モップはてめえが（真鶴コウのゆるエッセイ）

11/22（火）お金を使うこと

私は口紅というアイテムに大変苦手意識がある。

かわいいと思う色だとしても、私の顔になじまない。

口元だけ浮きあがり、コントメイクのようになってしまう。

自分が口紅をした自分の顔を見慣れてないからというレベルではない。

見慣れてたまるかというレベルの話だ。

しかし、メイクを楽しもうと思うからには絶対に避けて通れない。

目元やベースがバッチリメイクで口紅をしていないというのは、

キャッチャーのいない野球であり、キーパーのいないサッカーみたいなものだ。

伝わるだろうか。……伝われ（祈り）

今はマスク社会だとて、他がなくても紅だけは引くってくらい

お化粧をする上で大事なアイテムだ。

そこで、いろいろな商品をリサーチしてみた。

ココ最近だと、ケイトのリップモンスターが大バズリ。

他にも韓国コスメのティントを使ってみたりと色々試したが、やはりうまくいかない。

なんでだ！？　なじんでほしいだけなのに……！

リップほど微妙な色の違いが許されないアイテムはない。

厳しすぎる！　ラインが厳しすぎるよおおおお！

という日々を過ごしていたこの数年間。

とうとうめぐりあったのが、LAKAのフルーティーグラムティントだった。

ずっと気になっていたがここまで失敗続きで心が折れていたところ、

ネットショップ割引が結構おいしくてこれを機にゲットしてみた。

届いたばかりで、まだ一日付けた感想を言えないのだが、

とにかくつけ心地と香りだけはどのリップよりも良い。

ティッシュオフしたあとの、付き具合もいい。

あれ！？　悪くないぞ……！！

次のお出かけがとっても楽しみ。

それに合わせてさっしーのブランドが3年かけて開発したというティントが発売された。それも発売日に待機までして購入。（しかも安いの！）

届くのが楽しみ。

…………ということで、口紅ひとつとっても自分に合うモノというのは、

金を使って実際試して探すしかない。

確かに最近は優秀なレビューが探せばゴロゴロある。

が、それが自分と合うかどうかはまったく別のお話で、

実際の商品と自分の心のお見合いだから結果は試してみないとわからない。

その金と時間の消費の果に、今よりマシな顔面を手に入れるのだ。

これを、音声作品ひとつ作るにも感じる。

どうしても自分一人では準備できないものがある。

イラストだったり、デザインだったり、ビジュアル関連だ。

何を選べば私の作品の芯からブレずにいてくれるのかがわからない。

だから、すでに作るものが「コレだ！」というクリエイターさんと出会って、

長くお付き合いを頂けるようにならなければいけないのだ。

人に関しては全て縁だ。

縁を頂くにはやはりお金を使って実際に一緒にお仕事をさせて頂く機会を作るしかない。しかも、向こうにだって選ぶ権利がある。

人をモノと同じように例えるのは大変失礼なのだが、ここは分かりやすい例えとして。

自分に合うモノというのは、金を使って実際試して探すしかない。

その選択の果に自分の作品のカラーが浮かび上がるものなのだ。

……と、杏花が飲みながら教えてくれた。

（花ちゃんと創作についておしゃべりするのが大好きなのだ）

口紅一つ探すにしても、近道はない。

金を使って、出会ってみる。

そうすれば縁が生まれて、人となら一緒にお仕事が出来ればこんなに楽しいことはない。

そうか、そういう仕組だったのか。

仕事をしてお金が生まれれば、それがまたやがて縁を呼ぶ。

上手く出来てる。

今月もびっくりする引き落とし金額にちょっと引きつつ、

今よりマシな私に出会いたくて、今日も金を使う。