第3話 初見秦 3

趙氏,中央之國也,雜民所居也,其民輕而難用也。號令不治,賞罰不信,地形不便,下不能盡其民力。彼固亡國之形也,而不憂民萌,悉其士民軍於長平之下,以爭韓上黨。大王以詔破之,拔武安。當是時也,趙氏上下不相親也,貴賤不相信也。然則邯鄲不守。拔邯鄲,筦山東河間,引軍而去,西攻修武,踰羊腸,降代、上黨。代三十六縣,上黨十七縣,不用一領甲,不苦一士民,此皆秦有也。代、上黨不戰而畢為秦矣,東陽、河外不戰而畢反為齊矣,中山、呼沲以北不戰而畢為燕矣。然則是趙舉,趙舉則韓亡,韓亡則荊、魏不能獨立,荊、魏不能獨立,則是一舉而壞韓、蠹魏、挾荊,東以弱齊、燕,決白馬之口以沃魏氏,是一舉而三晉亡,從者敗也。大王垂拱以須之,天下編隨而服矣,霸王之名可成。而謀臣不為,引軍而退,復與趙氏為和。夫以大王之明,秦兵之強,棄霸王之業,地曾不可得,乃取欺於亡國,是謀臣之拙也。且夫趙當亡而不亡,秦當霸而不霸,天下固以量秦之謀臣一矣。乃復悉士卒以攻邯鄲,不能拔也,棄甲負弩,戰竦而卻,天下固已量秦力二矣。軍乃引而退,并於李下,大王又并軍而至,與戰不能剋之也,又不能反,軍罷而去,天下固量秦力三矣。內者量吾謀臣,外者極吾兵力。由是觀之,臣以為天下之從,幾不難矣。內者,吾甲兵頓,士民病,蓄積索,田疇荒,囷倉虛。外者,天下皆比意甚固。願大王有以慮之也。



 ここは趙を攻めたときの話。趙の首都邯鄲の近くにまで迫ったのに、あんたの国はここでも軍を引いたよなぁ! 趙滅ぼせりゃ天下統一がなったようなもんだってのに、なに欺かれて軍引き返してんだよあんたの国ァ! と言ったことが書かれている。


 ……のだが、この辺が戦国策にはない。となると戦国策そのものではないのか。岩波韓非子ではここでの話を長平のこととしている。長平は張儀の数十年後のことだから、そうするとこの辺を「韓非子の言葉」として付け加えたのかも知れませんわね。ともあれ「あんたの国の大臣たちはマジで無能だ! この俺の策を採用すれば天下統一待ったなしだっつーの!」アピールのための言説が続いているようです。


 うん、やっぱりいわゆる「前書き」のようですね。

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