第14話 夏休み開幕
7月某日。
期末テストも終わり、終業式に出ていた。
一ヶ月早かったな。
咲夜とサトルが付き合ったかと思えばいつの間にか咲夜を通じてサトルと真昼も仲良くなってるし、気付けば夏休みだよ。
「あ〜であるからして、我が校の生徒諸君には〜」
「相変わらず校長は話が長いね」
「そうだな、まあどこの学校もそうなんだろ」
「ユウは夏休み予定ある?」
「いや特には」
「ならお泊りしていい?お金は払うから」
「いやいや、そんなお母さんに出してもらってまで泊まろうとするなよ…たまに来るなら別にいいからさ」
「ううん、自分のお小遣いだよ?」
「なら尚更駄目だ。夏休み一緒に遊ぶ時に無いと困るだろ?」
「う〜ん…わかった。」
「とりあえず、夏休みなんだしグータラしたい」
「ダメダメじゃん!ちゃんとしないと駄目だよ?咲夜もサトルくんにしっかりしろって怒ってたし男の子はみんなそうなのかな?」
「あーサトルも彼女と毎日遊べるとか言ってはしゃいでたからなぁ」
「サトルくん付き合った次の日とか気持ち悪いくらいはしゃいでたよね」
はっちゃけっぷりでいえば真昼もいい勝負だぞ、と喉元まで出かけてつい言いそうになったがなんとかこらえた。
「とりあえず俺は明日は寝る。ほんとにテスト勉強疲れたんだよ寝かせてくれ。」
「仕方ないなあ…」
−−−−−−
次の日。
惰眠を貪って気持ちよく寝て、起きるともう時計は15時を回っていた。
流石に寝すぎたな…でも寝て損することは無いしもう一度寝るか…
宿題は明日からだ。明日から本気出す。
俺の意思は固い。絶対に明日からやるぞ
−−−−−−
更に次の日。
あー、まだ起きるのだるいな…眠いし寝るか…明日から頑張ろう。
−−−−−−
更にその次の日。
サトルから借りた準新作のアクションゲームをプレイしていたら気付けば深夜になっていた。
めっちゃ面白かったな、続き気になるけど眠いし明日やろう。
−−−−−−
一週間後。
クリアした…めっちゃ感動してる。まさかあのヒロインがあんな結末になるなんて…
熱中して気付けば日付が変わりそうな時間になっていた。
そろそろ宿題しようとしてたけどこの余韻を捨てたら駄目だな。うん。明日からやろう。
−−−−−−
すっかり駄目人間が板に付いてきた次の日、チャイムの音で目が覚めた。
「ユウおはよう!元気だった?」
「ちょっと寝不足かな」
「寝れないようなことがあったの?」
「サトルに借りたゲームしてた」
「そうなんだ、私は目一杯ユウと遊ぶ為に宿題終わらせたよ!ユウはどこまでやった?」
「いやまだ手を付けてない」
「早く終わらせないとユウと遊べないじゃん!じゃあ横で見といてあげる!終わらせたらご褒美にハグしてあげるからね?」
−−−−−−
19時頃。
「とりあえずほとんど終わったわありがとう真昼」
「どういたしまして!ねえ、プールはいつ行くの?」
「来週末かな多分、サトルがそんなこと言ってた。」
「わかった、楽しみだなあユウとプール♪」
「あの水着着るのか?」
「もちろん!ユウが選んでくれたからね」
「また見れるのを楽しみにしとくよ」
「ねえユウ、ワガママ言っていい?私ユウから離れたくない。今日一緒に寝ていい?」
「いいけど着替えどうするの?」
「それはもう棚に入れてるから大丈夫だよ?」
「は?」
なんで俺の家の棚に真昼の服が入ってるんだ?
なんで真昼は当たり前そうな顔なんだ?
そもそもいつの間に入れたんだ?
なんで俺の棚の空いてる場所知ってるんだ?
言いたいことは色々あったが聞くのが怖いので言わない事にした。
−−−−−−
夕食後。
「じゃあ風呂入ってこいよ」
「わかった!見てもいいけど覗いちゃ駄目だよ?見たいなら先に言ってね?恥ずかしいから」
「覗くか!」
なんてやり取りをしてる間に真昼は浴室に入り、そのうち浴室からシャワーの音が響きだした。
よくよく考えたら洗濯以外の家事はちょいちょい真昼がしてくれてたから、たまたま見つけたとかなら棚の把握はおかしくはない…のか?
今のうちに俺の家に何が置かれてるのか把握しとくか…
ブラジャーデカいな。さすが俺の真昼だ。
パンツ際どいな。さすが俺の真昼だ。
いやこの流れは良くないな…俺は下着を見たいわけじゃない、履いてるところが見たいんだ。
じゃなくて!…俺は…そう、何があるかの探しものをしてたんだ。
−−−−−−
一通り探したけどとりあえず着替えと月の日のアレ用のやつと洗面用品だけっぽいな…
「あがったよ!ユウどうぞ」
「ああ、入ってくる」
さて、今のうちにユウの部屋にお邪魔しよっと。
ユウの匂いに包まれてるこの部屋が大好き。
出来ればこの部屋に住みたい。将来的にそうするつもりだけど。
ユウと出会って数ヶ月、楽しいことばっかりだった。
時々ユウの家に遊びに来て、部屋で知らないものを見つける度に思う。私の知らないユウが12年もあったんだと。
ユウともっと早く出会いたかった。そうすれば小さい時に結婚の約束とかしてたかもしれない。
まあ約束してなくても結婚するつもりだから関係無いけど。
−−−−−−
「ふーいい湯だった」
「じゃあ耳掃除してあげる、ほらおいで」
「じゃあ遠慮なく」
真昼の膝枕と耳掃除を堪能したあとテレビを見ながらイチャイチャして、眠くなってきたのでベッドに二人で並んで入った。
「結局お前が持ってきた布団使わないのか」
「今日はギュってしてほしいの。」
「真昼は甘えん坊だな、ほらおいで」
「うん…」
やがて規則正しい寝息が真昼から聞こえてきた。
ベッドから抜けて布団で寝ようとすると、寝ぼけた真昼が足を絡めてきて脱出不可能になった。
どうしてこいつはイチイチやる事が官能的なんだ…
柔らかい感触に必死に耐えながら俺は寝た。
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