第2話 散歩2日目
一回目の散歩が楽しかったのか、散歩を日課にするらしい。
ちょこんと座り暖かそうなブーツにかわいい足を突っ込むイチに
「歩きにくいんじゃない?寒いけどスニーカーがいいんじゃない?」
と聞くと。
「修行」
と言ってニコニコしていた。
休暇の度に二人で何して遊ぶか決めるんだけど、今回は「散歩」になったみたいだ。
前回の休暇は「Switch」だったんだけど。プレイステーション(初代)と操作が違う「バイオハザード」も、リアルすぎる「モンハン」もイチには難易度が高かったらしく。
「パパがして…」
と変わったことをおねだりして、僕がやるのを目をキラキラさせながら眺めているだけだった。
「ねぇ、モンハンせんと?モンハンせんと?」
ってねだってくる姿が可愛かったな。こんなことでも頼られるとうれしくなっちゃうもんだ。
張り切って買った分厚い攻略本を使いたいだけだと思ってたけど、どうやらパパの役にたちたくて
「なにか知りたいことはありませんか?」
ルンルンで尋ねてくるイチに
「では、コイツの弱点を調べてもらえますか?」
と言うと
「はい!!」
と元気な返事が返ってきたり、たまに読めない漢字を恥ずかしそうに聞いてきたり。
可愛かったな〜。
で…話はそれましたが、今日の散歩の目的は、いつも車の距離のスーパーでの買い物をやめて、歩いて商店街で買い物するというものらしい。
その提案に僕もワクワク!
「今夜何食べたい?」
と一応聞く。帰ってくる返事はどっちかなんだけど
「カレー!!」
そっちか…「鍋」「カレー」イチの答えはだいたいこの2つ。稀に違うものを言われるとこっちがテンション上がる不思議。
あまり通ることの無い道を選んで歩いていると、色んな発見があるもので、一度細い路地に入りこっちじゃないと引き返すと来る時は、死角で見えなかった小さな公園を発見した。
高台になってる場所で芝生の上にベンチが二つ。
めっちゃ興奮しちゃって、そこから見えるただの工事現場の写真とか撮っちゃうくらい。
二人でその公園に
「秘密の散歩公園」
と名前をつけチビ達が帰って来たら教えてあげようなんて言ってた。
二時間ほど歩き買い物して帰ることに。
ナップサックに入れてある
「イーブイ」と「ポッチャマ」
のエコバッグを取り出す。
エコバッグと言わずに
「イーブイ」「ポッチャマ」
とキャラ名で
「取って」って言うんだけど。
この「ポッチャマ」…僕はどうしても「ポチャッコ」と言ってしまう。
イチにはそれが少しだけ面白いらしく、僕の間違え待ちをしている。
しかし 、このナップサックとても便利!ちょっと高かったけどイチが一目惚れして買っただけある
両サイドと裏表にポケットが着いていて使い勝手がいい!
それぞれのポケットにイチの物を入れて、僕が背負う。
「修行」…にこれはカウトされないらしい。
何はともあれ、イチの好きなオロナミンCと安納芋の焼き芋も買って帰路につきました。
大きな池がある公園にいつも行くんだけど、そこに行く度にイチの昔話が始まる。
子供の頃はそこをナワバリにしていたらしく。池を渡れるように石を運んで道を作ったそうだ。
で、他の人に渡られないように何個かは踏んだら沈むのを仕掛けていたらしい。その話を誇らしげに語るイチは何よりも愛おしかった。
ちなみにその池でお姉ちゃんの友達におんぶしてもらった時に手を滑らして頭から落ちてめっちゃ痛くて泣いたそうだ。
今日一笑ってしまった。
帰ってきた娘達に
「秘密の散歩公園」
のことをドヤ顔で言ってたけど
「知ってるよ」の一言でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます