第7話
収容所に入ってかれこれ何日経つだろう。かれこれ二週間といったところだろうか。
ククールは晴れた空を格子窓から眺めた。空を自由に滑空するドラゴンが見えてそれほど退屈ではないのだが、やはりフィンの安否は気になる。
ククールのことを嗅ぎ回って手荒い真似でもされていたらと思うと申し訳が立たない。
そうククールが考えるのには理由があった。
調査すればまあ分かることではあるが、ククールがドラゴニアにやって来た理由は姉の結婚だけではない。
毒竜の密猟。
戦のための大量殺戮兵器をつくる。その片棒を担ぐためにやって来たのだ。バーロンもそのための研究である。
拒否する権利はなかった。そんなことをすれば一族郎党死罪。交遊関係を調べ上げ、友人達まで類が及ぶような脅しかたをしてきたのだから応じるしかない。
とはいえ、本当はやりたくないなどと何をもって証明するのか。
フィンもさぞかし落胆、失望したことだろう。
それを自分から話してしまえば楽だったのだろうが、任務の失敗によりベンという友人達の命が危ぶまれるのであればそれも憚られる。
自分はこの狭い収容所で何をするのが最善か。
日が経つほどに気が重く、溜め息の数も増えていた。
「ククール」
丁度そこへやって来たのはレイだ。ケツァルコアトルを連れている。
「きゅいぃっ!」
そう声を上げながら屋内で翼をバサバサと羽ばたかせた。
愛らしい目で顔を覗かれれば、束の間であろうと口元が綻ぶ。
「おう。元気そうだな」
まだ赤ん坊らしい子ドラゴンに、ククールはそう言って格子の隙間から頭を撫でてやった。
「ありがとな、レイ。いつもこいつ連れて来てくれて」
今度はレイに向かって礼を言うククール。
レイはいつも通りの穏やかな笑みのまま近くに置いてある椅子に座った。
「そろそろ名前くらい決めてあげたら?」
これは来る度にレイに言われていた事だ。
しかしククールは拒否を続けている。
「レイがつけてくれよ。俺そういうのセンスないんだよ」
「ダメだよ。君に一番懐いているんだから。難しく考える必要はないんだし」
そう言われてケツァルコアトルをまじまじ見つめるククール。そうしている間にもケツァルコアトルはきゅいきゅい鳴いている。
「……きゅい助、とか?」
単なる思いつきでそう言ってみるククールであるが、レイが顔を背けて笑っていた。
「センスないって言ったじゃないか!」
ククールは憤慨したが、当のケツァルコアトルは目を輝かせてククールにすり寄ってくる。そして嬉しそうにきゅいきゅい鳴いた。
「…いいんじゃないか?…きゅい助、が気に入ったなら」
確かに。
格子の隙間からもう一度指で頭を撫でてやる。
「きゅい助」
と呼べば、
「きゅいきゅい!」
と鳴く。
可愛いものだ。ならいいやと結論付けて、
「レイ、もう笑うなよ」
とまだ笑っているレイに苦言を呈す。
「ごめん、ごめん。でも少し元気になったみたいだね」
「ん?」
「ククールだよ。溜め息吐いていたじゃないか。まあ収容所に入れられたらムリもないだろうけど」
「ああ…まあ」
そうだった。鬱々とした気持ちが蘇ってしまう。
ましてや、今目の前にいるのはレイ。毒竜に乗るドラゴンナイトだ。
密猟の任務を思いだし、胸が痛む。
「ククール?」
今すぐ詫びてしまおうか。その方が双方のダメージが少ない気がする。
そう思って口を開きかけるが、ベン達の顔が浮かんでしまう。
そう、これはククールだけの問題ではない。
ドラケイオス絡みであればすぐに釈放されると思っていたが、見込みを違えてしまった。
いや、釈放されても本当に毒竜を狩ったりはもうククールにはできない。
このままでもいずれ任務を遂行できず、どうなることか。
ククールの悩みを知るはずもないのだが、レイは口を開きかけたその瞬間を見逃さなかった。
「ククール、話したいことがあるなら話せばいい」
「…うん」
「…君がなにか言いかけたり言い淀んだりするのはなぜかは分からないけれど、言って楽になるくらいは許されるだろ?」
なんとも目敏いものだ、とククールは感心と感謝がない交ぜになる。
いずれにせよ、このまま事態が好転することはないのだ。
そう決心してククールは口を開いた。
「なあ、レイ。今日って何日だっけ。もう
「そう。マイオ六日」
「一週間後の、深夜…アッソロー山脈から南の孤島、アモ島ってあるだろ」
「うん?あそこはドラケイオス領だよ」
「知ってる。そこにバクペイド兵士が来るはずになってる。不法に」
「どういうこと?」
眉を寄せ、不可解といいたげなレイに、ククールは順を追って話した。
バーロンとともに、大量殺戮兵器開発部門から受けた密命のこと。
ククールはそのために毒竜の密猟を行うことを指示されたこと。
定期的に密猟で採取した竜毒をバクペイド兵士に渡す手筈になっていて、その初回が一週間後であること。
命令に背いたら、祖国の親族や友人達の命が危ないこと。
レイは黙って聞いていた。
最後に、ククールは自分やバーロンの気持ちを吐露する。
「けど、本当はさ。そんなことしたくないよ。戦に勝つためってさ、勝ったって国は国民に何もしてくれねえもん。だから、バーロンさんと示し合わせてそんなことしなくて済む方法を考えるはずだったんだ。姉さんは何も知らないわけだし」
なのに、バーロンは死んでしまった。
どうしていいか分からない胸の内を、ククールはさらけ出した。
「信じてもらえるか分からない。けど本当に、バーロンさんは穏やかで優しい人なんだよ。ここのドラゴンを好きになったのは本当なんだと思う。俺だってすぐ好きになったもんな」
ここまで話して、ククールは息を吐く。
レイの反応が怖くて、顔を見られない。
「……うん。話は分かったよ」
ククールの不安に反して、レイはいつもの穏やかな調子でそう頷いた。
「ただ、僕の胸に閉まっておく案件ではなさそうだ。上には報告させてもらうよ」
「…ああ」
「心配しなくていいさ。ドラゴニア国民になった以上、君は騎士団に守られる。友人のことも、どうすれば守れるか考えていこう。話してくれてありがとう」
笑顔さえ見せるレイにククールの心はようやく軽くなったのだった。
窓から外を見れば、大きな白銀の望月。眼下には入れ替わり通る兵士達。
「ダメですね。兵士がたくさんいて、逃げられそうにないです。それに高い」
「バカだな、フィン。外に脱出する時は下じゃなく上に行くんだ。実際、上の方が近い」
「そんなのナデシコさんしかできませんよ」
バクペイド城の一室に軟禁状態のフィン達。既に日が落ち、夜になってもなんの進展もない。
ハゲ大臣、でははくゲルス大臣の言葉通り本当に要求を飲まねば帰さぬようだ。
フィンは時折窓を見て脱出の機を伺ってはみるが、それは不可能な様子。
ナデシコはすぐにでも出てしまいそうではあるが。
そもそも城に入る前に武器を取られている。強行突破はどちらにせよ難しいのだ。
ケンショウは椅子に座って腕を組み、なにか思案しているかと思えばいつの間にか眠っていた。かれこれ二時間近く。
起こした方が良いのか起こさぬ方が良いのか判断できず、結局そのままだ。
どうすれば良いのか。
不安に押し潰されそうで、何度目か分からぬ溜め息をつくフィン。
と、その時ケンショウの目がパチリと開いた。
「ケンショウさん、大丈夫ですか?お疲れのようですが」
フィンがそう声を掛けると、ケンショウは視線をフィンに向ける。
「ああ、それは大丈夫…うぉぉぉあ、首いてえ!」
首を押さえて悶絶するケンショウ。
座ったまま寝たらそりゃそうだろう。
フィンは半ばあきれつつ、ケンショウの首を揉んでやった。
「おい、ケンショウ。腹が減った」
「何言ってるの。もう帰るんだよ」
まるで休日のおでかけのような口調でナデシコに答えるケンショウ。ケンショウにタメ口なのもどうかと思うが、ケンショウ本人が何もいわないのでそこはフィンもスルーする。
夢でも見てその続きだとでも思っているのか。
「?どうやって?」
とフィンには方法が見当もついてない。
「普通に帰ればいいさ。平気平気」
そう言って扉を開けるケンショウだが、出たところにいる兵士達が一斉に剣を向ける。
「ゲルス大臣にお話があるんですが」
兵士には全く怯まずケンショウがそう言うと、兵士の一人が大臣を呼びに行く。
どうするつもりかと、フィンは成り行きを見守るしかない。
やがてゲルス大臣がやって来ると、全員着席する。
「竜毒取引の件、ご了承いただけますか?」
ゲルス大臣がそう切り出し、ケンショウはどう答えるのか、フィンはハラハラしながらケンショウの言葉を待った。
「その前に確認したいことがございます」
「さて、なんでしょう」
「竜毒で大量殺戮兵器を、というお考えの発端は二年前のドラゴン討伐ということでしたが、その計画が二年継続されてきたのにはバーロン・オーガンの報告書のようなものに基づいているのでしょうか」
「そうです。定期的に報告書の提出を義務付けておりました」
「それでは、その報告書を見せていただけませんか。彼がなにか思い違いをしているのではと我々は考えたので」
「見せるのは構いませんが、思い違いとはなんでしょう」
「それは報告書を見てから説明します」
一体思い違いとは何なのか。
フィン達にこそ先に説明してもらいたいが、ケンショウは笑みを浮かべてゲルス大臣が出ていった扉を見据えている。
やがてゲルス大臣が紙の束を持ってやって来た。
それを、ペラペラ捲りながらケンショウは何か考えている。
報告書ならフィンも見てみたいのだが、迂闊なことをするわけにもいかずソワソワするばかり。
その様子に気付いたのか、
「フィンも見ていいよ。ナデシコはどうする?」
そう気を利かせてくれた。ナデシコは
「興味ない」
そうだ。
ケンショウが見終わった報告書からフィンも中を見てみる。
毒属性のドレイク種について細かく書かれていて、フィンが見る限り間違いはない。とはいえ、フィンの専門は氷竜なので気づかないのかもしれないが。
わずか二年に渡って考察した内容は膨大でバーロンの勤勉さを物語っている気さえした。
ならばケンショウは何がしたいのか。
一通り目を通した後で、ケンショウが口を開いた。
「思った通りでした。思い違いというより、単純に知らなかったのかもしれませんが」
「はて?」
どういうことか分からないのはフィンも同じ。ゲルス大臣も怪訝そうに目を細めた。
「彼が研究してきたのは生きているドラゴン、ドレイク種の毒性についてですね。素晴らしい内容です。しかし、実際あなた方が手に入れようとしたのは殺したドラゴンの毒。それではバクペイドに持ち帰るまでに毒性は失われます」
「そうなのか?!」
声を上げるゲルス大臣。ケンショウの手に持っている報告書をひったくり、目を滑らせる。
「はい。生きていても、体の外に出た毒は時間の経過とともに毒性は低下します。拡散するのとは別に。ということを私も先ほどこの彼に聞いたのですが、そのことの記述が報告書にはありません。やはり知らなかったのでしょう」
この彼、で視線を送られたフィンは驚く。毒竜の毒についてケンショウが語ったことは『そうらしい』という程度の認識であり、目下研究中の分野である。レイなら詳しいのだろうが、フィンにはそう断定できるものではない。大体、毒性は下がるらしいが、そんなに急だったか。フィンの頭はフル回転で考える。
しかしケンショウには考えがあるのだろう。下手なことは言わず、頷いておいた。
「まさか。では兵器を作るのにはどうすればよいというのだ?」
「ドレイク種の毒では不向きなのですよ。彼らにとってはその場の敵を倒すための武器にすぎないのですから」
「では兵器に使えるドラゴンの種はなんだ?実際、二年前のドラゴンの毒は今も森林を侵しているんだぞ?」
「さあ。竜毒から兵器を作るという発想すら我々は持ちませんので。二年前に討伐対象となった毒属性ワーム種はドラゴニアではほぼみませんし」
「……」
「私から言えるのは、さらなる研究を要する、というところでしょうね。密猟から竜毒を得るのは効率が悪すぎる」
「むむぅ……」
「それを踏まえて、逆にお聞きしますが。バーロンの報告書の竜毒、必要ですか?まあ一度くらいなら採取してあげてもよろしいのですが」
「……」
結局、取引は白紙となり、ククールへの帰国命令を出すのみに至ったのだった。
ドレイク種の竜毒は意味なし、なら密猟も撤回。
密猟の必要ないのならククールは大事な戦力だから戻ってこいというわけだ。
ちなみにバーロンの両親も無事に無罪放免。
そういうことに相成ったわけであるが、フィンの心は釈然としない。
「ケンショウさん、ククールを本当に帰すんですか?」
帰りの船の上でフィンはケンショウにそう尋ねた。
「それは今俺達が決めることじゃない」
ケンショウは淡々と答える。
「ククールが帰ると言ったら、止める?」
そう言われて、フィンは何も言えなくなった。
決めるのはククールだ。それは分かっている。
ドラゴニアにおいて、容疑が晴れたのだから素直に喜べばいい。
なのにそれができないのは、フィンの中でククールは既に親友と捉えているから。
そんなフィンに、ケンショウは今度は優しく声をかける。
「逆にね。ククールが帰りたくないっていえば、国は全力で彼を守るよ」
ケンショウがフィンの頭を撫でた。
「帰ったって、帰らなくたって、君達が親友であることに変わりはない。そうだろ?」
ケンショウの言葉が優しい。
しかし、親友だと思っているのは自分だけではないのか、そんな一抹の不安も頭の片隅にあった。
「大丈夫」
にかっと笑って、ケンショウは手を離す。
何が大丈夫なのかはっきりと語らないケンショウ。
それでも、この人がそう言ってくれるのなら、本当に大丈夫な気がした。
「おい、いつまで外にいる。飯だ。財布、早く来い」
そう言って食事を急かすのはナデシコだ。
「今、俺のこと財布って呼んだ?」
国の高官なのだから、そこはもっと怒ってよいのに、ケンショウはただ眉を寄せているだけ。
そしてフィンに耳打ちする。
「ごめん。手持ちがなくなりそう。経費で落ちるはずだから、足らなかったら貸して」
怒るよりもむしろ、本気で困ってそうなケンショウの声にフィンは思わず笑ってしまうのだった。
夜。じめりと湿った空気は雨上がりで、目にはハッキリと見えねど雲が厚く頭上を覆っている。
黒い毒竜、もとは緑色の表皮と鱗は動物の血肉を与えたことで黒っぽく変化した。
ファルクスは自分で育てた毒竜K40号に跨がり、アッソロー山脈南の海を飛ぶ。
海竜と呼ばれる種を除いて、ドラゴンは海を嫌う傾向にある。
海上を飛べるようになるまでに苦労したものだ。
アモ島という、今は人の住まなくなった孤島は海上を飛ぶ訓練に時折使っている。K40号は気分屋。海の上を飛ぶ訓練も難儀したが、一つヤマを越えれば難なく飛べるようになった。
成長とは違うのだろうが、その変化をファルクスは嬉しく思う。教えればそれだけ応えてくれる、人間より素直ではるかに付き合いやすいではないか。
ここ最近はゲスバーディの死によって風当たりは一層強い。
殺したのはファルクスであるし、扱いが悪くなることは承知の上。勝手にドラゴンを乗り回したり放したり、あまつさえ死なせたのだから極刑は当然。それくらいには思っている。
だから、一人と一頭で夜の散歩に出るのは気分が落ち着いた。こんな時は鎧も兜もいらない。ドラゴンに乗って切る風が心地よいからだ。それに、ドラゴンに喰われるならそれでも構わない。
星も月も見えないが、アモ島の影が見えてくる。
そこで、船が止まっていることにも気が付いた。
人はいないはず。
近くに寄っても間違いないく、小型の船である。
どこぞの者の不法入国か、と考えるや聞こえたのは人の悲鳴。
声の方を見れば男が二人。腰を抜かして震えていた。
「お、お前…っ!ククール・レンカンだな?!」
男の一人がそう言うが、ファルクスにはなんのことだかさっぱりだ。
K40号が吠えると、一層男達は竦み上がった。
「ククール!は、はやく竜毒を渡せ!」
「なぜドラゴンごと持ってくるんだ?!話が違う!!」
ファルクスと誰かを勘違いしているらしいことは察する。
「なんのことだか分からないが、早く去った方がいい。口枷をはめていない、喰われるぞ」
「?!」
K40号が男達に向かってゆっくり進むと、男達は半泣きになりながら走り始めた。
「ククール!お前、ただじゃすまねえぞ!分かってんのか?!」
走りながら喚く男。
「だから、俺にはなんのことだか分からない。ククールとは誰だ」
冷静に、K40号が食いつかぬようファルクスは手綱を引く。
「何言ってやがる!テメエがククールだろうが!その顔で間違いねえ!!」
「知らないと言っている。それと、喚かずに急いだ方がいい。大声を出す奴をコイツは喰う」
「あぁ?!んだとこら!」
怯えているのに威圧的な態度。
気に入らない奴らだ、とファルクスが思った瞬間。
K40号が男の一人に食らい付いた。
悲鳴が上がる。
ファルクスは手綱を力いっぱいに引くがK40号の力をコントロールするのは難しくもう一人も呆気なく喰ってしまった。
骨を砕く顎の振動が伝わってくる。
「…ま、いいか」
結局どこの誰かは分からず、ククールというのも誰か分からず終い。
けれど不法入国する方が悪い。
K40号から降りて、小舟を検分する。
やはり国など、身元のヒントになるようなものはなかった。
K40号のうなり声が聞こえる。何かに怒っているような、そんな声だ。彼の光った眼を見て、そっと鼻先を撫でる。長く大きな牙は人々に恐怖心を抱かせるだろう。粗い呼気には毒が含まれているとなればなおさら。
ファルクスはそれでも、彼らドラゴンに愛情を注ぐ。
ドラケイオスにあっては、ドラゴンは兵器。つまり道具。ファルクスもまた、皇子という道具に過ぎないのだから。
第二回の審議の日がやってきた。
つまりフィン達が帰って来たということになる。
フィンが、王がどのような結論を出したのかはまだ分からない。
後ろめたいことがあるククールは緊張した面持ちで、審議の間へと入室した。
インティアナは既に来ていて、いくらか痩せた印象を受ける。
すぐにぞろぞろと関係者が集まり、パトラ=シード王やフィン、レイといった顔ぶれがククールを見つめた。
一回目と同じくダグダーラムが取り仕切るらしい。
何やら挨拶を述べると、すぐに発言は小柄で若い男性に移った。
彼はククールに一礼して、口を開く。
「フィン・ジューロイおよび、ナデシコ・ニッタと共にバクペイド調査を行いました、ケンショウ・リクと申します。結論を先に述べますと、ククール・レンカンがドラケイオスのスパイではありえないことと、そのほかドラゴニアの脅威にはなりえないことを報告致します」
ケンショウという男が放った言葉に周囲はざわついた。
チラリと姉を見れば、明らかに安堵の表情。
「その根拠でありますが、ククール・レンカンがバクペイドの生まれと育ちであることと、インティアナ・レンカンと二人姉弟であることに間違いはありませんでした。バクペイドでは双子や三つ子の多胎が許されない法律であることも確認済みです。つまり、ドラケイオスのファルクスという男とはなんの関係性もありません」
よかった。行けば間違いなく分かることではあるのだが、漠然とした不安はずっと感じていたからだ。
しかし、レイには密猟の話を打ち明けてある。それはどう判断されたのだろう。
ククールは心臓の鼓動が速まるのを感じながら、次の言葉を待った。
「しかし、バクペイドで新たな情報が入りました。軍用の兵器開発のためバーロンは毒竜の調査を、ククールは毒竜の密猟を、それぞれバクペイド王から指示されたという事実です。間違いないですね?」
「…はい」
密猟というワードに再びざわつく室内。視線が痛いように伝わって来る。インティアナも目を丸くしていた。姉も知らなかったのだから当然だ。
そしてパトラ王が口を開く。
「バーロンが国の機密事項を漏らしていた事実は?」
「ありません。我が国の機密事項といえば騎士団の編成名簿、戦力に関するものが該当しますが、彼が報告していたのは毒竜の生態に関することのみ。問題ありません」
「ならよかった」
国王が安堵の表情を浮かべる。
良かったのはククールも同じ。心のどこかででっち上げの類いを心配していたのだが、杞憂だったようだ。
ケンショウは先を続ける。
「バクペイドのヌトロス王および、ゲルス大臣との交渉の結果、ククールへの密猟の指示を取り下げてもらいました。これによりククールがドラゴンの密猟を犯す必要もなくなったのです」
ケンショウの言葉に、伏せがちだったククールの顔が上がる。
まさか、そんなばかな。という思いが強い。
どういう理由をつけて交渉したのか。
訳は分からないが、その命令がなくなったというのならククールは素直に安堵した。
しかし、続けられた言葉に再び動揺することになる。
「その代わり、ククール・レンカンには帰国命令が発令されました」
帰ればククールは戦のための戦力。
祖国に暮らすときはそのことに特に不満も持っていなかったのだが、ドラゴニアに来てからは意識が変わっていた。
「ククール・レンカンにお聞きしたい。この命令に従うか、否か」
帰るべきだ、それは分かっている。帰りたい、とも帰りたくないともククールは即答できなかった。
「期限は二ヶ月後だって。考える時間はあるよ」
国王に優しい言葉を掛けられる。国王は続いて頭を下げたものだからククールは驚いた。
「申し訳ない。長いこと収容所に入れて」
一国の王が頭を下げるなんてククールにとっては青天の霹靂だ。
「さて、ククールにインティアナ。何か言いたいこと、聞きたいことはあるかい?あぁ、できれば恨み言以外で」
頭を上げた国王はそう言うが、ククールとしては何も言うことはない。
しかし挙手した者がいる。長身の女性、ナデシコだ。
「ナデシコ、どうした?」
「ケンショウ殿。フィンと約束していただろう。ククールが潔白だったら土下座すると」
国王を前にして彼女はしれっとそう言った。
フィンを見れば冷や汗が垂れている。一体どういう約束をしてきたのか。
「そうだったそうだった」
ケンショウもケンショウで、ゆっくりククール達の前に出ると両手を床につき、恭しく頭を垂れた。さらには国王までケンショウに倣う。
「すみませんでした」
二人の声にククールは居心地が悪くなる。
他の者の顔は唖然としていて、室内は静まり返る。
「…はいっ!大丈夫です、ホントに」
充分すぎる謝罪にククールの心臓が持たない。しかしなおもナデシコは。
「アガカラス騎兵隊長殿。何を空気になってらっしゃる。あなたは一発殴られるがよろしい」
アガカラスをゆび指したのだ。
「な、何故私がっ?!」
「一番声高にドラケイオスのスパイなどと喚いていたのは貴方だ。忘れたのか?」
「……っ」
汗をだらだら垂らすアガカラスが哀れになるククール。
なので、
「あの、いいです、そんなことまでしなくて!」
と制止する。
「遠慮するなククール。拳でフルスイングしていいんだぞ」
「しなくていいですってば!」
結局ほかの皆がナデシコを宥めてくれて、ようやく審議会は終わったのである。
晴れて無罪放免となったらしいククールとインティアナに、シェイラから食事会の誘いがあった。
シェイラの家に向かうと既にテーブルいっぱいの料理が並んでいる。
「出られて本当に良かったー!」
アンミールがそう言って、涙を滲ませながらシェイラを手伝っていた。
「何回も来てくれてありがとう」
インティアナもそう目を潤ませる。頻繁に姉に会ってくれていたのだと知ってククールも嬉しくなる。
ククールの方へはレイがよく来てくれていて、時折レイがディアンも連れて来てくれた。ディアンは実は脚が悪いらしく、それでも地下街から地上の城近くの収容所までわざわざ来てくれたのだからありがたい。
そのディアンとフィンはまだ来ていないのだが、シェイラの飯に飢えていたククールの腹が鳴ってしまった。
この上なく気まずいが、
「部屋にはいるはずだから、三人を呼んでくるね」
とアンミールが笑いながら部屋を出た。
三人?
フィンにディアンと?などと考えていると、
「ほらほら、ククールとインティアナは座ってな!インティアナはお酒大丈夫かい?」
シェイラに急かされて座れば、今度は酒という言葉。
「あ、はい。大好きです」
インティアナがそう答えている。
そしてククールも、
「俺も大好きです!」
そうアピールした。
しかし。
「何言ってんだい!ククールは十八だろ?飲んじゃいけないよ!」
「えぇ?!なんで?!」
バクペイドでは酒の解禁は十六。
ドラゴニアではどうやら違うらしい。
「お酒は二十歳になってから!バクペイドではどうだったか知らないけどね」
「…あと二年も飲めねえのか…」
シェイラの料理が美味い分、酒も進むに違いない。グラスにシャンパンを注がれている姉をククールは恨めしく眺めた。
そして気付く。あと二年、自分はドラゴニアにいるのかと。一瞬でもそのつもりになったことにククール自身困惑した。
するとすぐに玄関が開いて人の声。
アンミール達だ。
「お待たせー!」
アンミールの明るい声に続いて、ディアン、フィンの順に後に続いていた。そして、最後に顔を出したのは、
「おぉ、シャンパン!」
と言って目を輝かせた長身、金髪のイケメン。ラッドだ。
そういえばアンミール達とは兄弟なのだからシェイラに招かれるのも当然だ。
しかし、シェイラの叱責が彼に飛ぶ。
「ラッドは飲んじゃダメだろ!アンちゃんからまだ飲酒禁止だって聞いてるよ!」
「いや、ケガも竜毒ももう大丈夫だって!」
「お医者様から許可が出なきゃ、酒を飲ませる訳にはいかないよ!いい大人だったら我慢しな!」
「……はい」
シェイラには彼も弱いらしく、渋々冷茶を受け取っている。
ククールが収容所にいる間にラッドのケガも良くなったらしく、安心するククール。
とりあえず今晩のところは同じ酒我慢組だ。
というのはともかくとして、実はまだラッドと話をしたことがなく、ククールはやや緊張した。
「さて、じゃ揃ったかね。インティアナにククール、よく頑張ったね。フィンは長旅お疲れ様。さ、召し上がれ!たくさん食べな」
「いただきます!」
収容所の食事は味は悪くなかったが全体的に薄味で、量も少なかった。
シェイラの、素材の味を尊重しつつもそれに負けない味付けはやはり絶品で、まずは満腹を目指してククールは箸を進める。
聞こえてくるのはシェイラとインティアナの会話。
「収容所じゃ食事は粗末なもんなんだろ?」
「そうですね。でも、人が食べられるものが出るだけマシですよ。バクペイドの収容所なんて、飲食店の残飯とか、家畜用のエサが出されるって噂ですし」
「そうなのかい?それはひどいねえ」
「人権とか、そういうのがちゃんと守られるのって、上流階級の一部の人だけなんですよ、あの国」
その会話に突如、憤慨しながら乱入するのはアンミール。
「そんなのひどい!戦ばっかりっていうけど、軍事よりもまず内事をちゃんと整えないと。戦争が終わった時に、何も残らなくなっちゃうじゃない。皺寄せがいくのは一般市民なのに」
「それでも私達が住んでた所はましなほうよ。みんな情に篤かったし、近所の人も仲良しだったから」
「…そうなの?もっとひどい所もあるってこと?」
「バーロンの家の方とか、ひどいわ。近所の人とか挨拶もしないの。憲兵が怖くてピリピリしてるのよ」
バーロンの名前が出たところで、会話に加わるのがもう一人。
「あぁ。確かに、じろじろ見られるっていうよりも睨まれる感じ」
バクペイドに行っていたフィンだ。
彼はこうも続ける。
「いつでも武器を向けられるんだぞっていう素振りをしてくる兵士もいた。なんだあれ、憲兵?」
「憲兵だろうな。フィンの場合金髪が悪目立ちしちゃったのかも」
バーロンの故郷、アルセ市G地区はククールも何度か訪れた場所であるが、その時のことを思い出してククールはそう分析した。
「それだけで敵認定かよ」
「そういうお国柄。なんか悪かったな」
眉を寄せて愚痴るフィンに、ククールは申し訳ない気持ちになって謝罪を口にする。
「ん」
フィンはこれだけ言って、あとはドリアを食すのに集中したようだった。
すると、ラッドが突然立ち上がった。
「あの……バーロンを守れなくて、すみませんでした!!」
話を聞いていたのかタイミングを窺っていたのか、彼はそのままインティアナに向かって頭を下げる。
突然のことで、姉もただ茫然としていた。
「ラッド…さん、ええと、顔を上げてください」
インティアナの代わりに、なんとかそれだけ伝えるククール。
バーロンのことはラッドが謝るようなことではない。仕方のなかったことだ。
「…バーロンのことは、事故に遭ったのだと思っています。ラッドさんが気に病むことではないです」
驚いていたインティアナもそう声を絞り出すも、ラッドはなおも悲痛な声を出した。
「けれど、俺はバーロンの首をっ…」
「兄さん!!」
制止したのはフィンだ。首を横に振っている。
言うな、なのか、言わなくていい、なのか。それとも、言うべきじゃない、か。
いずれにしても、ラッドはそれ以降口を噤んでしまった。
ククールがディアンの顔を見ると、なんのことかわからないといったジェスチャー。
空気を変えてくれたのはシェイラだった。
「ほらほら、そんな顔してたらバーロンが悲しむよ!笑顔笑顔!!せっかくのタンシチューが冷めちまう!」
呼応するように、ディアンがシチューの大きなタンに齧り付く。
「おぉ!やわらかい!!」
「だろ?自信作さ」
そんな和やかなシェイラとディアンの会話の陰で、
「ラッドさん。本当に気にしないでください。シェイラさんの言う通り、バーロンが悲しみます」
そうインティアナがラッドに笑顔を向ける。
「ありがとう、ございます」
ようやく、ラッドは安心したような面持ちになったのだが、そのままテーブルを離れてしまう。
「ラッド?どこ行くんだい?」
そう尋ねるシェイラに、
「すみません、ちょっと一服」
ときまり悪そうなラッド。
「何いってんだい!禁酒なら禁煙もしなきゃダメだろう?!」
「いや、たばこは止められてないんですけど?!アンミール!」
止めるシェイラはラッドの手から煙草を奪おうとする。
ラッドはアンミールに同意を求めるも、
「私は常々お兄ちゃんのたばこには反対ですぅ」
と無下にされてしまうのだった。
和やかな雰囲気に戻ったところで、フィンが肘で小突いて来る。
「ククールさ、聞いたか?アモ島のこと」
「いいや?……気にはなってたんだけど」
アモ島はドラケイオス領の小島。竜毒を渡す手筈になっていたところだ。
バクペイド兵はどうしたのか。ドラゴニアの方で話をつけてくれたのかとククールは思っていたのだが。
「それがさ、いないらしいんだよ。誰も」
「いない?帰った?」
「小舟だけが留まっていて、それが動く気配がない。ドラケイオス領だから上陸して調査できないんだけど。ちょっとおかしいなって」
そう話すククールとフィンの会話に入って来たのはディアン。
「海渡れるんだろ?ドラゴンに喰われたんじゃねえの?」
だとしても自業自得だと言い添えて、ディアンはシチューをおかわりしている。
真偽のほどは分からないが、思考は甘いアップルパイの匂いでストップするククールであった。
「では引き続き、ニリのことを頼んだぞ」
「…はい、父上。失礼します」
父の部屋を出て、ファルクスは長い回廊をニリと歩き始めた。
養父である皇帝の容態がいよいよ悪く、先ほどニリと共に見舞ったばかり。
養子ではあるものの、相変わらず父の関心はファルクスの兄のニリにばかり向いている。
「ファウ、ファウ!お菓子!」
隣で舌足らずにファルクスを呼び、菓子をねだるのがニリだ。
幼子のような行動と言動であるが、視線はファルクスより高い位置にある。
ファルクスは腕を伸ばしてニリの頭を撫で、
「お菓子ではなく果物にしましょう」
と言ってやる。
ニリは頬を膨らませるも、
「苺がたくさんありましたから」
と言えば目は輝いた。
そのまま厨房に立ち寄って係の者に苺をもらい、ニリの部屋に入る。
「さあ、ニリ様。それを食べたらお勉強の時間ですよ」
兄のニリをファルクスは様をつけて呼ぶ。兄と呼ぶことは許されていないからだ。
皇帝の継承権もニリと、皇帝の弟の親子にしかなく、冷遇を受ける日々。
素直なニリやドラゴンを相手にしていれば、嫌な腹の探りあいをせずには済むので今はわずかな憩いの時だ。
「ファウ!遊ぶ!」
「ダメですよ。勉強はニリ様に必要なものです」
「や――っ!」
体格は成人男性よりも大きいニリ。駄々をこねられると手がつけられないことも多い。その事でニリとの関わりを避けたがる連中もいるが、逆に取り入って出世しようとする輩も後を絶たない。
ニリ本人はどう思っているか分からないが、それも気の毒といえば気の毒だが、ファルクスより恵まれているのは事実だろう。
「ニリ様、では先生がいらっしゃるまで少し遊びましょうか」
ファルクスがそう言えば、ニリは満面の笑み。ドラケイオスで唯一、ファルクスに向けられる笑顔だ。
ニリを守り、国を支える。それだけがファルクスに与えられた役目。
ニリは急いで苺を食べ終えると、すぐさま色とりどりの折り紙を持ってきた。
請われるまま、丁寧に花を折っていく。喜んで笑ってくれるニリに、ファルクスも笑顔を向けた。
やがてドアがノックされ、ニリの家庭教師がやって来る。
ニリは不満そうに頬を膨らませるが、渋々机へと向かった。
「ニリ様。終わったらまた遊びましょう」
そう言うとファルクスは教師にも一礼してニリの部屋を後にした。
さてこれからドラゴン達の元へ行って様子を見なければ。掃除、食事を見回った頃にはまたニリの元へ戻り、夕食を共にしたらまたドラゴンの見回り。
やることが多いが、時間がいくらかあっても足りないと感じるのはいよいよドラゴニア侵攻が現実味を帯びてきたからかもしれない。
先ほどの見舞いで、皇帝はしびれを切らした。
ドラゴニアを落とせ。早く落とせ。
そう呟いた目は爛々と光り、病床にいるとは思えぬ覇気を纏っていた。
それを思いだし、密かに溜め息を吐く。
すると、歩いていた回廊の前方にゲルリオの姿。
腕を組んで背中を壁にもたれた格好でこちらを見ていた。
「よお」
そう言って来たのでファルクスは丁寧に頭を下げる。
あまり関わりたくない。
なので足早に通り過ぎようとした。
しかしすれ違い様に腕を掴まれ、小さな声でゲルリオは信じられない言葉を口にする。
「ゲスバーディ殺したの、お前だって?」
「……いや。既に粛清されていた」
もちろん認める訳にもいかない。
ドラケイオスの人間が知るはずないのだ。カマを掛けられているだけならば余計な言葉は言わぬに限る。
しかしゲルリオも納得しない。腕を掴んだまま、続けた。
「嘘言うなよ。テメエが首を掻き斬ったの知ってんだぜ?」
ゲルリオはゲスバーディと仲が良かった。なのに、その死についてニタニタと下卑た薄ら笑いを浮かべるゲルリオにファルクスは嫌悪感を増幅させる。
「知らない。殺してない。だから離せ」
睨み付けるファルクスに怖じ気付いたらしく、ゲルリオはようやく腕を離した。
下卑た笑いはそのまま、
「なぁ、ゲスバーディを殺したってバラされたくねえだろ?」
としつこい。
「殺してないと言っている」
目を合わせずに、ファルクスはそう言う。
だがゲルリオは尚も笑った。
「誰がそれを信じるんだ?」
ファルクスの心臓がどきりと鳴る。
「お前、この国じゃ嫌われもんなんだぜ?人殺しでいてくれたほうが、都合の良い奴ばっかなんだよ」
確かにその通りだ。
ゲルリオがそうだといえばそれが真実となってしまう。
ファルクスは仕方なく、ゲルリオに目を合わせた。
「だからよ。俺の言うこと聞けよ」
顔を近づけて凄むゲルリオ。
「なんだ?」
負けずに睨むファルクス。
「ドラゴニアの侵攻のとき、一番強いドラゴンに乗せろよ」
「…分かった」
冗談じゃない。というのが本音だが、断ればそれはそれで面倒だ。
「一番ドラゴニア人を殺しまくって、報奨を得るのはお前じゃねえ。この俺様だ」
ゲルリオのクズ発言にファルクスは眉を寄せる。
ドラゴニアを落とせということと、殺しまくれということはイコールではない。
血肉を与えて育てたドラゴンだが、ドラゴニア人とはいえなんの罪もない民間人を死なせることは避けたいとファルクスは考えていたのだ。
何も答えないファルクスをゲルリオは乱暴に突き飛ばし、顔に唾を吐く。
「じゃ、頼んだぜ」
袖で唾を拭って、去っていくゲルリオの後ろ姿を睨むファルクス。
殺意さえ芽生えるも、感情を圧し殺してファルクスはドラゴン達の元へと駆けたのだった。
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