第22話 写真 その3

3枚目はウチの両親が車の後部座席でイチャイチャしている写真、その後に出てきたのがニタマ駅長の写真。

可愛く撮れてるよ!!しっかり顔にピントが合っていて、背景がボヤてニタマ駅長の可愛さが引き立つね!


目で見たまま撮れるレンズって言っていたから自分で近寄ったりしないといけないけど、これは良いものを貰ったね~。


2枚…3枚…4枚…5枚…と写真を並べていくと、同じような写真がどんどん出てくる。

その後も途中アングルが変わってニタマ駅長の見え方が変わるが、代わり映えのしない写真ばかり。

中にはチラッとコチラをみた超かわいいニタマ駅長の写真があるがコレ!!って言える写真が少ない、ほとんどが同じ写真だった。


私…ニタマ駅長しか撮ってないや…あとなんでこんなにシャッター切ったんだろう…。

カメラ覗きながら歩いたりしていたのに、風景も貴志駅の外観も…私…ただ見ただけだった…何していたんだ私よ…。



撮って現像してから気が付く失敗である。

それは自らが動かず同じ画角でシャッターを切りすぎているのが原因。

用途に合わせて使い分けるとよい撮り方なのだが、動くものと撮影する時に、又は相手の笑顔の一番良い表情を撮りたいときなど、連射で撮影してその中からキメの1枚を選ぶ撮影の仕方である。

残りは捨てカットと呼ばれ、人物なら白目や半目で映っているのもあり、本人には本当に仲が良くないと見せれない顔になっていることもよくある。へんな顔回避にも使えるので、集合写真で何枚も撮ることがあるはそういう事である、だから早くしろカメラマンとか思わないで頂きたいものである。

自分の中で枚数を決めて撮影すると良いのだが、美幸はこの時ニタマ駅長が可愛く、シャッターを切る事が楽しく夢中になりすぎていたのが原因であると、おじいちゃん(談)



デザートの写真は祖父が簡易レフ版でフォローしてくれたので綺麗に撮れている。

データになっているし、今回の写真インスタ上げたらバズるかな?

祖父とパパのコーヒーやキャットドック、ママのデザートの写真をめくると、最後の一枚。

みんなで撮りに行った電車の写真。


スマホで撮った祖父やパパの写真とも違ってフィルムカメラでの雰囲気がある。

私の狙った通り桜のアーチに電車が入り思い描いた写真に仕上がっていた。

しかもピントはキチンと合っていて申し分ない。ただちょっと電車まで遠いんだよね~。

初めてのマニュアルカメラでの撮影は、最後の電車の写真に救われたね。

今度からデータにしてプリントアウトは選んでからにしようと思う美幸であった。





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