8.東福寺内部
ここには何度か来たことがある。紅葉になると名所である長い橋「通天橋」がとても賑わう。紅葉シーズンでなくとも渡れるのだが俺は渡らない。以前渡ったことがあるから。この橋はとても素晴らしく、お寺の下に流れている小川とその周りの森を上から縦断するように作られている。
(見た目がとても美しい。綺麗な曲線美だ)
和の建築でここまで立派な橋がお寺の中にあるのはあまり無いのでは。この橋は橋というよりもお寺のような見た目をしている。あくまでもお寺とお寺を繋ぐ連絡橋のような役割。なので、橋だけどもお寺らしさを残した結果、記憶に残りやすく素晴らしい建築物ができあがったのだろう。1度見れば忘れない。言葉で表すのは難しいが是非一度見て欲しい。
(それよりも庭だ庭)
東福寺もう1つの名物は「本坊庭園」。ここに入るには拝観料がいるので要注意。
俺は拝観料を支払って本坊庭園へ入っていった。お寺らしい木の床を歩いて縁側のような場所に腰をかけた。
(これは枯山水と呼ぶので正解なのかな)
教科書で見た枯山水に似ているので枯山水なのだろう多分。これが目玉なのだと言うのは周りを見るとわかる。みんな腰掛けたり写真を撮ったりしているので有名で間違いはない。俺も一応写真を撮っておく。
この枯山水が何を表しているのかはもちろんわからないが、美しい日本美なのだというのはわかる。いや、むしろ俺の感想の方が一般的だろう。これを見て一発で
「これは〇〇を表している」
と言い当てれるならば即座にその道に進むことを目指した方がいい。なんせ俺は備え付けの説明を見てもわからないことが多々だ。うんちくは得意ではない。なんとなく味わうのが何事もちょうどよい。
(落ち着いた雰囲気だ。休むとするか)
京都駅に到着してからここまでほとんど止まっていない。スムーズに事が進んでいるので実は休んでいない。ここで休むのもいいだろう。周りの観光客に溶け込みながら俺なりに枯山水を見て休みながら満喫している。これぞ1人旅の醍醐味。休みたいときにどんな場所でも休めるということだ。この景色を友達などと共感するのも楽しいが、1人で感慨にふけるのも悪くない。この建物には枯山水だけでなく他にも見るところはあるがそれらはどのお寺にもあるような和室であったり仏像などであまり詳細に述べることができそうでないので今回は省略しておこう。
(そろそろ出るか)
十分に休んだし枯山水も満喫した。ここらで出るとする。
「ありがとうございました」
受付の人にそう言われて俺はこの建物を出た。通天橋を渡らないのであればもう次の目的地に行っていいだろう。ちなみに次の目的地は京都市北部「嵐山」だ
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