第90話 現像 その4 リールに巻き取り

「皆さんフィルムを出し終わりましたね!失敗せずに出来たのでこの感覚を忘れないでくださいね。

じゃぁ、先ほど最初に説明した【パターソン】の現像タンクにフィルムをリールに装填したいと思います。

ここに練習用のフィルムがありますので見ていてくださいね! 

リーダー部、ベロと言われているところはすでに切ってありますので見た目にもわかりますね?」


先生が見せてくれたフィルムは、パトローネから出ているフィルムの先端の部分。

片側が1/3ほど細くなっていて、カメラ側のスプールに差し込んだり引っ掛けたりしてフィルムは巻き上げられるようになっている部分が綺麗に無くなっている。


「注意してほしいのは、この角の部分です。真っすぐに切ってしまうと巻くときに引っ掛かるので、角は必ず丸く処理してくださいね!

で、これを最初に見せたダークバッグ、黒の遮光袋に入れて巻き取ります!

でも、このままダークバックに入れちゃうと皆さんには見えないので、この練習用フィルムを使ってみてもらいますので近くに来てください」


ササっと先生の机にみんなが集まって実演が始まった。

リールを正面に見てくるくる回していくと一部凹んだところがあり指さす。


「ここの凹んだところ、フィルムが差し込めるようになってますので、溝部分にフィルムを差し込んでいきます。

ここにベアリングがあって、さらに差し込むとOKです。リールのサイドを前後に少し回してやればどんどん巻かれていきます」


先生はリールのサイド部分を前後にガチャガチャやり、まるでラチェットレンチのような動きでどんどんとフィルムが巻かれていく。


「完全に巻ききったらパトローネからフィルムが出なくなりますが、自然と外れることはありません。ですのでハサミや、慣れた人なら手で切ったりします。

ダークバッグの中でこれをやるので、とりあえず練習用フィルムで各自練習してください」


と、言うのでまずは見ながらフィルムをリールに差してガチャガチャと巻いていく。

2回目は別方向を見ながら、チョコチョコと確認をしながら、3回目は目を閉じて。


そしてフィルムをリールに入れるところを重点的に見ずに練習。

納得いくまで練習したから次はダークバッグ内で最終練習だよ。


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