくちゃ簡単に説明すると、色んな神話にでてくる神様をカード化して、カードを集めてデッキを組み、悪魔やモンスターを倒していく、というカードバトルゲームだ。基本的に自分とゲームで決められたコンピューターが相手になる。一応プレイヤー対プレイヤーの戦いもあるが、話に関係ないので割愛する。
次に、バトルの勝敗の決め方について説明する。カードには、体力と攻撃力という2つのステータスがある。
またカードはアタックカードとサポートカードという種類に分かれており、各5枚づつデッキにいれることができる。つまり計10枚のカードでデッキを組むことになる。
アタックカードは、文字通り、相手に攻撃できるカードだ。サポートカードは、戦いには参加できないが、アタックカードを補助したり、回復したりする効果を持つ。総合的な自分の体力と攻撃力はデッキのカードを全て足し合わせたものとなる。またカードの組み合わせによって、能力がアップすることができるが、これも難しいので割愛する。また、相手の悪魔にも、体力と攻撃力というステータスがある。
戦いは、自分のデッキで相手の悪魔を攻撃して、自分の体力が無くなる前に相手の体力を0にすると勝利となる。これが戦いの基本になる。
しかし、必ずしも一回の戦いで相手の体力を0にすることはできない場合が多い。そこで、プレイヤーが行った攻撃は、もし戦いに負けてもダメージは残るようになっている。つまりプレイヤーは相手の体力を0にするまで何回でも戦いを挑める。しかし、タダで何回も戦えるわけではない。プレイヤーにはカードの体力とは別に、スタミナというものが定められており、スタミナは満タンで10ポイント、一回攻撃するごとに1ポイント減っていく。このスタミナは5分経つと1ポイント回復するが、報酬や課金(リアルマネーで買うこと)で手に入る『スタミナ回復薬』を使用することで一気に満タンまで回復できる。
つまりここで大事なのは、いかにスタミナを使わないで攻撃回数を少なくして相手を倒せるかということだ。
そのためには、自分のデッキの攻撃力を上げないといけない。攻撃力を上げる手段としてカードには成長と進化ができるようになっている。成長と進化についても話すと長くなるので省略する。また、カードの強さはレアリティによって決まる。カードのレアリティには、レアリティが低い順に、N(ノーマルレア)、R(レア)、 SR(スーパーレア)、UR(ウルトラレア)が存在する(その上にゴッドレアというレアリティも存在するが、所持している人がほとんどいないため、今は存在しないものと思って構わない。でもあとで出てくるよ)。よってURが一番強いということになる。つまり、戦いのキモは、なるべく少ない戦闘回数で倒せるようにレアリティの高いカードを育てて強くすることだ>
僕はすごく簡単に書いてあるように見えるが、なかなか言葉だけでゲームの説明をするのは難しい。
それよりも初代神悪にもゴッドレアが存在したことに驚いた。しかも、ほとんど所持している人がいないってどうゆうことだ?しかも、あとで出てくるってことは、所持している人がいたってことだな。まさか『ゼウス』か?なわけないか。
さて、次はイベントについてだ。おそらくこの説明がこれからする話の重要な部分になってくると思われる。
<神悪ゲーム説明~イベントについて~>
<神悪におけるイベントとというのは、ひと月に2回行われる、ポイントバトルだ。毎回色々な神話のストーリーを元にイベントが行われるが、内容についてはどうでもいい。問題なのは、イベント中に獲得したポイントの合計を競うということだ。どうやったらポイントがもらえるかと言うと、先ほど説明した、悪魔との闘いに勝利するとポイントがもらえる。カード同様、悪魔にもランクというものがあり、一番低いランクから、低級悪魔、上級悪魔、魔王、魔神となっている。ランクによって貰えるポイントが違っており、低級悪魔は1ポイント、上級悪魔は10ポイント、魔王は100ポイント、魔神は1000ポイント、となっている。もちろん、悪魔のランクが高いほど強く、倒すのが大変になる。また、悪魔のランクが高くなるほど、出現率は低くなる。これは公式には発表されていないが、僕が体感した感じで、低級悪魔を1として、上級悪魔は5回に1回、魔王が10回に1回、魔神は30回に1回の出現率である。また、魔神だけは、イベントの最初から出現するわけではなく、イベントの後半になって出現することになる。
一回のイベントの期間は10日間で、前半5日、後半5日となっている。なぜ前後半に分かれているかというと、先ほど書いた、後半に魔神が出現するのと、ランキングの途中経過を出したいからだ。イベントの前半で、一旦、ポイントを集計しと前半だけのランキングが出る。それにより、最終的に、あとどれだけ頑張れば目標の順位に達することができるかというボーダーラインを決めるのに役立つからだ。
また、イベントの世界ランキングには、個人と同盟の2つがあり、個人ランキングは、そのままプレイヤー、1人が獲得したポイントを競うもので、同盟ランキングでは、同盟ごとに、同盟のメンバーの合計獲得ポイントを競うものとなっている。それぞれでもらえる報酬が異なっており、同盟に入ってさえいれば、ポイントが0ポイントでも、同盟報酬をもらうことができる。報酬の内容は、個人ランキングと同盟ランキングで異なる。
課金ガチャチケットとスタミナ回復薬は個人と同盟の共通の報酬だ。個人報酬は、その他にイベントのメインとなる神様の新しいカードが貰える。ランキングが上位になるほど、レアリティが高く貰えるカードの枚数が多くなる。
同盟報酬はといえば、他に『進化石』と呼ばれるカードが貰える。『進化石』というのは、カードを進化させることができるカードである。通常、進化は同じカード同士を重ねないと進化できない。しかし、『進化石』を使えば、どんなカードでも進化できる。
この『進化石』は同盟ランキングの2位と3位の同盟のメンバー全員に1個ずつ、1位の同盟には2個配られる。>
「『進化石』は大変貴重でネットオークションなどでは数万円から十数万円で取引されているという噂があるんだよな」
<ポイントを多く獲得する鍵として、『応援』と『特攻カード』の2つがある。
『応援』とは、悪魔が強すぎて自分一人で倒せないとき『応援』機能を使うことで同盟のメンバーまたはフレンドに登録している人へ、今戦っている悪魔を攻撃してくれるようにお願いすることができる。これにより、各段に倒しやすくなりポイントを得やすくなる。ただし注意することがある。それは、『応援』をすると、獲得できるポイントが少なくなってしまうということである。ここは重要なポイントなので詳しく説明する。
魔神を例にしよう。魔神は一人で倒すと1000ポイントもらえるが、『応援』機能を使うと、倒してもポイントは半分の500ポイントしかもらえなくなる。残りの500ポイントは、悪魔に与えたダメージ量によりみんなで分配される。例えば、一人で悪魔の体力を半分削って、残りの半分を他の人たちが削ったとしよう。その場合、もらえるポイントは、撃破ポイントの500ポイント+半分のダメージなので500ポイントの半分、250ポイント、合計750ポイントを獲得できることになる。今後の話の中で細かい数字はでてこないが、このルールを知っていると話が理解しやすい。
次に『特攻カード』についてだが、これは、そのイベントの敵と戦う場合のみ、攻撃力が通常の10倍になる
という特別な効果を持ったカードだ。『特攻カード』は通常手に入らない。手に入れるには課金ガチャをする必要がある。
課金ガチャ一回につき100円を支払わなければならない。ガチャで獲得できるカードは、レアリティごとに確率が決まっており、確率に沿ってランダムでカードが1枚獲得できる。特攻カードのレアリティはURで、確率は大体1パーセントほどだ。なので、ゲームにお金をたくさん使えるプレイヤーは特攻カードが手に入りやすく、イベントを有利に進めることができる。以上がイベントの説明だ。かなり長くなってごめんなさい。
最後にその他に大事なことを2つ説明したいと思うのでもう少しお付き合い願いたい>
ふう、かなり簡略化して書いてあるが、僕にとって当たり前すぎて、よく光さんは言語化できたなと思った。
まだまだ細かいルールはあるけど、これくらいわかってれば大丈夫かな。
あと2つか、なんだろう?
<神悪ゲーム説明~その他~>
<最後に、『チャット』と、『プレゼント』について説明したい。
このゲームには、他のプレイヤーと文字によるコミュニケーションがとれる『チャット』機能がある。
基本的には誰とでもチャットできるが、他の人に内容が見られてしまう。他人に見られないようにチャットするには、フレンドになるか同じ同盟に入るかしかない。これを覚えておいてほしい。
最後に『プレゼント』についてだが、これはフレンド専用機能で、フレンド同士でカードをプレゼントできるというものだ。1日にプレゼントできる枚数に上限はあるが、どんなカードでもプレゼントすることができる。
以上でゲームの説明を終了する。最後まで読んでくれてありがとう。少し休憩してから続きを読むといいだろう>
なるほど、確かにこの2つの機能は重要だ。きっとあのテクニックを使うからだろう。
さすがにちょっと疲れたな。お茶も切れたし、誰もこなし、一回コンビニ行ってくるか!
僕は、自伝を読んだページを開いたままで置いていき、コンビニへ向かった。
「いらっしゃいませー」
コンビニについた僕は、コーラーと、フライドチキンを買った。
「よし!帰って読むぞ!」
僕は足早に『黒の巣』に戻った。
しかし……
「あれ?自伝がない?たしかに机の上に置いておいたはず……」
自伝を失くしてしまった……はたしてどこにいってしまったんだろう???
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