第4話 自己紹介

終礼。


「じゃあ先程言った通り、皆さんオリエンテーリングのグループ作りおねがいしますね?では日直号令よろしく」

「きりーつ!礼!さようなら!」

「さようなら!」


「じゃあユウ帰ろっか」

「待って、昨日言ってた最後の一人見つけたんだよ」

「そうなの?」

「ああ、今から呼んでもいいか?」

「うーん…ユウと帰りたかったけど仕方ないか…じゃあ咲夜も呼んでくるね?」

「わかった。」


−−−−−−

「はじめまして、でもないのかな?お互い一応同じ学校で顔くらいは認識してたし…田辺咲夜といいます」

「私は和泉真昼です…」


二人とも固いな…俺と話す時は普通に話せるから、人見知りなのか?


「俺は向井サトル!やっぱ二人とも可愛いね!そういや初日嫌なやつに絡まれてたっぽいけど大丈夫?てか今日優と友達になったばっかだけどこいつ面白いよな!」

「えっと…あの…その…」


一気に情報出しすぎだろ…陽キャの圧に気圧されてるじゃん。


「サトル、一気に話しすぎて二人が引いてるから…とりあえず初日のやつは俺がなんとかしたから大丈夫だよ。あいつらもう来てないし来ることもないと思う。」

「確かに!あいつら小学生の時から偉そうで気に入らないやつイジメるしで迷惑だったからほんとに良かったわ!あいつらを優がなんとかしたってお前やっぱ喧嘩強いんだな!」

「まともに喧嘩したのはあれが初めてだよ。まあ人を守るためにずっと筋トレしてたから、役に立てて良かったとは思うけど」


「あの時のユウカッコよかったなぁ…俺の大切な真昼に手を出したらぶっ○すぞ!って啖呵切って守ってくれたし…」

「マジかよかっけえ!モテ男は違うね〜」

「そうなのカッコいいの!ユウの良さをわかってくれるとは向井くん良い人だね!」

「全く言ってないぞ…」

俺の話のとき以外もまともにお喋りしてくれよ真昼さん!


−−−−−−


「話が脱線してきたから戻すぞ?とにかく、初日の事はもう大丈夫だ。」

「てか優ってこの辺の奴じゃないよな?顔見たことないし。どうやって二人と知り合ったん?こんなかわいい子達侍らせるとかズルくない?」

「侍らせてねーよ!こいつらと知り合った理由か…それは…」

流石に無許可で俺の口から言っていいとは思えないので、チラッと横を見ると咲夜が話し始めた。

「アタシあいつらのパシりさせられてたんだ。本当に嫌だったけど怖くて言えなかった。で、今回同じクラスにまたなったから怯えてたら優があいつらをやっつけたんだ。その関係かな」


「なるほどね?真昼ちゃんは?」

「私は…さっきも言ったけど、酷い目に合わされていた所を間一髪で助けてくれたの。助けてくれなかったら本当に死のうか考えていたレベルで辛かったから命の恩人なの。」

「は〜なるほどね!じゃあ割とまだ日が浅いのか?てっきり付き合ってるのかってくらい真昼ちゃんとイチャイチャしてたから昔からの幼なじみとかなのかと」

「やだもう…♪ユウと恋人に見えるとか照れる♪」

「待て待てまた脱線してきたぞ…とにかく、この二人はあいつらにちょっと色々されてて友達が作りにくい環境にあったんだ。その辺はわかってあげてほしい」

「そっか、ならオリエンテーリングで友達いっぱい作るべ?むこうで紹介するわ!」


サトルらしく気遣ってくれてる提案なんだけどこの二人はどうするかな…


「アタシは優と真昼だけでとりあえずはいいかな…」

「私もユウさえいれば男はいらない」

「ごめんなサトル、そういう訳だからとりあえずはこのメンツで遊ばせてくれ」

「りょーかい!じゃあ俺帰るな!」

「ああ、またな」

「向井くんまたね」

「向井君さようなら」


−−−−−−

帰り道。


「向井君騒がしかったね。嵐みたいだった」

「でもユウの良さを話せるから仲良くなれる気がする」


恥ずかしいからやめてくれ…

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