第3話 魔界通販売上ナンバーワン
一年後。
「はっはっは〜。今年の妾は一味違うのじゃ」
「ほう。それは楽しみだ、行くぞッ!」
――戦いを終えて。
「どうした、魔王? たいして強くなってないぞ」
「おかしいっ!? おかしいのじゃ!?!? そんなはずはないのじゃ〜!?!?!?」
「なにがおかしい? おまえの頭か?」
「ちっ、違う。妾は天才魔王なのじゃ」
「いや、ポンコツじゃねえか」
「ポンコツ言うな〜。妾は天才的頭脳で考えたのじゃ」
「ほう、それでとんでもアイディアを閃いたと」
「魔界には便利な物があるのじゃ。これを見るが良い」
「どうせ、下らないものだろ」
「じゃーん、『特製飲むだけで強くなれるサプリ』」
「で?」
「このサプリは魔界通販売上ナンバーワンじゃぞ」
「…………」
「妾はこの一年間、毎日このサプリを飲み続けたのじゃ」
「…………」
「それで、一年前とは比べ物にならないくらい強くなったのじゃ」
「…………」
「どうした、驚きのあまり言葉が出ないのか?」
「呆れて言葉が出ないんだよ。なあ、魔王、なんでこの世には数えきれないほどのいろんなサプリがあるか分かるか?」
「サプリがみんなに大人気だからじゃ!」
「ちげーよ。どれも、たいした効果がねーからだよ」
「そんなことないのじゃっ!」
「もし、本当に効果があるサプリが存在したら、みんなそれを求めるはずだ。であれば、無数のサプリが出回るわけがない」
「うむ。確かにお主の言葉には一理ある。だがしかし、それは有象無象のサプリの話。妾の『特製飲むだけで強くなれるサプリ』は別なのじゃ! CMでそう言っておったのじゃ!!」
「いや、自信満々に言ってるけど、実際、たいして強くなってねーだろ」
「うっ……」
「楽してんじゃねえよ。強くなるには、肉食って、よく寝て、修行するしかねーんだよ」
「うっ……だって、修行キライ」
「また、来る。ちゃんと修行しておくんだぞ」
「鬼ぃ〜〜〜〜〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます