桜の撮影
第23話 新たな撮影場所へ
朝から写真を引き取りに行ったあの日から数日が過ぎた。
祖父母と両親からは初めてにしては上出来だと私の写真は好評だった。
祖母には、私が初めて撮った祖父の運転姿の写真を、祖父には何枚もあるニタマ駅長の写真をプレゼント。
フィルムで撮ったデータはすぐにPC→スマホに移して、両親にもメールしておいたら、みんながスマホで撮ったニタマ駅長や桜の写真を送ってくれた。
家族で何か一緒の事をするのって楽しいね~。
色々勉強になったし、なによりフィルムカメラがとても楽しいものだということを知ってしまった。
祖父があんなにカメラいっぱい、レンズいっぱいになるわけだね~。
と、言うことで高校が始まるまでの間に、カメラを持って桜の写真を撮りに行こうかと思案しながら自転車を漕いでいる。
和歌山市の桜は満開時期を迎えているこの時期、入学式にはちょうど散り頃を迎える。
制服着て桜吹雪も撮ってみたいね~、撮ってたら写らないのか…そうだセルフタイマーの使い方練習しておかないとね。
とりあえずこの一週間は雨降るなよ!!
私の家からすぐ近くのJR和歌山駅前のカメラ屋さんに到着。
自転車にまたがったまま片足をつき、ショーウィンドウ前で止まる。
いやぁ~沢山のカメラとレンズがあるね~。
私のカメラとサイズが似ていて角ばったカメラもあれば、電気屋さんで見かけるでっかいレンズの付いた少し丸みのあるボディのカメラやレンズまで色々そろってるね。
自転車を店先に停めて入り口に行く、ショーウィンドウと小さいワンフロアのこじんまりとしたお店だ。
入り口には色々カメラのバッグや三脚などが並べられておりお店に入る前に色々と見てしまうが正直ちょっと使い方が解らないものも多いかな、もうちょっと勉強しないとダメかもね。
店内に入ると、奥から年配の人の好さそうな店主さんが出て来てくれた。
「すいません、コレにはいるフィルム…ぱ…パトロンネってありますか?」
首から下げているカメラを見せて聞いてみる。
「あぁパトローネね、はいありますよ~。いやぁ~珍しいね今時のお嬢さんはフィルム撮影するんだね?」
「はい、祖父にカメラを貰ったので今から桜の撮影に行こうかと…」
しまった!緊張しすぎてパトロンとか言ってしまったよ!!恥ずかしすぎる…誰かフィルム代援助して!。
「今日は天気もいいし桜の撮影には最高だね、この辺だとやっぱり和歌山城かな?すぐそこだし、ちょっと足を伸ばして紀三井寺もいいかもしれないね。」
キミイデラ…きみいでら…紀三井寺か!!よくニュースで和歌山での桜の開花時期になると何故か聞くお寺だ。
不思議に思っていたし時間もある、じゃぁそこに行ってみようかな?
場所を尋ねると、駅前の4車線道路をひたすら南に走ったら左側に看板が出てくるそうだ。
スマホでマップを確認しながら行ってみよう!!
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