第17話 理系の研究室も、いろいろ。女性たちは、疲れている。働く人にやさしい研究室も、あるんだけれども…。ケアしきれないから、痛いんだ。

 ここまで、言うなんて…。

 「もう、戦いたくなくなっちゃった」

 女性たちは、疲れているんだ。

 「どうせ、私たちは、弱いから」

 あきらめ。

 ついには、悟ってほしくはない悟りの崖っぷちにまで、どこまでも、追い詰められていくことになっちゃう。

 「もう、あきらめよう。契約を更新してもらって、研究を続けたかったなら、セクハラ状況から逃げるより、耐えるしか、ないんだろうか?」

 「セクハラ状況を、認めていくしか…」

 「抵抗しないで、切り抜けた方が、効率的なのかもしれないわ」

 これには、こう言ってやりたくも、なるだろう。

 「あなたは、早く、逃げるべきなんじゃないのか?戦うことに疲れるのなら、逃げてしまっても、良いじゃないか?」

 そう聞けば、女性は、こう、返しがち。

 「でも…。逃げられません。逃げちゃったら、やる気がない人だなって思われて、やっぱり、契約を打ち切られちゃうじゃ、ないですか?」

 悪循環。

 理系の特徴を、問題視する声も続く。

 「理系だと、早朝からはじまって、深夜まで研究室にいなさいというルールを作ってしまうことが、あるんですよ。これが、問題」

 拘束時間が、長すぎる?

 これは、まずいぞ。

 働かせすぎの、過労。

 ブラック企業のようなものじゃ、ないだろうか?

 「理系は、大変なんです」

 「そうなんです!」

 「知って、ください!」

 「過労で、心と身体のバランスが崩れちゃう人も、いるんです」

 理系の研究室も、いろいろ。

 働く人にやさしい研究室も、あるんだけれども…。

 もちろん、そうじゃない場合のほうが、多い。女性が既婚者であればあるほど、理不尽さのハードルが上げられる場合もあるし。

 こんな…。





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