第5話 大学日本拳法部のブログ
私が大学日本拳法部のブログをちょくちょく拝見させていただくのは、
① 嘘ばかりのこの世の中、現実に起こった出来事(毎日の練習でも試合結果でも)を実感として感じたい。何月何日に○○大会がある、という情報以上に、現実にそれを運営し参加する人の現実を知ることで、自分が今生きているということを実感できる。
「NASAの発表によると、月や火星で・・・」とか「専門家によると、○○という変異株が・・・」なんていう話は、「マルセイユの漁師のホラ話」と同じで、私にはまるで信用できない与太話・ホラでしかない。
だいたい、エアコンの聞いた部屋で、指先でいじくったスマホで作り出したいい加減なニュース(駄法螺)なんぞより、そうして作られた偽のニュースが五万と載った新聞を、しかし汗水流して配達する人間の方が、よほど現実の重みを感じることができる(中学2年の夏休み、私は仲間数人と新聞配達のアルバイトを経験しました)。
そして、そういう小さくても本当に確かな現実を見て生活していなければ、やがてその魂は肉体の消滅と共に、煙のように消えてしまう。
私はコンビニで「話題の食べ物○○」を買うだの食べるなんて、まったく興味がない。むしろ、コンビニの(外国人)店員と話をしたりする方が楽しい。
以前、深夜でしたが、長距離バスの料金支払いに行ったところ、店員は日本語の流暢なウクライナからの留学生でした。客もいないので、いろいろ話しを聞いて楽しめました。「日本の野菜はウクライナのそれに比べて旨くない、野菜の味が全然しない。まるで、プラスチックの作り物を食べてるようだ。」という話を聞き「たしかに、南米で食べた牛肉や野菜は、それなりの臭みや旨みがあって、本当に肉や野菜を食っているという実感があったなぁー」と思い返しました。
そんな私には、大学日本拳法の世界で起こるどんな些細な出来事であっても、それらは貴重な現実として、「今というものの存在」を実感させてくれるのです。
立教や青学に代表される大学日本拳法インディーズ(機動力のある個性派集団)は、ブログの記事も文体も自由で写真も豊富。
一方、明治や中央は、conservative(控え目)。特に明治の場合、アップの写真や一人だけが目立つような記事は禁止されているようだ。ドレスコードならぬ、ブログの書き方に規制がかかっているのかもしれません。
→ こんな(楽しい)写真をブログに掲載したら、明治では一発退場(レッドカード)・退部になるでしょう。
https://ameblo.jp/nichidaikenpo/image-2712074159-15036556402.html
そんな没個性(個性がないのではなく、大集団であるがため、敢えて自分の言いたいことを表に出さず、個性を押し殺そうとしているかのよう)な明治。個性を発揮するのは拳法だけでいい、という部の方針なのでか、大集団になると必ず罹るといわれる「大企業病」なのか。
しかし、明治のいいところは、シーズン中はほぼ必ず(マネージャーたちが交代で)毎日ブログを更新してくれる点。時間の移り変わりがアナログ的な私にとっては、日めくりカレンダーのように、日にちが変わったんだよということをデジタルで知らせてくれる。
クリスマスにツバメが飛び交い蝶が舞い、日中気温が30度なんていう台湾(南部)のような季節感のない(少ない)ところにいると、カレンダーと季節の移り変わり・時間の伸張・収縮が一致しないので、文化的素養・感性が減少してくる。特に、今は例のバカ騒ぎのおかげで、2年も日本に帰ってないので、尚更、心がミイラ化してきているような気がする。
アメリカのシリコンバレーには2年間住んでいましたが、季節感のなさではこことおなじでした。ちなみに米台韓の3カ国は、建国300~100年レベルですから、社会のシステムが簡素でまどろっこしくないのがいい反面、文化力がないというつまらなさがある。(40年前の頃までの)日本や(今の)中国に比べると、人生の楽しみ方に雲泥の差があるように感じます。
「じゃ、何でそんなところに住んでるのか」と言われれば、物価の安さと緩い(何事も簡単な)こと。たとえば、普通乗用車運転免許取得は2週間の教習所通いで5万円、試験は実技のみで学科なし。一旦取得したら死ぬまで有効(更新という手間はない)。そういう緩さというかのんびり感。
駅の構内にはあちこちに掃除機用のコンセントがあるが、誰でもそこから充電できるので、必ず一人や二人、ホームレスの人がスマホを充電しながら、のんびりと昼寝している。
自転車をそのまま袋に入れず電車や地下鉄に持ち込める。電車の場合、たとえば大人一人に自転車一台、約17分間の乗車(各駅停車)で130円。東京ー品川、もしくは大森くらいの距離か。また、大きな駅の構内(改札口の内と外)にはきれいなトイレや大きなゴミ箱が完備してあり、たまに家庭ごみを持っていって出しても、掃除のおばちゃんに文句を言われたことはない。
台湾人は(今のところまだ)親日ですから、韓国のようにレストランで食事に鼻くそや痰を入れられる(台湾に来ていた女子学生が言っていた)ことはない。ゴミ屋は、一般ゴミと不燃ゴミ2台のトラックが週5日(不燃ごみは週2回)回ってくる。先日、同じアパートの住人がオートバイ用の古いヘルメットを2個出したら、清掃車のおっさんが生ゴミと一緒に機械に放り込んでいました。ゴミ収集車を逃しても、ビンやペットボトルは家の前に置いておくと、個人でゴミの回収をやっているおばちゃんが自転車で来て、持って行ってくれる。
名言集
「遂にこの日が来たか」
「負けても大丈夫、先輩が勝ってくるから」
「勝負の世界に絶対はないと言いますが、明日だけは例外です」
「心の中で応援して」
「まぁいつも通りですね」
(明治が優勝した後のブログでこの文言だったのでドキッとしましたが、毎日の練習のことでした。)
「嘘を楽しむという文化を最初に考えた人は間違いなく天才ですね。」
「かくいう僕もフィクションに憧れ、いつかその生み手になりたいと熱望する」ということですが、この方は自分が4年生になったら明治のキャプテンになって、今年と同じことをしたいということなのでしょうか。
今年のキャプテンは、絶対に優勝するという「フィクション」を公言し、翌日、それを現実にして楽しんでいた、のですから。
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