第6話 ワンウィーク

あれから1週間


仕事は現場で下見の際原因不明の事故が起きたということで、進展は保留で、仕事は休み


元請けが羽振りのいい会社のようで、工事開始まで工賃を支払ってくれるとの事らしい


ぶっ壊れたあの建物の調査をしている


調査したところで建築耐震どうこうが原因じゃないから、原因究明は不可能なんだろうけど


僕は内心いつヤツらが来るかひやひやしてるてど、命さんは意に介さず僕のうちでのんびりと満喫している



備えとか、対策とか


全くする気配がない


いいのだろうか


件の石についてもあれからあれ以上の説明もなし


唯一の身を守る拠り所だし、もっと詳しくと思う



「今日夜ご飯なににするー?」


呑気な声が聞こえてくる


ベースキャンプとなった僕の家で


充二分にゴロゴロとしている


一切の不安やこの騒動を全く不安視どころか忘れているかのように


彼女なりの安全だという確証があるのか


僕ばかり不安を露にするのもなんだか男してどうかと思い、何も聞かないではいるけれど



いや、どうするのほんとに?


仰天内容が無かったら


これ、


命さんが学生かどうかは聞いてないけれど


にしてもなくても、17歳が家に住み着いてる


事案だ


ああ、僕どっちにしても、2つも事件性を抱え込んでいる


「ふわとろオムライス」


単語と全くそぐわないような真剣な口調で

、命さんは覚悟を決めたかのように夕食の要望を唱えた



この石に、命さんにもうちょっと真面目にどうするか取り組ませる事が出来ないのか


僕は願った



絶体絶命ぽかったのは分かる


怖かったろう、だから暫し忘れて普通に生活する


心の負担や疲労を取るためにも大切なことだ


けど、3日目くらいで確信に変わった


彼女は全く意に介していない


肝が据わってるのか、僕が目撃したのは1回だが


幾度と経験して慣れているのか



僕はどうすれば良いのだろうか


卵を割りながら思った


「ふわとろねーっ!」


リビングからの声は


本当に改めてとんでもない事が起きているなんてないような、夢なんじゃないかって思うくらいに呑気な声だった



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