第7話 フィルム
このレバーの感覚が気持ちいい…なんだか癖になりそうな音と触りごこちと反動…。
「じゃあシャッター切ってみて、この部分がシャッターボタンや。押してみな」
ドキドキしながらボタンを押す。
カシャン…。
部屋に響き渡るシャッタ音。
レバーを巻き上げた時から不思議なドキドキが最高潮に達したように思えた…。
言われるがままにシャッター速度を500.250.125.60.30.15.8.4.2と試していく。
ぎこちなかった巻き上げレバーの操作にも慣れてきた、すごく気持ちいい。
そして最後のダイヤル1に。
カッ………シャン…。
どんどんシャッターの切れる速度が遅くなっていき、私の胸の高まりも少し収まった。
「あとはバルブ撮影やな…『B』って書いてあるのは押しただけシャッターが開いて、離せば閉じる。
お星さま撮ったりするときに使うんやで、覚えとき。
『X』はオートエレクトロフラッシュ意外を使う時にはここにしてな。
『O』はメカシャッターいうて、1/100に機械制御でシャッターが切れる。本体の電池が無くなって交換出来やんときにつかうんやが、いままで試したことないわ、ワハハハハ!!」
カメラ好きの祖父が使ったことない機能もあるのかよ。
少し不安になる美幸であった。「問題なく動くな!じゃあフィルム入れよかフィルム」
そう言いながら別のドライボックスからフィルムを出し手渡される。
渡されたのは緑色の箱。
『FUJIFILM SUPERIA PREMIUM』
紫の文字で400その横に27枚と書いてある。
「27枚?ってか、おじいちゃんコレ400メガしかないの?デッカイ箱の癖にやっぱ古いだけあるよね~。
それで27枚なのね?ってか写真データかなり小さいんじゃないの?!!
絶対に画像メッチャ荒いやつやん!」
箱を片手で摘まみ目線にあげてクルクル回しながら眺めてみる。またまた不安でしかない。
こんな画素数の少ない写真じゃ、スマホのカメラの方がいいじゃん!!もしいい写真とっても画像が粗いんじゃヤダな〜。
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