第9話 リエッティ 再会

 俺はこの時を待っていたのだろうか?


 リエッティの治療が終わり凍結冬眠から目覚める日がやってきた。


 いつも何度もケンカして、付き合ったり離れたり。学生時代の幼馴染。


 いつも目つきの悪いおれをからかいがてら付き合ってくれるリエッティ。


 俺達の船が学園惑星に降り立つとシャック先生がいた。そして学園の門。そこに白いワンピースの少女が立っていた。


「………………。」


「アレス、ありがとね。みんなも、私の為に。」


「おい、アレス!! なんか言えよ!! お前の発案だろ!!」


「……もう、離れるんじゃねえぞ。」


「ありがとね!! アレス!!」


 宇宙船に戻る俺達。これからはリエッティも

一緒。そして宇宙伯ネクタルの計画の阻止をシャック先生から伝えられる。


「あのネクタル君は各惑星で暗躍しているようだね。みんなの力でなんとかしてほしい。」


「分かりました!! 先生!! ネクタルにガツンと言ってやります!! モテないぞ!!って!!」


「リエッティ…………。」


 ああ、そういえばリエッティってこういう女子だった。うっかり記憶が美化しすぎてる。


「じゃ、次の星行くか!!」


 トニーは今日も陽気に応える。


「私もそろそろ彼女探しますかね。」


 ファロスは探す気ないだろ。


「…………。ラーメン美味しかった。」


 アーク、久しぶりのラーメンだったな。


「皆さん!! そろそろ出発するんで席座ってください!!」


「??!! 誰!? この子。」


「タンタだ。俺の奴隷の。」


 うわーーーー、勢いで殴られる俺!! リエッティは今日既に調子良いようだ!!


「アレス!! 何勝手に人族奴隷にしてんの!!?? は?! 最低なんですけど!!」


「俺のポリシーだ。話せば長くなる。」


「アレス!! アンタね、人としてして良いこととそうでないことが…………。」


 いつものやつだ、でも懐かしくて気持ちいい。リエッティとはそんなやつだ。


 ファロスとトニーはニヤケ顔で夫婦喧嘩を眺めている、チキショー、こうなるのはわかってたんだよ。


 ああ、早く着け!! 次の星!!



          つづく

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