あとがき&駄文と反省
『あとがき&駄文と反省』毎回このタイトルを書くとき、ようやくここまで来たかと言う達成感と終わってしまうのかと言う寂しさを感じてしまいます。
日頃から最後まで書き終える、物語を投げ出さないと言う目標を持って執筆しているので、ここを書けたのは目標達成した証でもあるのですけど、終わりたくないともう一人の私がいるわけです。
執筆中は早く終わりたいって言う私もいるのに我儘なものです(笑)
男らしい、女らしいってなんなのだろうか? これは本作のテーマの一つなのですが、本文中に麻琴が語っているようにどちらに寄ってるかとか中立とかじゃなくて、そのときどきの場面で人は変わって普遍的な本質はないのではないかと思ってます。
人はもっと曖昧で掴み所がなくてもいいんじゃないのかなと、個人的には思います。
と言ってもあくまでも個人的意見、私一人で答えが出せ完結するものではないですし、この辺りは難しい話だと思います。私ごときが答えを出せるなら世の中苦労はしません。
多種多様性、一人一人違って当たり前なんですけど、集合体として生きていく上でルールや法律で規律を設ける為に、どこかで線引きが必要なのも事実。本当に難しいことだと思います。
さて本編の話に戻りますが、女の子を熱望していた両親から生まれ、男の子として愛されず、女の子であることで愛された一人の人間の生き様の一部を描きたいと思い生まれたおおかみちゃん。
最終的には飾切という相手に出会い寄り添うことを選びましたが、この2人が将来的にどうなるかは特に決めていないので、ご想像にお任せしようと思います。
本作のタイトルである『おおかみちゃん』つまりは『狼』のことですが、柔らかくも怖さを兼ね備えた存在と言うことで平仮名表記にしています。
物語に登場するおおかみの多くは、ずる賢く、残酷で悪役で忌み嫌われる存在である。ちょっと古い表現かもしれませんが、日常生活でも「男はおおかみだから気を付けろ」なんて危険な存在として表現し、語られるおおかみですが、実際の狼は一途な性格であるらしいです。
個体差はあるのでしょうけど、生涯を決めた相手と過ごすようです。最愛の相手と死に別れても他の異性と一緒にならずに一生を終えるなんて話もあります。
それも踏まえて、最後は運命の相手を見つけ一途に生きようと決意する、そんな結末を目指してみました。
ただそこへ向かうまでの過程で、すぐに気になった相手を襲う麻琴のどこが一途だよと思う方もいると思います。
それが良いか悪いかは置いておいて、その様な方法でしか愛を確かめれなかった人間が一人の人を見つける、それまでの過程があってこその今、全て踏まえて今があるんだと、良いか悪いかは本人たちが決めれば良いんじゃないかなと思っています。
それとこの物語を書くにあたって、主人公である麻琴の心の揺れと登場人物たちの裏の姿を表現出来たらなと思っていました。
裏の姿と言っても危険な思想を抱いている悪意のある姿ではなく、普通に過ごしている人が持っている悩みや抱えている欲や願望、誰しもが持ってる人に言えない部分とでも言えばいいでしょうか。
家族や兄弟、学校に職場、すれ違った名前も知らない人たち。きっとみんなが持っている悩みや欲は普通に接触しただけでは知ることは出来ないはずです。
大きく一歩踏み込んだからこそ見てくる意外な姿、そこに個性があって生きているんだってこと、それが表現出来てればいいなと思いながら執筆しました。
そして最後にもう一つ、ジャンルに囚われず色々な物語を描きたいと日頃から思っている私は、どこまで際どい表現が出来るのか? をテーマにした作品でもあります。
直接的にではなく、やや遠回しに並べた言葉で表現しきれるかに挑戦しました。
各章に出てくる中心人物と麻琴の関係にテーマを設け、それぞれのシチュエーションへと向かい、心のわだかまりを少しだけ昇華する。その繰り返しの中で一人の人と出会う、賛否あるかも知れませんが、おおかみちゃんならではのハッピーエンドを目指しました。
***
ここから駄文多めで書きますが、各章に置いて際どい表現がなかった、つまりおおかみちゃんが補食しなかった章が3つあります。
まずは『 優しい気持ちは優しく取り出すの』『過去も未来も夢見て』の2つなんですけど、本当はありました。
あったんですけどちょっとこれは……的なものが出来てしまったので補食無しの回に書き直しました。
『 優しい気持ちは優しく取り出すの』では登場人物は麻琴を含め3人いることから絡みも3人だったわけでして、仲直りしつつ一糸纏ぬ友人がおおかみちゃんに補食される姿を見て何かに目覚め、友よりも見て欲しくて互いが大胆になっていく……とかそんな感じです。
表現がストレートになりすぎて修正が効かなくなったので封印しました。
そして『過去も未来も夢見て』は既婚男性の葛藤ですが、初めは欲に負けておおかみちゃんを襲ってしまうのですが逆に襲われてしまい分からせられてしまう。
そしてこれまでの行いを反省しつつ新たな自分の性癖に目覚め、家族と別れその道へ進むと……。
結構暴力的な表現が多くなったのでこれはちょっと……と言うことでこれも封印です。
最後に『体の傷は心まで抉り』に関しては初めから際どいシーンは無しで行く予定でしたので予定通りではあります。
ですが大きく違うところが一つあり、飾切と結ばれるのは変わらないのですが、ヤンデレになる予定でした。
おおかみちゃんの節操のない行動にキレ、嫉妬した飾切に一回刺されるはずだったのですが、私がヤンデレを上手く扱えず断念。最終的にちょっぴり依存気味の甘い感じの子になってしまいました。
ヤンデレを扱うのは難しいなと実感しました。いつか私のヤンデレレベルが上がって扱えるようになったら書いてみたいです。
とまあ脈略も取り留めもない文を書き綴ってみましたが、これにて本作を終わりたいと思います。
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです!
功野 涼し
おおかみちゃん 功野 涼し @sabazukikouno
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