第92話 現像
「緊張したけれど問題なくやれました!」
しっかり蓋を閉めたタンクを先生に見せる。
ダークバッグの中でフィルムをハサミで切るの緊張した!!
パトローネギリギリにハサミを付けて切ったんだけど、失敗したらと思うと手が震えて危うくフィルムに傷が入るところだったよ。
一番端っこなんで傷入っても問題ないんだけど入れない事に越したことはない。
学校によくある長めのステンレスの流し台。
ここに先生が用意してくれた本日のメインディッシュが揃えられています。
「予備水洗と相性の良くない現像液もあるので今日は予備水洗せずにやっていきます!
現像液1に対して水は4の割合です。
20度のものを用意して5分30秒現像です」
カチッと閉めた蓋は二重蓋になっていて、タンクの一番上についてる蓋を開けてメスカップに入った現像液を流し込みながらスマホにしゃべりかける。
タイマーのスイッチをいれて。
サッと上蓋を閉めて蓋を抑えながら上下180度回転させて攪拌。
今回はマスキングテープに現像液と停止液など何が入っているか解るようにメスカップに貼っておいた。
これで間違えることはないよね!
「約1分は連続して攪拌していきますね、この時泡が立つので底をトントンしてあげて泡取りををしてください。
その後は1分ごとに約10秒ほど攪拌ご泡取りをします。
時間が来たら別のカップに現像液を注いで、その後は停止液を入れ30秒連続攪拌です」
時間通り攪拌して停止液をメスカップに戻す。
「定着液を入れて30秒連続攪拌です。2回目の攪拌10秒泡取りをして50秒3回4回と繰り返して定着液を取り出します」
ジャーっとメスカップに定着液を流し込む。
「それじゃ水洗作業に入りますね。水道の水を流しっぱなしじゃなく、10回20回と洗っていきます」
水洗促進剤を入れ1分ほど待ちメスカップに戻す、その後水洗を10回ほどゆっくり攪拌をして水を入れ替えて20回攪拌して10分ほど洗う。
「じゃぁ最後の仕上げです。水洗の最後にドライウェルを入れてちょっと攪拌してフィルムを取り出します」
取り出したフィルムを持って、普段あまり通らない場所にフィルム用のハンガーがあってそこへ移動。
「このハンガーにフィルムクリップで挟んでフィルムをセットしてあげます。
私は最後フィルムスポンジで優しく水分を挟んで取りますが、やらなくても良いですよ、あとは最後にフィルムが巻き上がらないようにに下の部分もクリップを挟んでおいてあげてください。少し2つ折りにして挟むと千切れずにいいですよ。あとは乾燥させて終了ですね」
夕暮れに差し掛かってきた西日は教室を少しだけ蒸し暑くする。
6月のこの時間意外と暑いよ!!
じんわりとにじむ額の汗を指ワイパーで拭って、干したフィルムをみる。
最近は見慣れてきたフィルムだけれど自分で現像したものはコレが初めてだね。
結構な手間がかかるんだな!現像代高いな!と思っていたけれど、思った以上に難しい!!機械でするにしてもこりゃ大変だ!!
カメラ屋さんいつもありがとうございます!!
フィルムに手を合わせてしまいたくなる。
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