1/25(火)音声作品制作中のこころ模様

まなづる屋℃-useの新作の制作に入っている。

先週はひたすら台本を書き今週は収録をしまくり、来週からは編集地獄へと突入する。


そうすると、どういうことが起こるか。


まなづる屋℃-useはR18作品の音声作品を制作するサークルなので、ひたすら「あっ…ああ、あーん」という台本を書き、ひたすら「あっ…ああ、あーん」という声を吹き込み、ひたすら「あっ…ああ、あーん」という声を切ったり貼ったり修正したりと弄りまくる。


これが一ヵ月ほどかかる。

夢中になっているときはいい。自分の頭の中にしかなかったものがどんどん形になっていく快感は何にも得難いものがる。


しかし四六時中、誰にも会わず引きこもって「あんああーん」をなかなかのボリュームで聞いて過ごす日々は度を越えるとかなり堪える。


特に編集作業の後期になると一番大切なことは「我に返らない」ことで、

このチュパ音の「んちゅっチッ……ちゅる……」の「チッ」って雑音がどうしても消えないなあ、これでどうだ……いや、ダメだ。じゃあ、このやり方だとどうだ……んん、おしいけどもうちょっとキレイになんねーか……じゃあこれは……ちゅっ……ちゅっ……ぐぬんんんんんー!!!

………………私、何やってんだろう、お母さんに会いたい。


と、なった瞬間、この雑音との勝負は私の負けなのだ。

油断すると命取りなので、集中力と夢中になることがとっても大切なのだ。


そしてこの状態になった時に注意したいことがもう一つある。

私は、調子が悪いと労働している人と自分を比べて無性に悲しくなってくるという癖がある。


朝、Eテレなんてうかつにつけてしまった日には「みいつけた!」のスイちゃんを見て、「こんな小さな子だってこんなに朝早くから働いて、朝大変なお母さんやお父さんたちを助けているのに……」という気分になるし、気を取り直して散歩に出ると盲導犬に会い、「こんなペットとしてかわいがられるような動物だって、厳しい訓練を経てひとりの人間の人生を支えているというのに……」という気分になる。


自分のやりたいことしかできない超自己中人間のくせに、人の役に立ってみたいという願望が少なからずあってそこが暴れ出すのだろう。


(ちなみに私が人の役に立ってみようと思ってやったことは、十中八九「余計な仕事を増やしやがって案件」となるので、私を利用してやろうと思った人は気を付けて頂きたい)


ならば……だ。

もっともっと、自己中になりたい。

そんなよそ見をしないくらいに、スイちゃんもワンちゃんも私と踊れと言わんばかりの強いハートを持ちたい。


ただ、このメソメソらいおん・ハートも作品が発表されてレビューや呟きで「よかったよ、面白かったよ」と言って頂けるだけでどんな辛みも全部が吹っ飛び忘れ去ることができる。

「おたけ最高潮~♪(byジャングルポケット)」のテンションで調子に乗ることができるので私なんて現金なものだ。


今日から収録を始める。

あなたがこれを読んでくださっている今まさに、私は我に返りそうになる自分の後頭部を抑えつけながら「あっ…ああ、あーん」と演じまくっていることでしょう。


よかったら、心の隅でがんばれとエールを送ってやって欲しい。

祈りはきっと、届くから。

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