➄先輩
「最近、上手くいってないんすよねぇ・・・倦怠期かもだけど。彼女んちに行くのがなんか億劫で。いっつも喧嘩になるんすよ・・・はぁ・・・疲れる・・・」
月曜日の会社の喫煙所で。
もう既に結婚して子どももいる先輩に、ふと漏らしてしまった。
特にアドバイスが欲しかったワケではないが、つい愚痴ってしまった。
すると、先輩は軽く笑いながら言った。
「結婚してやれよ~」
「待って下さいよぉ~・・・意味解かんないっすよ!」
俺も笑いながら返事した。
「うちの嫁にもあったよ、そんな時期が・・・思い出すなぁ・・・拷問の様な日々だったなぁ、あれは・・・」
先輩は遠い目をしながら、続けた。
「いずれ彼女と結婚する気なら、早いトコ決めちまえよ?」
先輩はそう言うと煙草を灰皿に押し付けながら、更に付け加えた。
「余計な喧嘩をしたくなければなっ!はっはっはっ!」
大声で笑いながら遠ざかって行く先輩が、その時の俺にはめちゃくちゃ偉大な存在に見えた。
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