いちにっち
野苺スケスケ
第1話 散歩 一日目
僕は、休暇の時しか家に帰れないので、休暇中は何よりも家族との時間を大切にしている。
家族…特に妻イチと過ごす時間は何よりも楽しい時間なのだ。
僕の妻イチは、年齢に見合わない性格というか、脳内というか…一緒に居てまったく飽きることなくそれどころか毎回新しい発見があり、僕を楽しませてくれるのです。
今回の休暇中、そんな妻イチが珍しく「散歩」なるものを提案してきた。いつもは僕が誘っても、コタツに根を張ったその体はなかなか動こうとはしないのに…まぁこれは僕からしたら嬉しい提案なので喜んで賛成 !
まだまだ寒い一月の街を二人で目的もなく歩きだしました。
40歳目前の夫婦が手を繋いで歩きます。
以前デパートで手を繋いで歩いていると 女子中学生くらいの女の子に「キモ…」て言われた事があります。
まぁ…でしょうね。
とりあえずこの時はその「キモ」が僕にしか聞こえていなかったので良かった。ガラスのハートのイチの耳に入っていたら、一日落ち込んでたと思う。
そんな事は置いといて…僕の肩くらいまでしかないイチと手を繋ぎ歩き続けました。
イチは、慣れない散歩のくせに話す頻度はいつもと変わらずなので、息を切らしながら話します。
いつもはあまり行かない商店街のスーパーや100均で色々な発見があり二人揃ってテンションが上がったのが一番のピーク!
普段買わないおやつを買って帰路につきました。
明日も散歩するそうです。
僕が家にいる時は僕がご飯を作るんです。その間にイチがお風呂を洗ったり、寝たり、ゲームしたりです。
キッチンで料理している最中、イチが、頭の後ろに両手を組んで顔を横に向けしらじらしく口笛を吹きながら、僕の方に近づいて来ました。
「ピューピュー…」
「な…なに?どうした?」
「えっ!?…べ別にお風呂とか洗っただけやけど…」
普段お手伝いしない生意気な少年が照れ隠しでするようなその仕草をまさか自分の奥さんに見せられるとは…
可愛すぎて思わず手を止め抱き締めに行きました。
相変わらず僕のツボを心得てるイチでした。
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