第2話 新世界の幕開け

 嫌なことがあったとき、僕はゲームの世界に逃げる。

 ゲームの中は、どんなときでも平和だから。僕の本当の居場所は此処ゲームの世界なんじゃないかと、錯覚してしまう程に。

「あぁ、転生したいなぁ」

 趣味ゲームを満喫して、疲労が身体を蝕むようになる頃、僕の電池は切れた。

 真っ暗な部屋で、テレビの画面だけを輝かせたまま。


         ***


 ドサッ。

 鈍い音がした。

「痛ぇ…」

 僕の身に、何が起こったというのだろうか。

 先ほどまで眠っていたせいか、頭が回らない。

 ただ一つ、気になることがある。

「眩し過ぎやしないか…?」

 僕は日光が苦手なので、カーテンを閉め切った暗い部屋にいた筈だ。

 しかし、今は違う。

 瞼を閉じたままでもわかる。

 これは直射日光だ。

 外にいる…?!

 そう思ったら、いつまでも寝ぼけているわけにもいかない。頭がフル回転を始めた。

「いつも通り、ゲームをしていた。そして、多分…寝た。それならば、なぜこんなところに転がっているのだ?!」

 辺りを見渡すとそこには…。

 大草原が広がっていた。

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