6月9日 国言葉
く : 国言葉
に : 任侠映画の
こ : 言葉です
と : 父さん怒ると
ば : ばり怖いけえ
今日のお題は小余綾香さんの「KACから始まる短歌練習帳「かきつばた2」の5月26日のお題からいただきました。
https://kakuyomu.jp/works/16816452218994713314/episodes/16817139554979936677
私、「仁義なき戦い」の舞台の呉市で育ちました。私が子供の頃はまだそのにおいが残っていて、どこぞで発砲事件があったというようなニュースを耳にしたこともありました。
呉のお祭りの鬼は「やぶ」という名前ですが、私が子供の頃は、この「やぶ」をヤクザさん達がやってくださっていたんです。家々を回ってお酒をいただいて酔っ払った「やぶ」が、竹でできた棒で道路をバンバン叩きながら走って来る様は、物凄く恐ろしいです。衣装の袖を肩までめくっている腕や、はだけた胸に、見事な刺青が見えるので怖さ300倍でした。刺青の本物は遠山の金さんみたいに鮮やかな色ではなく、少し黒っぽいので一層怖いんです。
このお祭り、物凄〜く怖いけど、それが楽しみで、病みつきなんですよね〜。
父の兄はヤクザの親分と小学校の同級生なので、街で偶然会うと「おう、コウちゃん(仮名)!」と親分さんに親しく呼ばれるため、周りのチンピラさん達が丁重に接してくださったみたいです(笑)。
学校の先生達はヤクザの子供の家庭訪問はめちゃくちゃ緊張する(命懸け?)という話を聞いたことがあるし、お風呂屋さんでお背中に観音様?のお絵描きをしているおばちゃんに出会ったこともあります。
お葬式では、ヤクザさんは背広の外側の胸ポケットにお数珠を房が外に垂れるように入れています。なぜなら、内ポケットなどに手を突っ込むと、拳銃を出すのではと疑われるから、危険を回避するために、分かりやすく見えるようにしているらしいです。
さて、「仁義なき戦い」に使われていた言葉は、普通にあの時代の広島弁で、私の父の世代はドスはきかせていませんが、そんな言葉を話します。
6月8日放送のドラマ「ナンバMG5」でナンバ君が広島に修学旅行に行ってヤクザの息子とケンカしていましたが、このヤクザの息子が父世代のヤクザな広島弁を話していました。例えば「いね(帰れ)や!」は私の世代でも使わず、祖母世代が使っていた言葉です。が、演出上、ヤクザっぽく強烈なほうが面白いですよね。ちなみに、ロケ地も広島ではないところで広島っぽく撮っていたみたいです。
さて、広島弁で、「とても」を表す言葉は「ぶち」なのですが、その最上級の言葉が「ばり」です。
ぶち<ぶり<ばり
イメージとしては
「とても」=「ぶち」……ぶち怖い
「すごく」=「ぶり」……ぶり怖いけえ
「ものすごく」=「ばり」……ばり怖いけえ
男子は普通にどれも使いますが、女の子は「ぶち」は使いますが、「ぶり」「ばり」は、ヤンキーしか使わないと思います。
ということで、呉のお祭りの「やぶ」は、昔はばり怖かったけど、最近は普通のおじさんがやってるみたいです。
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