学校に一つだけ癒しがあるなら、それは美人先生でしょう
授業が終わり、掃除を終えた。
「うふふ、ひたなくん」
「う、うん……三上さん、目が怖いけどどうしたの?」
「うふふ、今から部活でしょう?」
「そ、そうだけど……?」
それを聞いた三上さんは目にも止まらぬ速さで、俺の左手に絡んだ。
「さあ、行きましょう」
「……いやいや、三上さんは部活行かないの?」
「私は帰宅部だから気にしないで、さあさあ」
半ば半強制的に腕を引っ張られ、最上階にある音楽室に連れて行かれた。
俺の部活は音楽部。合唱部でもなければ、吹奏楽部でもない、音楽部。
そして部長も俺だ。…………更に部員も俺一人だ。
「あら? ひなたくん、可愛らしいお嬢さんと一緒なのね?」
長いストレートな髪が綺麗で、スラッとした体型、一目見ただけで美人だと分かる彼女は音楽部の顧問先生で音楽専門教師の
「先生、すいません……クラスメイトの三上さんです」
「三上です。見学しに来ました」
「あらあら、今日
ん? 今日も? 今日が初めてなんだけどな……?
「もう一人は来ないのかしら……?」
ん? もう一人??
「さあ、ひなたくん。部活を始めるわよ?」
「は、はい! 本日も宜しくお願いします!」
それから浅田先生の指導の元、ピアノのレッスンが始まった。
名ばかりの音楽部は現在、俺が浅田先生にピアノレッスンを受ける為の部活となっていた。
正直、これがなかったら、学校には来てないかも知れない。
大人の香りがする浅田先生との楽しいレッスンの時間はあっという間に過ぎて行った。
「はい、今日はここまで。ひなたくんのピアノは日々上達してるわね」
「師匠がいいですから」
「あら、お上手。でも彼女さんが嫉妬しちゃうわよ? ほら」
机で見守っている三上さんの目が恐ろしい状態になっている。
「では、私は先に戻るわね」
「本日もありがとうございました! また宜しくお願いします」
優しく手を振った浅田先生は音楽室を後にした。
その入れ替えに、いつもなら夕方頃に迎えにくる彩が入ってきて、三上さんの隣に座った。
「彩がこの時間にくるなんて珍しいね? まあ、俺はこのまま自習練するからな?」
「うん! 私なんか気にしないで頑張ってね!」
よく分からなあ雰囲気の中、俺はピアノの奏で始めた。
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