疫病神
あれは…、俺が21の時だったかな。
高校中退して、定職もなくて、適当にその日暮らししてたんっすよ。
まあ、1人暮らしだと寂しいから、適当にネットで通話相手探して自分慰めたりとかしてたんですけどねw
で、そん時にあったのがあの子。
さすがに実名だすのはまずいから…、とりあえずA子ってことで。
A子は俺より3個下で、当時高校3年生。
といっても、もう卒業間近だったみたいです。
結構顔も可愛くて、セックスもさせてくれて、出不精だった俺は気分ウハウハでしたよ。
けどね、そいつ…、実を言うとかなり重度のメンヘラでした。
何か気に食わないことがあればヒステリックになって怒るわ、かと言ったら急にぎゃんぎゃん泣きわめくわ、ひどい時はリストカットをしたりとか…。
もう本当参っちゃいましたよ。
さすがの俺もだんだん病んできて。
けれど、1人暮らしも寂しかったから、そいつを俺の家に泊まらせたりして、共依存みたいな関係で暮らしてたんです。
そしたら、もう不幸のオンパレード。
人間関係のトラブルで仕事をクビになる、精神疾患にかかって薬づけになる、日雇いの仕事で腰をやって肉体労働ができなくなる…。
そんで、A子が他の男と浮気して出ていったこと。
あれで俺の精神はやられましたね。
仕事も女も、何もかも人生うまくいかなくって俺の心はだんだん荒んでいきました。
部屋はゴミだらけになって、飯もあまり食わなくなって…。
だんだん貯金もなくなって、いよいよ家賃が払えなくなって…。
そこからは、何があったか覚えてないんですよ。
断片的に覚えてるのは…、そうだなぁ。
なんか、清掃業者っぽい人がうちに来たりとか?
でもマジで意味わかんないですよね。
結局、A子に関わったせいで俺の人生めっちゃくちゃ。
いや、俺自身も悪いと思うんですよ。
あーゆー女に関わっちゃいけないって、分かってたのになぁ…。
え?
俺が一番悪い?
いやいやお兄さん、人聞き悪いよ。
え?
そういうことじゃない?
どういうことよ?
…俺のせいで、この部屋を借りる人がいなくて困ってるの?
それはそっちの事情でしょ。
とにかく、A子という疫病神に関わったせいで、俺はとんでもない目にあったって話!
あーあ、もう最悪だよ。
本当に。
思い出したくないよ。
やっぱ、疫病神と付き合っちゃいけないね。
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