4、苦しみ続けるなら
◆苦しみ続けるなら
僕は死骸を探してあちこちを走り回った。
出会う死骸は大小様々だが見つけられない日はなかった。才能かもしれない。死の匂いが分かる……だなんてかなり胡散臭いが、なぜか僕は導かれるかのように動物たちの死骸を見つけられた。
見つける死骸の中で一番多いのは猫だった。猫はどの街でも死んでいる。次点でカラスやハトなどの鳥だった。死骸の中で小さいものだと、居酒屋が立ち並ぶような繁華街でネズミ。所沢市の方ではリスも見つけた。大きいものだと、小金井駅を越え、小金井街道の坂をくだっていき、多摩霊園の方まで行ったところでハクビシンを見つけたことがある。町中にそんな動物がいるのには、天敵がいないことと雑食で適応力が高いという理由があるらしい。糞尿による汚損や屋根裏などを走る足音などでずいぶん人に迷惑をかけただろう。僕には関係ない。等しくやってくる死を迎えたならば、弔ってやるべきだ。
さて、弔う死骸が増えてきて一つ問題が起こった。
それは埋葬場所の確保だった。
アパート裏のアニマルセメタリーはすぐに「満室」となってしまった。今までのプチ放浪での断片的な記憶をさぐる。近場、土が柔らかく、人目につかない————そんな都合のいい場所は思いつかなかった。結局、走りやすい多摩湖自転車道で繋がっているという安置な理由で、多摩湖周辺を探すことにした。
散歩する人たちやランナーが多く、地域の目を盗むのは容易ではなさそうだが、僕はなんとか半日かけて好立地を見つけ出した。広く、土も柔らかい。人目もなく、部屋から遠い以外は申し分なかった。帰宅にかかる時間、部屋での料理の時間などを考えると、これからは必然的に行動範囲が小平より西側になる。アップダウンがある道なので死骸探しも骨が折れそうだ。
初めての死骸探しで見つけたタヌキがいた道を僕は走っていた。名前はなんだっけこの通りは。
遠くに動いているものがあった。
近づくにつれ、それがヘビだとわかった。ニョロニョロと、まだ生きていた。ヘビくらいやっぱりいるんだなぁ、所沢。通り過ぎようとした時、ヘビの尻尾から全体の4分の1ほどまでが潰れていることに気づいた。ただ進んでいるだけに見えていたのに、急にそのヘビが苦しみに悶えて、救済を求めて当てもなくもがいているように思えてきた。
かわいそうだ————。
車に潰されたのだろう。ヘビの生態は知らないが、これでは助かる見込みはないに等しい。ズルズルと這うたびに、墨の切れた筆で書いたみたいな線が残った。
痛いだろう……、苦しいだろう……。
あとは死ぬだけなんだ。愛する者に遺言を残すわけもない。莫大な財産を隠しにいくわけでもない。それなら、早く死んだ方がいいに決まっている。
そうだよね?
僕は自転車を押しながらヘビについていった。ヘビは車道の端を探るように這い進んでいく。
君もそう思うよね?
僕は心の中でヘビに問いかける。ヘビと僕の距離が縮まってきた。
尻尾でなく、頭を踏み潰せば、さすがに息絶えるよね。
一瞬だ。
なにか思う隙もないはずだ。
ね?
苦しみ続けるなら死んだ方が————。
足元に火花が散った。反射的に立ち止まる。煙草が投げられたらしかった。すぐ横を真っ青なスポーツカーがあからさまな減速をした。
「邪魔やがな!」
逆立てた金髪の男が目を見開いて僕に怒鳴った。わけがわからず、「はい?」と間抜けにも聞き返してしまった。彼には口答えに感じられたのだろう、「ちょっと止めろや」と運転席を振り返る。男が下りてくる。不運なとんとん拍子でことが進み、僕はまず頬を張られた。星が弾け散ったように見えたが、木々の合間をチラついた西武園遊園地のネオンだったようだ。日が傾いてきた。
「なんか文句あるんけ!?」と脚を蹴られ僕は倒れる。自転車も蹴飛ばされ車輪に付いていた反射板が砕けた。
男は胸ぐらをつかんで、雑草の多い歩道の方へ僕を押し飛ばした。いつの間にリュックが取られていた。金髪の男が、茶髪の男に放って寄越す。
「なんとか言えや!」
怒声を浴びると同時に蹴られた。懐かしささえ覚える痛みだった。高校生の秋、受験勉強のストレスを溜め込んだ同級生にちょうどこんな感じで蹴られたことがあった。いつもは僕を虫でも見るような目で蔑み、僕の存在すら認めていなかったようだった他の連中も、一緒になって僕を蹴った。僕はその頃にはとっくに言葉を無くしていた。何も言えなかった。「苦しい……だからやめてほしい……やめてくれ」などという短絡的な思考すらできなかったのだ。随分いじめられたはずなのに、なぜかもう忘れてしまった。
「オレはときどき思うんやけど、誰も見てないとこで消えちまえば、誰にも分からない人間ってのがおるんやないかってさァ」
彼は冷たい眼をしていた。こういう人間にも、探してくれる人がいるのだろうか。
「ウゲェっ! なんだコイツ、リュックに猫の死骸入れてやがる……!」
茶髪が嘔吐するみたいに言った。金髪の方もリュックを覗き込む。「イカれてんじゃねえかよ」リュックをひっつかみ、倒れている僕の上で中身をぶちまけた。どさっどさっと真っ二つになっていた猫が落ちてくる。
「死んでろやオマエも」
2人は車に戻ろうとした。そんな2人を呼び止める声があった。
「ボク、綺麗ですかー?」
聞き覚えのある声だ。半身を起こす。リクルートスーツに大きなビジネスリュック、顔にはイラスト風の笑い口がデザインされたマスク。棺のリュックをくれたセールスマン、大黒君がそこに立っていた。
「なんやオマエ!?」
金髪が威嚇する。闇を蓄えはじめた木立の中で、その声は全く響くことなく消えた。大黒君の背後に半分だけ見える観覧車が信じられない速度で回転している。
「こんにちわ! ツカサ君、大丈夫?」
明るい声とは裏腹に、大黒君の服がじっとりとした黒に染まった。周囲にモノが腐ったような悪臭が立ち込める。
「こっちが先に質問してんだろボケぇ! 何とか言えや、口あるやろがい!」
ケッケッケ……と乾いた笑いがした。梢が擦れる音だろうか。
ニコニコしている……あくまでそういうマスクの大黒君に無視されたことに腹を立てたのか、金髪は大股で彼に向かっていった。
大黒君が左手をかざす。
「なっ、なんだコラぁ」
ひらひらと手のひらが動かされる。手招きだった。
「おいで、おいで、おいで——————」
あたりが真っ暗になった。まるで初めから夜だったとでも言うような闇の中、遊園地のネオンだけがギラギラと輝いている。腐臭の風の中、遊園地から楽しげな嬌声が運ばれてきた。その声がだんだんと悲鳴に変わっていく。
「ツカサ君、耳をふさいだ方がいいよ!」
大黒君の言葉通り僕は耳をふさいだ。そうせずにはいられなかった。悲鳴はどんどん大きくなっていく。まるで廃寺の鐘でもかぶせられ鬼に外から金棒で叩かれているようだ。金髪の男も手で両耳を塞いだ。叫んでいるようだった。鉄っぽい匂いがした。彼は僕の目の前で頭を弾けさせた。頭のあるべきところでほとばしる血飛沫、そこで拍手するように手が動いている。
静かになった。
大黒君が茶髪の方へ歩み寄る。
「ところで先に質問しているのはこっちですよ」
彼が背を向ける位置に移動したため顔はわからなかった。
「ボク、綺麗ですか?」
茶髪は声にならない声を漏らすだけだった。大黒君のカラダから彼のではないような声がした。
「コレデモカッ!!」
茶髪の男はその声に吹き飛ばされたみたいに走り出して車に乗り込んだ。周りが明るくなる。さっきまでの夕方に戻ったようだ。
「立てるかい?」
大黒君に手を引かれて立ち上がった。妙な浮遊感に息を整えようとしながら車を見た。発進の手順を忘れるまで男は慌てているらしく、空吹かしの轟音ばかりが鳴り響いている。やっとのことで車が走り出し、やがて見えなくなった。だが僕は見た。車内には緑っぽい肌をした、数えきれないほどの人影が、ヘビ1匹忍び込む隙間も許さずにギチギチに詰まっているのを。
「ひどい連中もいるもんですね」
僕は言葉が出なかった。ねばねばと乾いた口内には、ほんのりと腐った匂いが残っていた。
「喉、かわいた」
かろうじて絞り出したのはそんな台詞。大黒君は待ってましたと言わんばかりにバンザイ。
「だよね! じゃあ飲み行きましょう!」
ふっと背中が軽くなった気がした。
目覚めた。
死骸集めに夢中だった近頃は少なくなっていた、知らない場所で意識が戻るという僕に悪癖。
「それでその時に大先輩が『あなたも不運ですねェ』って笑いながら言うんだよ! ひどくない?!」
大黒君がビールジョッキ片手に僕の顔を覗き込んでいた。手に冷たい感触がある。僕もジョッキを持っていた。空間は明るい話し声で満たされている。ヤニの染みたちょうちんがさげられ、暖色の光が明々と灯る。電車の音が背後の窓からきこえた。振り向くと窓から小平駅が見えた。どうやら駅降りてすぐにある安居酒屋……の二階席にいるようだ。たしか……ハイボールが99円、ビールも199円とかなり安い値段が看板に書いてあった気がする。よく覚えているな。いや、さっき無意識に見たのかもしれない。
「いま何時だっけ」
僕はきいた。大黒君はキョトンとした顔をしてから袖をズラす。子供がするような安っぽい腕時計をしていた。
「6時になる頃だね。予定あるのかい?」
「あ、いや。遅くまではいられないよ。お金もないしね。僕はここにいつ来たんだっけ」
「ついさっきじゃん。まさかもう酔ったのかい?」
にっこりと笑う大黒君。あたりまえだが、マスクをとっている。先程までの記憶が蘇る。
コレデモカッ!!
人懐っこい顔をしている。ちょっと優柔不断そうで、もし兄弟がいるなら、三男坊あたりの柔らかい目元。
「ごめんね。僕、忘れっぽいんだ。部屋にいたと思ったら、急に知らない町の真ん中にいたりするんだよ。歩いたことも、何をしようとしていたかも分からないことがよくあるんだ」
「あーーじゃあどうせさっきの事も覚えてないんでしょ? 変な連中に絡まれてるところをボクが通報したんだよ。キミもだいぶ驚いていたからね。ウン、あの2人は今頃は出ることの叶わない牢獄の中にいることでしょうよ。あーかわいそう、長い人生を棒に振って」
そうだね、と相槌を打ってジョッキに口をつけた。ハイボールだった。安価な割に濃い。そうか、僕はハイボールなんて頼んだのか。たまにミナミさんと飲む時は甘い「どろよい」を分けて、割って飲んでいるけれど。
「大黒君はなんであんなところにいたんだい?」
「え? あーボクはね、他の仕事があまりにも上手くいかないんで、ちょっと遊園地で遊んでたんだよ」
「え? 仕事中に?」
「そう。仕事中に。だって僕は仕事が私生活みたいなものだからね! なんか今ね、園内は昭和チックで懐かしいんだよ!」
「大黒君、昭和生まれだったの?」
「違うよ! 平成! でも不思議だよね、なんか懐かしいの! で楽しかったなぁ、ゴヂラもいたし……」
「ふうん」
こういう人と遊園地にいったら楽しいんだろうな。
「そうやって息抜きしないとやっていけないんですわぁ〜〜」
ビールをグビっと飲む大黒君の顔はすでに赤い。照明のせいだろうか。くすりと笑ってしまう。なんだよ、と大黒君が聞く。
「いや、ごめんよ。でも働いているだけ立派だよ」
「あーー、キミはニート……もといヒモだったもんね」
「そうだね」
「いやいやごめんよ、ボクってほら! デリケートじゃないから!」
「デリカシーがない、だろ? 大丈夫だよ。遠慮されて話される方が辛いしね」
「そう? ならよかった!」
スパッとした性格だ。羨ましい。
焼き鳥と梅水晶が運ばれてきた。去ろうとする店員さんを大黒君は呼び止めた。
「ちょっとおばちゃーん」
キッ! と鋭い眼光で…………おねえさんと呼ぶのが正しいだろう……おねえさんが振り返った。
「ボクさっき梅水晶たのんだんですけど、これなんですか?」
「梅水晶ですけど?」
「ええー?! 梅水晶ってこんな紅生姜みたいなのなんですか?! てっきりリンゴ飴みたいに梅が透明な何かでコーティングされてるのかと思いました!」
おねえさんが冷めた目で僕らを見ている。
「大黒君、梅水晶はサメの軟骨を刻んで梅であえた珍味なんだよ」
「あ〜〜、サメの珍味。なるほど……これがキャビアってことか……!」
見当違いの想像で感心する大黒君に僕とおねえさんも苦笑い。
「次何飲みます?」
おねえさんがきいて、すかさず大黒君が答えた。
「ハイボール!」
僕はまだ残っていたが、次はどうしようかとメニューを取りかけて、
「を、2つで!」
と大黒君が続けた。表の看板が鮮明にフラッシュバックする。ハイボールは99円…………大黒君、お金ないんだな。きっとさっきも彼が僕のお酒を頼んだのだろう。別にいいんだけど、自分は一杯目ビールなのか。
話しているのが楽しいのとお酒によるものなのか、僕は部屋に帰るためのタイムリミットを破ってしまった。時刻は8時。ミナミさんはもう帰り着いているかもしれない。
信じられないぐらいのドヤ顔でおごってくれた大黒君をささえながら店の階段をおりていく。
「大丈夫かい、大黒君」
「アレ? お会計どうしたっけ? 払ったっけ?」
「払っていただきましたよ。ごちそうさまです」
「ツカサ君。キミ、リュックの脇にスコップなんてさして、職質されちゃうぞー」
「そうだね」
前にスコップをリュックに入れたら、取り出す際に錆び果ててしまったのだ。まぁどのみち職務質問は避けたい。リュックの中に動物の死骸を入れてるなんて、即お縄だろう。
「ウンウン。ところで、お会計どうしたっけ?」
「うん。払っていただきましたよ。ごちそうさまです」
「どういたしまして! ところでキミは誰だっけ」
「棺のリュックのツカサだよ」
「そう! そうなんだよ!」
大黒君は僕の支えを振りほどいた。
「今日はキミに忠告しなければならない事があったんだった!」
「えっ? なんだよそれ」
「そのリュックを使うのはいいんだけどね、自分から相手の命を奪っちゃいけないよ!」
もがいていたヘビを思い出した。
「そ、そりゃそうだろ。分かってるよ……」
いや……あの時邪魔が入らなければ、僕は……。
「ホントに分かってるかい? ボクは『何かしてあげたい』というキミの気持ちを満たすべく背負える棺を渡したんだからね? たのむよホントに? キミがこれからどうなるかはキミにかかってるんだからね!? もしこの忠告を破ったら、君の運命は僕の保証の埒外へとこぼれてしまうからね!」
彼は僕を真正面から指さした。拳銃でも突きつけられたかのように僕は一歩ひいてしまう。
何かしてあげたい、という気持ち————。
「忠告はしたからね」
僕たちは小平駅で別れた。大黒君の背中にあるリュックが重たい十字架に見えた。ボランティアで人を幸せにする、かなり酔狂な人だ。お金もないみたいなのに。詮索はしないが、普通とは言い難い。
「大黒君! 今日はごちそうさまー!」
数年ぶりレベルの久しぶりさで大声を出した。彼はかろうじて肩越しに手を振った。
お酒が入っているのと、例の男に蹴られた時にライトが壊れたので、僕は自転車を押して家路を急いだ。
ミナミさんはまだ帰っていなかった。働きもせずお酒を飲んでいたことに今更ながら罪悪感を覚え、急いで夕飯の下拵えを済ます。リュックには猫の骨が入ったままだ。部屋の隅におく。明日必ず埋めるから————。それから間もなくしてミナミさんは帰ってきた。
「おかえりなさい」と出迎えると、「どうしたの?!」と血相を変えた。
「顔が真っ赤だよ? 熱があるの? 横になってて?」
「いやあの……すいません。ちょっとお酒を飲んできまして……」
「えっ……?」にわかには信じられないといった顔だった。「ずるーい!」
とミナミさんは靴を雑に脱ぎ捨てて冷蔵庫へとダッシュ。たまに飲む用の缶のどろよいをグビっといった。CMに起用されそうな飲みっぷりだ。僕は言い訳するかのごとく喋りだす。
「リュックをくれた大黒君がね、ごちそうしてくれたんですよ」
「大黒君?」
「そのセールスマンの名前です。確認はしてないけど同い年ぐらいで、町で会って、飲もうって流れになって、それで————」
知らぬ間に目を逸らしていた。僕はミナミさんに向き直ると、彼女は目頭を真っ赤にしていた。
「あの……! ミナミさんっ?!」
「おねえさんは嬉しいんです……。あなたが社会に羽ばたいていくのが、ええ、はい……!」
「あの、すいません。そんな泣かないでも……」
「泣いてないよ。泣いてないけど……、あなたに何かしてあげたくて」
「じゅうぶんしてもらってます! ありがとうございます!」
「へっ、どうだかねェ! 2人でいったいどんな話したんだか」
缶酒を呷るミナミさん。かつてないイジケモードだ。
「大したことはなにも。梅水晶が、梅を透明な何かでコーティングされたものなどではなく、紅生姜みたいな品だとか」
「えっ、そうなの?」
「はい。サメの軟骨を刻んで梅肉であえた珍味だとか、そういう話を……」
「サメの珍味って……」思案顔になるミナミさん。「キャビアじゃん……」
アレ? 梅水晶ってキャビアなのかな————と僕は自分の知識を疑い始めた。
ともあれ、2人で夕食をとる。
なんの脈絡もなく、ミナミさんは言った。
「ツカサ君、ドライブ行こっか」
聞き間違いかと思った。
「どこへ行くって?」とドライブを聞き直したつもりだったが、その台詞はそのまま会話を進める。
「んー、どこでも。でもせっかくだから温泉地とかかなぁ」
「いやでもドライブって……」
「いいじゃないのよ。最近私ね、ツカサ君が明るくなってきて嬉しいのよ。だから行こうよ? 今週末にでもさ。日光、箱根、熱海とか。だから行こうね?」
だから……と接続する言葉がおかしい。意味が成り立っていない。
「嬉しいから、ドライブですか」
「そう! ああ楽しみだ! 温泉だ! 箱根だ! 大涌谷だ!」
目的地まで決まってしまった。
その晩、寝る段になってもミナミさんはそわそわしたままだった。寝返りが多い。
ずいぶん勢いよくお酒を飲んでいたし、明日になったら発言を撤回なり、訂正なりしてくれるかと思ったが、その希望はかなわなかった。
「なんかね、湯葉は日光かと思いきや箱根で湯葉丼なるものが食せるらしいのよ」
箱根行きは決定事項だった。
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