第3話 散歩三日目
今日から散歩に行く前に「出発式」をする!
とイチが言ってきた。
玄関の前でイチと僕が向かい合うように立つ。
イチは僕より二段ほど高い場所に立っているので僕を見下ろす形だ。
さて、「出発式」とは
イチが今日の目標を言う!それに僕が返事をする。それだけだ
イチ
「はい、本日も周りに気をつけゆっくり歩きましょう」
僕
「はい!」(大きい声で)
イチ
「シー!シー!やめれって!聞こえたらはぁーかしぃ(恥ずかしい)」
イチ
「スケスケ(僕のこと)はイチを守って、イチに優しくすること!」
僕
「はい!してます!」(より大きい声)
イチは、笑いながらさっきと同じセリフ。
イチ
「帰ってきても、疲れたとか言わずイチにイライラしたりしないこと!ずっとイチに優しくするように!」
僕
「はい」(少し小さめ)
イチ
「それでは出発です。ではスケスケ君からも何か?」
と言うので僕は張り切って!
「はい!本日もしっかりと自分の足で一歩一歩、大地を踏み締め、歩けることに感謝し…」
てなことを言うとイチはケタケタ笑ってくれるので。
そうやってお互い満足して散歩に出発しました。
でも、イチは道路から死角になるとこに立っていたけど、僕はナップサック(イチの)を背負い、手を後ろに組んでピシッと立っていたので、車から見た人達は、あの人は誰かに怒られてるの?って思っただろうな。
この出発式はこの日だけでは終わらず、これから毎回続くことになります。
なんやかんや、この日はイチが行きたいとこが二つありますと言い出して。
「一個はイチも行ったことありません!」
と言うので、僕はワクワクしました。
しかし、二つとも閉まってたというどうにもならない悲劇。
結局、よく行くショップでイチの新しい手袋を買ったのはいいが、イチの好きな焼き芋がどこにも売ってなくて、100均でイチの好きなオロナミンCを買って帰りました。
散歩しながら、イチがどこ歩いたとか記録していきたい!と素敵な提案!
帰宅してイチとおやつを食べ、イチがお昼寝してる時に、街の地図をプリントしておきました。
明日からは、時間と歩数も測るらしいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます