8/30(火)間違い探しへの強制参加
8月が終わろうとしている。
先日、一日クーラーを付けていた部屋の換気をしようと思い窓を開けたら外のほうがよっぽど涼しかった。
一日分の電気代を損したショックと、いつのまに秋になっていたのかという驚きでカレンダー二度見した。そう、終わろうとしているだけでまだかろうじて8月だ。
この時期はまだまだ全然夏だったし、なんなら9月の半ばくらいまでは「残暑が厳しいザンショ」だなんてシェーしておどけてみせるのがこの時期の私的風物詩であった。
だけど蝉は鳴いている。秋に蝉が鳴くという不思議空間にいる気がする。もう、令和というのは不思議空間なのだ。これまで私が地球に生まれて過ごしてきた空間と全く異次元に飛ばされてしまったのだ。
自分の足元が不安定な感じがして、途方に暮れた。
ちょうど同じ日の夜、24時間テレビの中でラストサライだと言って加山雄三と谷村新司が歌っていたが、ふたりとも私の知っているその人達ではなかった。
ここもか……と、再びグラついた気がした瞬間、聞こえてきた加山雄三の歌声だけが何も変わっていなかった。
この人生で最後だからとキバったプロ根性からなのか、スタッフさんたちの心遣いで実は口パクなのか、それはTVショーだからわからないけど加山雄三の歌声だけは私の知ってる世界のものでグラつく私の足首を支えてくれた。
人間が生きられる寿命の半分くらいに来てみると、いろんなことの答え合わせが始まって時間や時代の流れとか移ろい変わっていくものの水流に耐えられなくなってくる。
自分の知ってるものとココもココもココも違うと間違い探しをさせられている気分だ。
これまで「自分の居場所じゃなくなっちゃったな」と感じて好きだった場所から旅立たなくちゃいけないくなることって何度かあった。
例えば、通っていた学校に久しぶりに行ってみたら景色も学校もそのままなのに、学生達を見ていると、もう自分の居場所ではなくなってしまったのだなと感じるあの感覚。
それに似たものを、今生きているこの空間にも見つけ出してしまった。
ヤダヤダ、もうちょっと居たいんですけど。
これは少し鈍感になって足元に集中して生活していかなくちゃな。
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