第3話 グループ作り

4月上旬某日教室にて。


「そういえば来週から親交の為のオリエンテーリング行くんだよね?4人組のグループ作らないといけないみたいだけど、ユウと咲夜ともう一人どうしよう…」

「オリエンテーリングって男女2:2だっけ?俺自慢じゃないけどこっちに友達は咲夜と真昼しかいないぞ?」

「私より咲夜が先に来るんだ…」

「そこ別によくない!?…まあ何にしてももう一人いたらいいんだけどな…咲夜は心当たりある?」

「ん?アタシも自慢じゃないけど友達多くないよ?パシリになるくらいだしね」

「笑えない自虐はやめてくれ…」

ガラガラガラ

「はい席についてくれ、授業始めるぞ〜」


「先生来たしまた昼休みにでも考えよう」

「そうしよっか…」

−−−−−−−−

昼休み裏庭。


「今日の弁当何かな〜…おっ!唐揚げにウインナーに卵焼きか!」

「うん…唐揚げは朝早起きして仕込みして揚げてみた自信作だよ」

「いただきま~す!…うまっ!これめっちゃ美味しい!時間が経って冷めてるのにまだ衣はカリカリしてるし中も肉汁たっぷりでたまらん!」

「本当?よかった…」

「真昼特製の愛妻弁当羨ましいけど私の存在忘れてませんか?二人きりじゃないよ?」

「チッ…」

「ねえいま舌打ちした!?酷い!」

「冗談だよ。でもオリエンテーリングほんとにどうしよう…私もイジメられてて周りに人がいなかったから友達が…」

「じゃあとりあえずあと1人男子をグループに引き込んで4人で回ろうか。真昼も咲夜も可愛いし思春期真っ只中の男子なら喜んで来るやついるだろ多分」

「もう…可愛いだなんて…」

「優は体つきはいいけどイケメンではないしね〜」

「は?今ユウを馬鹿にした?ユウよりカッコいい人いないよ?ねえ?」

「ごめんごめんって冗談だから怒らないで!!」


−−−−−−−

5時間目、体育にて。


「今日はドッジボールにします。出席番号順に今から並んでもらって、偶数チームと奇数チームに別れて対戦してください」


俺は6番の偶数か。

筋トレしてるからパワーだけは割と自信あるけど、ぼっちの現状で張りきり過ぎたらイキってるとか思われても困るしどうしよう…


「佐藤ガタイめっちゃいいな…あっ俺は向井サトル、勝とうな!」

「マジで佐藤身体ゴツいわ!俺は中村タケシ、奇数だから敵だけど優しめによろしく!」


あ、こいつら初日に騒いでたやつらか…語彙力と陽キャの圧が怖い


「あ、俺佐藤優っていいます、よろしくおねがいします」

「固すぎでしょ同クラだし楽に行こうよ」

「わかった。サトル、タケシよろしくな」

「いきなり敬語から下の名前サトルって笑ったわ変なやつ!」


施設の仲間とあいつら以外の友達がいないから距離感わからないんだ許して…


−−−−−−−


「優強かったなー!最後二人まで残ったし!」

「でも負けたからちょっと悔しい」

「わかるわーなんか勝ちたいよなこういうの!」

「あっそういや優ってオリエンテーリングどうする感じ?」

「あー…まだ俺と女子二人しか決まってないんだよね…」

「マジ?なら俺入ってもいい?」

「いいけど…いつも騒いでるタケシとか他の奴らはいいのか?」

「まああいつらとはいつでも遊べるしね〜ってか残り二人は誰?」

「真昼と咲夜」

「あーあの二人か!急に可愛くなったよな!」

中1なのにチャラいよお前…

「まあ二人ともちょっと人に慣れてなくてコミュニケーション能力乏しいから優しくしてあげてほしい」

「優に言われたら終わりでしょ!」

「やかましいわ」

でもごもっともです…


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