第3話 獣王姫 リラ

 リエッティは笑った。俺の記憶の中では笑ってる。些細な事で良く喧嘩をした。ちっちゃな事で笑い合った。


 そんな少女が今隣にいない。





 俺は寝ていたのか? 広大な宇宙の中。宇宙船で俺達は旅してた。奴隷のタンタが俺を起こしにくる。


「アレスさん。もうすぐ到着しますよ。皆さんがお待ちです。」


「タンタ。」


「どうしました?」


「いや、なんでもない。」


「??、まあいいです。僕は味方ですからね。」


「ふ、」


 俺は着替えて宇宙船のロビーに向かう。トニー達はモニターのおじさんに話しかけていた。


「で? 今回の任務はどうなんだ?」


 モニターのおじさんは俺達の学生時代の担任だった。シャック先生は俺達に任務をくれる。


「前回のゲノムは良かったな。研究が進むよ!! みんなありがとう!!」


「リエッティの方はどうなんだ? ゲノム解析は進んだのか?」


「それがやっぱり難しい。稀な血筋のようだ。」


「そうだ!! 今回のミッションは獣人の星で獣王の娘の血液を採ってきてくれ!!」


 俺はイラつく。


「ホントにリエッティの病気を治すのに近づいてるんだろうな?」


「とりあえずリエッティは冷凍冬眠させてるから今のところ病状は進んでない。ゲノム解析はずっと続けてるよ。」


 トニー、


「俺は暴れられれば良いや!!」


 ファロス、


「獣人は珍しいですね。人族とあにまるん以外とは。興味が出ました。」


 アーク


「…………。撃ちがいがありそうだ。」


 シャック先生、


「それじゃ!! いってらっしゃい!!」


 ワイワイやるのは楽しいが、お前ら陽キャ過ぎだろ!!





 宇宙船は獣人の星の森に降りた。光学迷彩で降りたが既に1匹? 1人の獣人がいた。首を傾げてる。女の子のようだ。


 宇宙船から降りた俺は降りた瞬間少女に見えたようだ。


「フォッ!! 人族出たッ!!」


「君は1人か?」


「アタシ、リラちゃん!! よろぴくね!!」


 会話になってない。こういう時、はあ??って言っとくべきか。


「で、おうちは近いのか?」


「アタシ、獣王の娘!! リラ!! ハートキャッチング!! 目をパチパチ!!」


 こいつ、…………。会話が出来ないタイプだ!!


 途方に暮れてつづく。




         つづく

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