第11話 GW最終日 告白

「起きてユウ!大変!」

「なんだよ…」

「てんびん座が最下位なの…」

「……おやすみ。」

「もう!早く起きて!ご飯できてるよ!」

「先にそっちを言ってくれ…」


−−−−−−


「ごちそうさま。今日はどうする?」

「う〜ん…私今日の晩は帰ってきなさいって言われたんだよね…だから、夕方までしか一緒にいれないかな…」

「わかった。ならランニング行かないか?」

「ランニング?ユウみたいに早く走れないよ?」

「早く走る必要は無い。有酸素運動をする事に意味がある。ダイエットにもなるぞ?」

「………私って太ってる…?確かにここ1ヶ月で1kg増えたけどまだ自分では大丈夫と思ってた…」

「あっいやそういう意味じゃなくて…スタイル維持に役立つよって事だ」

「そういう事なら…」

「真昼はむしろ痩せ過ぎなくらいだ。全部脂肪が胸と尻に行ってる」

「スケベ!」


フォローしたのに…


−−−−−−


「これくらいのペースなら走れるか?」

「ふぅ…ふぅ…うん、なんとか大丈夫そう」

「俺は普段平日は予定が特に何も無ければ登校前に走り込んでる。休日は早く起きたら走るくらいだけど」

「なら私も明日から走っていい?」

「いいけど…弁当も作ってくれるんだろ?かなり早起きになるしやめといたほうが…」

「少しでも一緒にいたいの…駄目かな?」


美少女に上目遣いで訴えられたら勝てないな…


「駄目なわけ無いだろ。なら明日からやろうか」

「うん!」


−−−−−−


ランニング後。


「はあ…はあ…流石に疲れたね…」

「ふぅ…そうだな。」

「鍛えてるだけあって元気だね…私はヘトヘトだよ…」

「なら昼飯は俺が作るわ、お前ほど上手くないから味は勘弁な」

「いいの?じゃあお言葉に甘えて!楽しみだなあユウの手料理♪」

「そんなに期待しないでくれよ」


言ったはいいけど食材何残ってたかな…


−−−−−−


「出来たぞ。オムライスだ」

「待ってました!じゃあ早速頂きます!」

「いただきます」

「うん!美味しい!ユウも料理出来たんだね!」

「…ああ。施設にいた時に教わった。」

「施設?」

「ああ。俺は親に捨てられて施設に入ってたんだ」

「そんな!酷い…ねえ、辛くなかった?」

「施設は幸せだったよ。俺が人間だってことを教えてくれたんだ。」

「どういう事?」

「先に言っとく。胸くそ悪いし面白い話じゃない。そして話せば長くなるけどいいか?」

「うん。ユウの過去を聞きたい。」

「わかった。俺は小さい時親に−−−」


−−−−−−


「−−−で、引っ越ししてから真昼に出会ったんだ。」

「グスッ…グスッ…辛かったね。」

「まあ、今そのおかげで真昼に出会えた。」

「うん…。ねえ、聞いてもいい?今もその朝日さんが好き?」

「…正直、今でも朝日は大切な存在で命の恩人だ。俺に温かさをくれたのは朝日だった。」

「うん。」

「でも今は恋愛感情は無いよ。好きな人が他にいる。」

「えっ?」



「俺は和泉真昼が好きだ。付き合ってくれ。ずっと一緒にいてほしい。」


「……」

「……」

「……グスッ」

「…真昼?」

「うわあああああん!!嬉しいよお!私もユウが大好き!ずっと一緒がいい!私を彼女にしてください。」

「これからよろしくな」

「フフッ…うん!」


−−−−−−


「フンフンフ〜ン♪」

「めっちゃご機嫌だな…」

「だってユウに付き合って!って言われたんだよ?今までで嬉しいから仕方ないじゃん!」

「そ、そうか…」

「あのね、ユウ。キスしてもいい?」

「えっ?」

「私ね、ユウがずっと一緒だって形が欲しいの。付き合ってるんだなって思いたいの。重くてごめんね。でも、ユウが好きなの。」

「…わかった。」

「あっ…んっ」


俺は真昼の肩を抱き寄せて…初めてのキスをした。

…までは良かったんだが…


「むぐぅ!!むぐぅ!!むぐぐぅ!!!(真昼離して!息ができない!!一回舌抜いて唇離して!!!)」


結局リミッターがぶっ壊れた真昼にひたすらキスをされ、気付いたら夕方になっていた。


−−−−−−


「ご…ごめんね?嬉しくなっちゃってちょっとはしゃぎすぎちゃった…」

「ごめんね?じゃないよ!死ぬかと思ったわ!」

「うぅ…反省してます…」

「……まあキスはこれからいくらでも出来るんだし」

「じゃあお別れのちゅーして?」

「は?ここお前の家の前だぞ?」

「いいじゃんお願い!…んっ」


ガチャ「…あら?」


「まあ!真昼!ちゃんと射止めたのね?」

「うん!お母さんの言ったとおりだったよ!押せ押せで落とせた!」

「真昼のお母さんもグルかよ…」

「ごめんなさいね、デートの前に真昼から熱烈な想いをぶち撒けられたから負けちゃったのよ」

「いえ、気にしてないです。おかげで真昼と付き合えましたし。」

「これから真昼の事よろしく頼むわね!テスト勉強するならうちにいらっしゃい」

「ありがとうございます。」



確かに忘れてたけどあと一ヶ月もしないうちにテストだし、勉強のスケジュール立てないとな。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−

あとがき


皆様、いつも読んでいただきありがとうございます。

皆様のハート等の評価、感想が非常に執筆モチベーションに繋がっています。


さて、これで第一部の出会いから付き合うまでのお話が終わりです。


まだ続きは書こうとは思うのですが、区切りがいいのでここが第一部の終わりとさせていただきました。


これからも真昼と優のお話をよろしくおねがいします。






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