第2話 異星の姫君アニス

 あにまるんの住まう星でアレス達は地下牢にいた。


「もうすぐ夜か…………。」


 リエッティ、幼馴染の少女。恋愛と失恋を繰り返し友達となった。今は学園惑星でカプセルに入ってる。俺はあいつを治す為、ここにいる。


「おい、アレス。もう良いんじゃ無いか? この星のルールに合わせなくても。どうやったってこんな牢屋では俺たちは止められねえぜ!!」


「…………。なんで俺とお前が相部屋なんだ?!」


アレスはトニーに毒づく。


「しょうがねえだろ? ここの牢屋手狭だろ?」


 その時俺は魔力を感じた。ファロスだ。


 手始めに巨大魔法陣で兵士を全員眠らせるつもりだ。


「よっしゃ!! アレス!! 出るぞ!!」


「……、なんでお前が仕切るんだ!!」


 トニーは牢屋の格子めがけて魔法の槍を投げつける。


「ヴァルキュリア!! ジャベリン!!」


 牢屋はいとも容易く穴があく。


 俺とトニー達は別行動だ。すぐ帰れるよう、タンタは宇宙船に残し、光学迷彩で常に宇宙船はこの城の上空にある。


 トニー達は騒いでもらって俺はこの城の姫君のところまで向かう。





 この城の姫君はメイドのあにまるんとお茶をしていた。あにまるんは人より小柄な事が多いが、このあにまるんは違う。キリンあにまるんのため、首と手足が長いのだ。


 姫君の紅茶を淹れるにはキリン型あにまるんが合うのだろう。


 姫君はぼーっとしてた。


「はぁ。」


「お嬢様、ため息など疲れては幸せが逃げてしまいますよ。」


「だって、お父様がいきなり異邦人を牢屋に入れるんですもの。少しばかり異世界の話が聞きたかったですわ。」


「うふふ、お嬢様。それだけでは無いでしょ?」


「え?」


「うふふ、イケメン揃いでしたものね。あの方々!!」


「キリーナ!!ったら。」


「うふふ、ふふふ、うーひゃひゃひゃ!!」


 キリンギャグが出たところでファロスの魔法が届いたようだ。


 キリンのキリーナは倒れるように寝付く。


 そして俺が姫君の部屋に乗り込む。


 バッ!!


「アニス姫!! ここかッ!!」


「キャッ!! 何者ですか!!」


 月が綺麗な夜だった。城の塔の部屋。アニス姫と俺は距離を縮める。


「あなたは何者ですか?! ただの異邦人ではありませんね。」


「そんな事は知らなくて良い、今宵アニス姫を貰い受ける。」


 俺はアニス姫の腰を抱きしめて耳元で囁く。


 アニス姫は覚悟したらしい、目を瞑る。


 そして、俺は。




 アニス姫の右肩にガブリ。


きゃーーーーーーーー!!!!!!


 そして声が止まるとアニス姫は崩れ落ち。気絶したみたいだ。


 俺はアニス姫を抱っこしながらベッドに下ろす。俺は悪い人間だよ。


 ドドーーーーん!!!!


 トニー達の合図だ。俺らは宇宙船の降りた中庭に集合し宇宙船にトラクタービームで乗った。





 そして広大な宇宙に戻る。


「足りねえなあ。もうちょい遊びたかったな。」


「それより今日の成果は?」


「これだ。」


 吸血鬼型注射器。尖った歯の裏に血を溜められる。これでアニス姫の血液を採った。


 データを学園惑星に送る。



…………。


「……。今回もダメだったか。」


 幼馴染のリエッティ。ゲノム解析では神々の血を引く事はわかってる。


 俺は探し出してみせる。そして…………。



         つづく

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る