第110話 高坂真由
俺は高坂さんにSNSを送信した。
遠『お久しぶりです、ドラマでエキストラをやらせていただきました遠山です。
「星空の下、2人。」でのヒロイン役、おめでとうございます。
私もエンディングを歌わせていただく事になりました。
今後何か芸能界での事で解らない事がありましたらお尋ねしてもよろしいでしょうか?
有希共々ご指導いただけます様、よろしくお願い申し上げます。』
高『固い固いwww
真之さん、よろしくお願いします。
日傘ありがとうございました、実家から届きましたよ。
早速使わせてもらってます。
有希ちゃんにもよろしくお伝えください。
ところで、有希ちゃんって芸能事務所とか入ってないんですよね?
芸能界に興味とか無いのかな?』
遠『有希に伝えておきます。
興味?それはどういう…?』
高『あー、ハッキリ伝えちゃいますね、有希ちゃんが可愛いから、ウチの事務所がスカウトしたい、と。
まだ本人には声を掛けてませんが、ちょうど真之さんが連絡してくれたので聞いてみました。』
遠『あー、やっぱり。
本人は興味が無いと。
取り敢えず大学が決まるまでは全く考える気は無い様ですよ。
有希の大学が決まったら高坂さんに伝えますから、それから本人に声を掛けてやってもらえますか?』
高『…私、真之さんは有希ちゃんを芸能界に誘うのは止めて、っていうのかと思ってました。
有希ちゃんの婚約者なんですよね、いいんですか?止めなくて。
人気商売だし、最悪結婚出来なくなっちゃうかもですよ?』
遠『以前有希が、自分の世界を広げて、色んなものを見て、色んな体験をしたい、って言ったんです。
俺もまだ人生経験浅いし、もっと苦労したり凄惨な人生を送っている人はいるでしょう。
勿論そういう人とは比べ物になりませんが、俺もそれなりに結構揉まれて生きて来ました。
でも、有希はこれまで、俺よりも凄く苦労して、我慢して生きて来たんだと思うんです。
だから、これからは有希のやりたい様に、自由に生きて欲しい。
俺は有希の可能性を俺の我儘で潰したくない。
勿論、最後に俺のところに戻って来てくれれば1番いいんですけどね。
でも芸能界なんて、色んなイイ男がいるんでしょうね…
戻っては来ないか。
でも、その時はその時です。
俺は有希と出逢わなければ元々独りだったし。
寂しくなると思いますが、元の生活に戻るだけですよ。
俺は、有希の笑顔を守る、って決めたから。
長文失礼しました。』
……………………。
遠『高坂さん?高坂さんの事務所から有希が誘われてる件、俺から伝えておいた方がいいですか?』
高『あぁ、ごめんなさい。
じゃあ大学が決まったら真之さんから連絡もらえますか?
待ってますので。』
遠 ネコのお巡りさんが、了解!と敬礼しているスタンプ
私は小学生の頃から劇団に入って子役をやっていた。
始めは親にやらされていただけだけど、段々と演じる事が面白くなって来て努力を重ね、今では主役をもらえるくらいまでになった。
そして私が女性らしい体つきになり有名になればなる程、芸能界の男達が私に言い寄って来る。
私まだ高校生なんだけど、男を見る目だけは肥えたと思う。
皆イヤらしい目で私を見て来るし、口を開けば自分の自慢話ばかり。
もう、顔だけはいいけど、男なんて皆同じ。
…そう思っていた、あの人が現れるまでは…。
どうしよう…私…
あの人の事を知れば知る程、胸が…
胸が、キュッ…てなる…。
初めてのこの気持ち、私の中で大きくなるのか小さくなるのか…
暫く様子を見てみよう。
大事に大事に育ててみよう。
もし、大きくなったら…
その時考えようかな、どうするか。
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