ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!②~車いすサッカーをする子の悩みを聞いて、理系女子のセクハラ(アカハラ)ケアも、やっていきたい!~
第6話 その子が、特別支援学校に編入学して、変わったことは何だった?ヤングケアラーの胸を打つ、思いがけない、出会いとは…?
第6話 その子が、特別支援学校に編入学して、変わったことは何だった?ヤングケアラーの胸を打つ、思いがけない、出会いとは…?
特別支援学校に編入学した当初は、落ち込むことだらけだったという。
気遣ってくれる人は多かったものの、編入学生だ。まだまだ友達も少なく、その女性のほうからの動作が、なかなか、とれなかったから。
「もどかしかったなあ…」
「反、2階から目薬、ですいよね…」
「それって、何です?」
「すみません。何でも、ありません」
ハナの顔が、赤くなった。
「はじめは、いやなことばかり…」
「そうですか…」
「特別支援学校のクラス担任に、きついことを、言われました」
「そうですか…」
「でも、それが、虹を呼んだんです!」
「え?」
特別支援学校のクラス担任が、窓辺に寄り添って校庭を眺めるその女性に、声をかけてきた。
校庭では、クラスメイトたちが、バレーボールかバスケットボールを投げ合っていた。
大きめの、キャッチボールのようなもの。
「良いなあ…」
「何だ?皆が、うらやましいのか?」
「…先生?」
「交ぜてくださいって、声をかければ良いじゃないか」
いじわるだなと、思ったそうだ。
「そんなんじゃあ、孤立するぞ?」
きつかった。
「自立と自律が、できなくなるぞ?君は、社会全体に、疎外される」
きつかった。
途中編入でやってきて、日が浅かった。友達が少ないのは、その先生にも、わかっていたはずなのに!
それなのに…。
「ほら、がんばれ!」
そこまで、言うか?
「せ、先生は、いじわる」
「ほら!君のほうから、アクションを、起こすべきだ!」
頭にも、きた。
「…あんなにはしゃぎ回ってボールを投げ合ったりすることまでは、できない身体なのに。それを、わかっていたはず。このクラス担任は、いじわるよ」
不満で、一杯だった。
「どうした?」
体育館に、連れていかれた。
「…先生?」
「やるぞ!」
「先生、何ですか?」
「君は、電動車イスサッカーという競技を知っているかい?」
「電動…、何ですか、それ?」
「つべこべ言わず、これを、蹴ってみろ」
体育館倉庫から、大きめのボールを、もってきた。
「どうだ?」
「どうって…」
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