第13話 プレゼント選び
金曜まで続いたテストが終わり、もう気付けば6月に入っていた。
テスト結果知りたいけど知りたくない、この気持ちはなんだろう…?まさか恋?
なんて馬鹿な事を考えていると、玄関のチャイムが鳴った。
真昼かな?
「う〜っす!優遊ぼうぜ!」
「朝から元気だなサトル…サトルはテストどうだった?」
「ばっちりよ!咲夜ちゃんに報告したら嬉しそうな顔してた」
「それはよかったな。今日はどうした?」
「そうそう、それでなんだけど咲夜ちゃんにお礼のプレゼントしたいんだよね」
「あー、なるほど」
「だから一緒に行かね?サプライズしたいし」
「いいぞ、何買うのか決めてるのか?」
「う〜ん、何も決めてないけどとりあえずイーオン行ってみればわかるっしょ!」
「俺も真昼にお返ししたいしいいぞ」
−−−−−−
イーオン。
「さて、どうする?真昼とはこの前水着とか買ったんだよ」
「俺もまだお金無いかあ…じゃあ手紙書くとかどう?ロマンチックじゃね?」
「いいけどお前咲夜と付き合ってるのか?」
「そこなんだよね…」
「あんまり無責任な事を言うと駄目とは思うけど…多分咲夜もかなり脈アリだと思うぞ」
「マジ!?ならラブレターっぽいの探すか!」
「サトルとキャラ真逆だろ…」
「そこはギャップってやつよ」
「まあ一理あるな」
−−−−−−
「なかなか良いの買えたんじゃないか?」
「わかる!我ながらセンスあるわ!でさ、相談なんだけど…」
「ん?相談?」
「ダブルデートしない?そこで告ろうと思ってる」
「いいけど俺そんな金無いぞ?」
「まあそれもそうだよな…ん?なんだあれ」
「抽選会してまーす!お持ちの方はお並びください!」
「さっきの買い物で2枚貰ったしやりに行こうぜ!一等は大阪行きファミリー旅行券だって!」
「いや流石に当たらんだろ…」
「おめでとうございま〜す!三等になります!」
「ほらな?」
「う〜んしゃあないか」
「景品の今度オープンする温水プール招待券です!どうぞ!」
「「…えっ?」」
−−−−−−
「微妙かと思ったらとんでもない引きだったな」
「でもこれ3人までなんだよな…なあ、優が当てた石鹸セットくれないか?チケット渡すから」
「いいけどなんで?」
「俺の母ちゃんにこれ渡して入場料貰ってくる」
「なるほど…それならいいぞ」
サトルにさっき貰った石鹸を渡し、チケットを2枚貰った。
「サンキュー!これで咲夜ちゃん誘えるわ!」
「こっちこそありがとう、俺も真昼呼んでみる。でもこれ使えるの来月じゃね?」
「確かに!なら正々堂々明日行ってみるよ。またな!」
「おつー」
−−−−−−
『真昼今時間あるか?』
『大丈夫だよ?どうして?』
『渡したいもんがあるから会えないか?』
『う〜ん…会いたいけど今会うとブレーキ効かないと思うから、テスト返ってくる月曜日でもいい?』
『わかった、じゃあ月曜日で』
結局全ては月曜日になりそうだな…サトルも俺も。
−−−−−−
月曜日の朝。
「ユウおはよう!テストどうだった?私は多分大丈夫だよ!」
「うーん…そこそこかな」
「なんか微妙そうだね…とりあえず行こっか!」
−−−−−−
放課後。
「サトル、テスト結果どうだった?」
「咲夜ちゃんのおかげで全部50点前後だ!サンキュ〜!咲夜ちゃん!」
「サトルそれでいいの?アタシとしては不満なんだけど…まあいいか。アタシは平均84点の合計点8位だった」
「やば!めっちゃ頭いいじゃん!優はどうだった?」
「平均65点」
「普通すぎてコメントしづらいわね…」
「ユウ〜!!!」
「ぐえっ…だからいきなり飛びつくなよどうした?」
「全教科平均91点の2位!約束達成したよ!もう我慢しなくて良いよね?」
「ここでは流石に駄目だぞ、家帰ったらな」
「じゃあ早く帰ろ!咲夜ちゃん向井くんおつかれ!またね!」
「痛い痛い引っ張るなって!」
「行ったね…真昼嬉しそうだったね」
「あのさ…咲夜ちゃんにちょっと話があるんだ。」
「ん…?わかった。」
−−−−−−
グイグイ引っ張られながら歩いていた俺は、いつもの2倍近い速度で家に着いた。
「ただいま」
「ただいま〜!ユウ!!もういいよね?んっ…」
「むぐう!むぐぐぅ!んむううう!!!(待て!呼吸させろ!死ぬううう!!!)」
「やっぱ禁止にします。暴走しすぎ」
「そんな…私頑張ったのに…」
「ハグならいつでもするから。それじゃ駄目か?」
「じゃあフレンチキスならいい?」
「まあそれなら…」
「じゃあ一緒に映画見よっか!後ろから抱きしめてね?」
「その前にこれ、貰ったんだ」
「プール?どこで貰ったの?」
「今日サトルとプレゼント買いに行ってたんだ。その時に抽選会で」
「なるほど、ラッキーだね!」
「あとこれ。太陽のネックレス。俺の月のネックレスとペアになってたんだけどよかったら貰ってほしい」
「嬉しい!ありがとう!でもどうして太陽なの?」
「…真昼が俺を明るく照らしてしてくれたから。もう恥ずかしいから二度と言わないぞ」
「恥ずかしがらなくていいのに〜」
「学校では付けるなよ?取り上げられるし」
「わかった、ありがとうユウ♪」
この後真昼とイチャイチャしながら土日を過ごしたのであった。
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