第12話 テスト勉強

「起きて!朝だよ!」

「ん…んん…」


まだウトウトした寝ぼけた状態で目を擦っていると、目が覚めると真昼が立っていた。

昨日のことが夢かと思ったけど本当なんだな。

真昼と恋人になれた。そして異常にねちっこいキスをされた。

あれは禁止にする。

毎回されたらそのうち俺が死んでしまうから釘を差さないと…


−−−−−−


「ユウ!おはよう!愛しい彼女が起こしに来たよ!」

「おはよう、朝から元気だな…」

「おはようのちゅーする?はいっどうぞ!」

「しません。むしろ禁止にするか考えてたぞ」

「なんで?嫌いになった?」

「いや、昨日のディープがな…愛されてるのはわかったけど、ちょっと死にかけたぞ。それにしょっちゅうは恥ずかしいから」

「え〜…私は毎日したいんだけどなあ…」

「わかった。じゃあテストで10位以内なら好きなだけしていいぞ」

「ほんと?じゃあテスト勉強頑張るね!今日から一緒にしない?」

「まだ3週間以上あるし流石に早いだろ…再来週くらいからにしよう」

「わかった。私頑張るね」


−−−−−−


昼休み。


いつもどおり、裏庭で真昼とご飯を食べる準備をしようとしたら教室を出る時に咲夜に呼び止められた。


「優、ちょっといい?」

「どうした?あ、真昼は先行ってて。すぐ行くわ」

「うんわかった」

「ごめん、それで何?」

「サトルに勉強してるのか聞いてくれない?アタシが聞いてもはぐらかすのよ…」

「わかった」


サトルは…いた!

「サトル、テスト勉強してる?」

「お前までそれを聞くのか…してないしてない、遊びたいし」

「勉強大丈夫なのか?」

「全然駄目だけどやりたくない!あ、じゃあ優が教えてくれん?」

「俺も頭良くないからな…咲夜に聞いたら?」

「咲夜ちゃんはガミガミうるさいんだよ…普段可愛いのにたまに母ちゃんみたいになる時がある」

「なるほどね、じゃあみんなでやるか?真昼も誘う」

「いいね!じゃあ勉強会しますか!日程任せた!」


後で真昼に相談するか。


−−−−−−


裏庭。


「−−−ってわけで、咲夜とサトルが一緒に勉強したいって言ってるんだけど大丈夫か?」


「うん、大丈夫。私勉強はそれなりに出来る方だと思ってるから、ある程度なら教えれると思う。」

「じゃあサトルに連絡しとく。真昼はいつがいい?」

「う〜ん、ユウと二人の時間も欲しいけどテスト期間は仕方ないよね…じゃあ10日前くらいから始めよっか」


『真昼が10日前から集まろうってさ。図書館でいいか?』

『オッケ〜!咲夜ちゃんに言っとく』

『了解』


「とりあえずサトルも大丈夫だってさ。」

「じゃあテスト勉強するから私は今日は寄り道せずに帰るね?ご褒美の為に頑張らなくちゃ」

「わかった」


−−−−−−


放課後帰り道。


「ねえ…手を繋いで帰らない?」

そう上目遣いで真昼におねだりされた俺は、ノータイムで真昼の手を掴もうとした。

すると真昼に腕を組まれて、いわゆる恋人繋ぎというやつになってしまった。

柔らかい恥ずかしい柔らかい恥ずかしい柔らかい!


「ユウ顔真っ赤だよ?嫌だった?」

「嬉しいけど恥ずかしいんだよ…しかもお前当たってるぞ」

「前も言ったけど、だよ?私はユウの女だから」

「我慢できなくなるからやめなさい。俺だって男だぞ?」

「我慢しなくてもいいよ?」

「うっ…」


そういえばそうだった…真昼のアピールがどんどん強くなってきて、彼女じゃないからという免罪符も消えた事で徐々に理性が削られている。

話題を変えないと…


「そういえば真昼って運動得意なのか?前に張り切って水着買ってたけど」

「普通かな?最低限泳げるからカナヅチではないと思うけど」

「じゃあ練習は必要無さそうだな。カナヅチだったらどうしようかと」

「でも溺れても助けてくれるでしょ?」

「当たり前だろ。真昼は俺の彼女だからな」

「ユウ…!」


次の瞬間、目をキラキラさせた真昼が俺に飛び込んできた。


「うおっ!危ないだろ!」

「ごめんね、でも嬉しくって。」

「真昼のせいで、俺が少し我慢できなくなった」

「えっ?…んっ」


気付いたらキスをしていた。自分から言ったのに理性が弱すぎるだろ俺…


「私、幸せだよ。キスされるとユウに愛されてるな〜って感じるんだ。」

「次はテスト勉強終わったらな?俺が勉強出来なくなる」

「わかった。…じゃあ家着いたしまたね!」

「また明日」


−−−−−−


テスト10日前の図書館。


「じゃあ勉強始めるか、俺は国語地理以外さっぱりだ」

「私はとりあえず一通り大丈夫と思う。」

「アタシも勉強はそこそこ自信あるから聞いてくれたら答えれるかな」

「俺は全部わからん!」

「図書館だぞ静かにしろ。…じゃあ真昼と咲夜に教えてもらいながらやるか…よろしくおねがいします。」

「ユウは任せて!」

「アタシはサトルか、仕方ないな…」


−−−−−−


3時間後。


「疲れた…とりあえず今日はこの辺にしないか?サトルも限界そうだし」

「もう無理…」

「じゃあまた明日同じ時間にここで、お疲れ」


次の日もその次の日も、ひたすらテスト範囲だけを叩き込んだ。


−−−−−−


テスト前日の勉強後。


「じゃあこの辺で終わろっか。優もサトルも大分出来るようになったし」

「ありがとうな二人とも、付き合わせて悪かった」

「ううん、教えることで復習になるし」

「咲夜ちゃんのおかげで俺いけそうだよ!今度お礼する!デート行こ!」

「本当?じゃあ楽しみにしてるね?」

「じゃあ俺は咲夜ちゃん送って帰るから!真昼ちゃんと優お疲れ!また明日な」

「お疲れ」

「お疲れ様!」


「俺達も勉強頑張ったし、なんとかなるといいな」

「ユウなら大丈夫だよ。じゃあまたね」

「ああ、またな」


明日のテスト、結果が出るといいな




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