第5話 貰っちゃった
「美幸ちゃん、コレやったらあげてもええで。女の子が持つにはサイズも小さくてええわ。ちょうど前期と後期モデル持っとるしな。そやな、こっちの後期モデルあげよかな?」
「何が違うのコレ?見た感じ一緒にみえるけど…。色だけ違うの?」
聞き返したのが失敗だった…、つらつらとこのカメラの事をしゃべりだす祖父、要約するとまぁマイナーチェンジで、シャッタースピードの文字が緑になっているんだとか。
「そんな事より今おじいちゃんコレくれるって言ったよね」
ほれっと、今祖父が持っていた黒xシルバーのカメラを差し出してくる。
ドキドキする…。
最近こんな気持ちになったことない。胸の高鳴りを押さえながら手を伸ばしカメラを受け取る。
冷たくずっしりしているが、何だかオシャレでなんだか可愛カッコよく見えてくる。
それってくれるって言ったから?現金なヤツだな私って…。
「えっ…と…、おじいちゃん本当に貰っていいの?
これって高いんじゃないの?
それに思い入れもあるよね。
そんなパッと人にあげても…」
「かまへん!誰でもあげるわけじゃない、美幸ちゃんだからやで。人にカメラあげた事なんかないからなぁ。おじいちゃん死んだとき、美幸ちゃんがカメラ好きになってたら全部あげらよ。貰っちゃってよ。な…」
ワッハハハと笑いながらも、とんでもない事言う祖父にビックリしながら手元のカメラを見るのだった。
「よっしゃ!!美幸ちゃんにカメラをあげるんやから、今からそれは美幸ちゃんのもんやな!!って事でカメラが普通に動くかチェックして見よか」
マジか…。私がするの…。
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