7/26(火)ブランド品が軒並み値上がりしたというので。

 Diorが明日、値上がりする。シャネルは、もう、した。

 ブランド品なんて化粧品くらいでしかお世話にならないのだが、その化粧品でさえコロナ禍でまったく外に出なくなった私は日々スッピンで過ごすようになり、益々縁遠くなった。


 冗談抜きで手持ちの化粧品全部使えなくなったし化粧の仕方も忘れたので、今必死でyoutubeの美容・コスメ動画で勉強をしている。


 勉強していて驚いたのが、最近のコスメはなによりプチプラ(1000円以下で買える安いコスメ)が大変優秀で、デパコス(デパートの一階に入っているようなブランド品の高いコスメ)に負けず劣らずの性能をしているし、似た色も多い。


 あの100均のダイソーのコスメブランドでさえ、ちゃんと使えてかわいいコスメがたくさんあるらしい。100円なら普段使えないような色でも冒険できるし、お洒落の幅も広がりそう。


 私が化粧を覚えたころなんて、眉を書いて、アイシャドウして、チークして、口紅塗ってハイ完成。って感じだったのに、今はノーズシャドウを入れて、ハイライトはココとココとココに入れて立体感を出しつつ口と鼻の人中を近づけて、シェーディングでエラ削って小顔にして……と、もはや日常のメイクでさえトリックアートの領域。

 様々なコスメアイテムがあって、それなら沢山そろえて色々遊びたいし、学んだ技術を駆使してはやく井川遥の顔面になりたい。


……なので正直、私にはプチプラで十分なような気もしている。

(プチプラで井川遥になれると思うなというお叱りは受け付けます)


 しかし、超脂性肌の人間油田として名をはせてきた私は、油田の全盛期を迎えつつあった20代のころからここの化粧品だけは絶対に崩れないと信頼の全てを寄せたブランドがあった。シャネルだ。


 レキャトルオンブルというアイシャドウのシリーズは、どんな薄い色もどんな肌質の時もしっかりきれいに発色してくれるし、なによりmy油田に溶けて巻き込まれ夕方になると二重の溝に挟まって一緒に液体化している……ということが絶対にない。


「はー、やっぱりお値段と品質は比例するんだっぺー」……と、田舎者だった若い頃の私はあっという間にシャネルのアイシャドウの虜になった。

 なけなしのお小遣いを溜めてお気に入りのパレットをリピ買いしていたものだ。


 品質がいいのはもちろん「ココ・シャネルを顔面に潜ませている」という事実が小娘の私を少しだけ強くしてくれた。

 その頃務めていた先ではクレーム対応をすることが多かったが、斎藤さんだぞ?(by トレンディエンジェル)よろしく、「ココ・シャネルだぞ? 誰に向かって言ってんの?」という気概で臨むと不思議と心が軽くなれた。


 品のあるブランド、それなりに努力をしないと手に入らないコスメは、私を精一杯背伸びさせて大人になる手引きをしてくれていたように思う。まさに魔法少女アニメの変身コンパクトだった。


 そんなブランド品も世界中でいろいろあって、あっという間に私の周りから遠のいていってしまったことに悲しいやら、情けないやら。今の若い子たちは私が味わった以上の背伸びをしないともう届かない。


 膝や、つま先を傷めたりしないだろうか。

「どれ、おじさんが手伝ってあげよう」なんていう輩の肩車に乗るようなことはしないでほしい。おじさんの後頭部に股間を押し付けて手に入れるブランド品のは、あなたを大人にするどころかドンドン品のない女へと堕としていく。……おねえさんは心配です。←

 


 Diorが値上がりするということで、欲しいアイテムがあったが諦めた。

なぜなら値上がりする前の金額だってなかなかエグいことに気が付いた。欲しいものがあるなら稼げばいいんでしょという時代じゃ、もう、ない。庶民は稼いだら使わずに投資しないといけない時代になったらしい。


(知ってる人多いと思うけど、金融庁がガチでお金の勉強してくださいって言ってきてるから、まだの方こちらご一読してください。っていうか、しといた方がいいよ。んもう、こっから国民全員このくらいの金融リテラシーがある前提で世の中動いて行くからね。


金融庁の中学生・高校生向け金融ガイド

https://www.fsa.go.jp/teach/chuukousei.html)


 

 お勉強を止めず、プチプラで遊びながら、かわいいババアになろうと思う。

品はもう自分で作れるよ。ありがとう、バイバイ、ココ・シャネル。

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