第6話 カメラチェックだよ
じゃあ、と祖父にカメラを渡そうとすると、
「チェックすんのは美幸ちゃんやで。これから使うんやろ?まずは電池交換やな。10円もっとるか?」
10円で電池が交換できるのか?10円入れないと動かないの?昔のカメラ…。
少しだけ億劫になってくるが、祖父が張り切っているので付き合うことにした。
「10円は財布にあるよ。ちょっと待って…はい10円」
鞄から財布を取り出し10円玉を用意する。
「じゃあカメラの裏部分みてみ〜な。ここの丸い部分、これが電池室、開けるには10円玉がちょうどええ。それで回して開けてみな」
丸の中に凹みがありそこに10円を入れてみると見事にフィットする、クリクリっと回すとスーッと蓋が回り出す、何度か回したら指でつまんで蓋を取る。
「ヨシ固着してないな!保存が良かったからやな~。で、その蓋についてる電池を外してみてくれるか…、そう、それでコイツや。RL44って電池二個を入れ替える」
そう言いながら祖父は新品の電池を手渡してくれた。
「電池は百均にも売ってるし、おじいちゃんみたいにネットで探して大量に買っておいてもいいぞ!!
何かと使うからな。あっ奥が+側だからな。向き気を付けてな」
祖父の話を聞きながら電池を二個入れ、先ほどの手順と逆で電池室に電池を戻す。
「じゃあ次は、シャッタースピードを変えながら空シャッター切っていこか。ちゃんと動くかチェックやな。
このカメラのおかげで絞り優先・シャッター優先論争は無くなったと言っても過言ではないな。
当時は凄いことやったんやで。
おじいちゃんは絞り優先派なんやけどな。
そこに撮影モード切替レバー『M』『A』『S』って書いてる所あるやろ?Sに合わせてみて。」
祖父は私の近くにより、指さしながら教えてくる。
そして言われるがままレバーをAからSに切り替える。
「そこの数字がいっぱい書いてあるのがシャッターダイヤル、回るから1000にしてみよか、うん、そのまま巻き上げレバーを格納位置から右方向へ引き出して、そう…親指をそこにかけて…右方向へ止まるまで回してみ」
少し力を入れてレバーを押すと…カシャ…と何とも言えない音がする。
指を話とレバーが戻っていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます