第10話 GW2日目 初めてのおでかけデート

んん…なんか身体が重い…なんだこれ…


「ん…」


なんで真昼がここに!?…ってそうか、泊まったんだったな…

もう8時過ぎてるし起こしたほうがいいか。


「真昼、起きろ朝だぞ」

「ん〜もう少し…」

「駄目だ起きろ」

「じゃあおはようのちゅーは?」

「恋人じゃない人にはしません。」

「じゃあ恋人なろ〜よ〜…」


こいつまだ寝ぼけてるのか…


「…とりあえず起きろ布団剥がすぞ」

「わかったよぉ…」


−−−−−−


「ユウおはよ!」

「お前あの寝起きの悪さでよく昨日あの時間に来れたな…」

「う〜ん…愛の力かな?」

「真顔で恥ずかしい事を言わないの」

「まあホントは目覚ましセットしてたんだよね」

「でしょうね」


「とりあえず朝ごはん作ったから食べよう!味噌汁と目玉焼きとウインナーだけど」

「いただきます」


−−−−−−


朝食後。


「今日はどうする?」

「この前言ってたデートしよう!イーオン行く準備は出来てるよ!」

「わかった、俺も準備するわ」


−−−−−−


イーオンやっと着いたけどゴールデンウィークだけあって人が多いな…。


「さて、着いたけどどうする?」

「う〜ん、とりあえずぶらぶらしない?」

「そうするか。」

「あっあれ見て!水着コーナーだって!行こ!」

「ちょっと待てって!」


行ってしまった…

仕方ない、行くか。


−−−−−−


水着売り場。


「ユウはどっちが可愛いと思う?私はこの白の方が良いんだけどな」


片方は白のビキニ、もう片方は水色のワンピースか…

どっち着てもエロいんだよな…身長は平均なのに胸は高校生レベルだからかなり犯罪臭が…


「俺はワンピースかな。」

「それはどうして?」

「…露出が少ないから。」

「あれ?…もしかしてあんまり見たくない?」

「いやそうじゃなくて…俺以外の他の人に見せたくないというか…」


そういうとニマァと嫌らしい笑みを浮かべ、


「なんだ〜!最初からそう言いなよ〜!案外ユウって独占欲強いんだね!じゃあこっちにしよっと!」

「その顔腹立つからやめろ!」

「でも俺の真昼を見るんじゃねえって事でしょ?嬉しかったよ?」

「それは好意的に解釈し過ぎだろ…」


まあ8割くらいそうだけどさ…


「…私ね。去年までイジメられてたからさ。友達と海とかプールとか行ったこともなくて…持ってる水着は授業で使う水泳用のやつしか無かったの。」

「真昼…」

「だからね!ユウに一緒に選んでもらえてとっても嬉しかったよ?だから…一緒にプール行ってくれる…?」

「当たり前だろ。咲夜とサトルも誘ってみんなで夏休みを満喫したい」

「そうだね!私…休みの間はイジメられないから夏休みと冬休みが待ち遠しかったけど、今年初めて前向きに夏休みを喜べるの。」

「夏休み…楽しみだな。」

「うん!」


−−−−−−


「ふぅ…結局水着の後も結構買ったな…」

「ユウの家で使う歯ブラシにタオルに着替えを買ったからね!他にも買ったけど」

「お前本格的に住む気かよ…」

「いつでも来ていいって言ったのはユウでしょ?」

「まあそうだけどさ…飲み物買ってくるわ」

「じゃあ私は紅茶で!」

「じゃあここで待ってて」


−−−−−−


ヤメテクダサイ…イイジャン

ん?あれ…咲夜か?

嫌そうだし止めたほうがいいか…って走ってきてるのはサトル?


「人を待ってるので離してください」

「いいから行こうよ、お茶奢るからさ」

「おい!!その娘に何してんの?」

「は?誰お前」

「彼氏だけど?」


は?付き合ってるの?


「なんだよ彼氏持ちかよ白けたわ」

「…物分かりがいいやつだったな。大丈夫か?変なことされてないか?」

「ありがとうアタシは大丈夫。サトル助けてくれてありがとう…」

「ごめんな、咄嗟に彼氏とか言っちゃって」

「別にアタシは…」


なんか良い雰囲気だな…邪魔せずに気付かなかったフリして戻るか…


−−−−−−


「お待たせ」

「遅かったね?何かあった?」

「いや…咲夜とサトルがいた」

「デートしてたの?」

「どうなんだろ…多分そうなんじゃないか?ナンパしてるやつ撃退していい雰囲気だった」

「良いなあ!私もユウからまた守られたい!」

「俺はもうあんな痛い思い勘弁だけどな…」

「それもそっか。じゃあ映画見よう!実は昨日のうちにこの映画の予約取ってたの!」

「ん?…カイージか、原作も見てたしいいぞ」


−−−−−−


鑑賞後。


「面白かったね!キンキンに冷えてやがる!」

「そこなのか…まあそろそろ飯にしよう腹減った」

「うーん、じゃあ微妙な時間だし軽めの方がいいよね。フードコート行こっか」

「そうするか、何にしても食わないと…ってあっ」

「あっ」

「あっ」

「おっ!優じゃん!おは!」


遭遇しちゃったか…


−−−−−−


フードコート。


「へ〜、じゃあ真昼ちゃんとデート中だったんだ!俺も咲夜ちゃんとデート中だったぞ!」

「デートじゃないから。たまたま欲しいものがあったから荷物持ちに付き合ってもらっただけ。」

「そうなのか?でもさっきナンパから助けてもらった時めっちゃ女の顔してたぞ?」

「なっ!?見てたの!?」


あっやべ…


「まあたまたま見ちゃったんだよ、ナンパされてたから止めようとしたら鬼の形相でサトルが突っ走ってきて笑ったわ」

「まあ俺咲夜ちゃん好きだし?」

「うぅ…」


咲夜の顔真っ赤だな…


「まあ俺も真昼とそっちもデートだし、飯のあとは解散でいい?」

「いいよ!咲夜ちゃんとまだグローブ見に行ってないし」

「グローブ?」

「あれ?言ってなかったっけ?俺ずっと野球小僧だったし、中学も野球部入ったんだよ!咲夜ちゃんはマネージャーで。咲夜ちゃんはずっといるわけじゃないけど」


咲夜もめっちゃ脈アリじゃないか…


「そうなのか、なら遊べる機会減りそうだな」

「まあウチは全国目指す!みたいにバリバリやってる訳じゃないし、誘ってくれたら行くべ?w」

「じゃあまた誘うわ。またな」

「おう!真昼ちゃんもまたね!」

「バイバイ」

「うぅ…サトルの馬鹿…なんで言うの…」


−−−−−−


そういえば真昼ずっと静かだったな。


「真昼なんで静かだったんだ?」

「咲夜いいなあ…って思っただけ。」

「どういう事?…さっきはサトルとばっか話してごめんな」

「そうじゃなくて!…向井くんは咲夜にグイグイ来てくれるのに、ユウはあんな感じで来てくれないからちょっと寂しくなっちゃっただけ。ごめんね?」

「俺にあのテンションは無理だろ…」

「フフッ確かにそうだね!」

「なあ真昼…今ここで言う事じゃないんだけど…少し時間をくれないか?このGW中に必ず俺の口から言う。」

「…わかった。」

「じゃあそろそろ帰るか、今から帰れば筋トレして風呂入って飯食えば丁度いい時間になりそうだし」


今日は色々あったな…明日は最終日か。

必ずこの気持ちを正直に伝えるんだ。

もう同じ思いをしないために。

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