6 楽

 休みの日まで働きたくない。

 私は彼にそういった。朝から晩までそう言ったのに!


 彼はなぜかテトリスを取り出してきて遊ぼうといってきた。

 確かにゲームしたいとは言ったけど、なんでよりによってテトリスなの!


 仕事の時に散々事務作業やら上司の愚痴やらで頭を使って働いてるんだから、たまの休みの日くらい私の脳みそに休みを与えてあげてもいいんじゃないかしら!


 まあやったんだけど。

 また腹立つのが彼は本当に強くて余計に脳のリソースを持ってかれてしまった。


 やっぱり腹立つから、今日は私の大好物カレーを作ってもらうことにした。

 カレーなんて作ったことないっていって、自信なさそうにしてたけどちゃんとおいしかった。腹立つ。


 彼と過ごしていると何でもないことでもワクワクして楽しくなってしまう。

 文句を言いつつも楽しんでいる自分がどこかにいることに気づいて、より楽しくなってしまう。


 今も近くで口うるさくお風呂にはいれって言われている。

 休みの日くらい入らなくていいじゃないって言ってもちっとも聞いてくれない。

 そんな煩わしさすらも心地よくすら感じる。


 でも、そんな日も明日でおしまい。

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